「器」三度目の殺人 M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
器
あの人は器が大きいだとか、小さいだとか、よく耳にする言葉ですが、本作の中では“器"がキーワードであると思います。
誰かのレビューに、役所広司さん演じる容疑者の三隅そのものが“器"なんだと書かれていました。
私もそう思いました。
三隅は自分自身は生まれてくるべき人間ではない。生きていても傷つけるだけだ。というようなことを劇中で言っています。
一体彼の過去、生い立ちにどんな事があったのか。これがとても気になりました。
作品の中で描かれる、裁判に関わる人間達は、裁判官、弁護士、検事。どの立場にいる人も事務的で、己の評価、己の都合で仕事をしているかのように描かれていました。もしも、これが真実であるならば、私はこの国で絶対に裁かれたり、あるいは裁かなければいけない人間と関わるのも嫌だ。と思いました。
法というものがありながら、結局は人間という大したわけでもない生き物が人の生き死にを裁くなんて、よく考えればアホらしくも思えてきました。。。まぁ、無くなってしまうと大変なんですけどね。
福山さんは相変わらずカッコ良かったけれど、役所さんと絡んでしまうと、やはり飲み込まれてしまいますね。どちらも大好きな方々なので、演技に見惚れてしまいました。広瀬すずちゃんもただの可愛い女性では無いなと、初めて演技を見て思いました。今後が楽しみな女優さんです。
簡単な話ではない映画でしたが、見ているうちに心を持っていかれてしまうくらい魅力的な話でした。
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