「ブラックホール」三度目の殺人 BARCA!さんの映画レビュー(感想・評価)
ブラックホール
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目撃者の無い事件を客観的に裁くことなどまず不可能に近い話なのだと今さらながら感じた。
役所広司の猟奇的な芝居は観てる方も恐さを感じるほど。その三隅を中心に広がっていくある意味破綻しているとも言える人間関係がストーリーをより複雑に、そして面白くしていたと思う。
嘘と真実、生と死。対極にあるようで、実は表裏一体で最も近くに存在しているようなものだからこそ、人を裁くのは困難を極めるのだろう。被告人が裁量の対象になるのは当たり前だが、この世界には社会的、法的にではなく、罪を犯している人がいるかもしれない…そのようなメタファーを強く感じた。裁くもの、ひと、理由、それらが暗闇の奥底にあるような印象を受ける作品だった。
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