「タイトルの意味がわかれば、どっぷりハマる。」三度目の殺人 ちゃーるすとんさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルの意味がわかれば、どっぷりハマる。
役所広司にこういう役をさせると右に出るものはいない。
重苦しい、間接的にものを言う演技はさすがとしか言いようがない。
物語は全体的にくらい作りだが、やはり光の使い方が非常に上手いと感じた。
とくに、終盤になるにつれて明るくなるスクリーンには、福山の、どのようにしても勝ちたいという意識が変わっていく、そんな感情が感じられた。
ストーリーもまた、言うことなし。
題名の意味が分からない方はもう1度見るべき。
結局、どのような真実なのか。
それは実際に法廷に立つ弁護士や検事、裁判官も同じなのではないか。
ストーリーでは、円滑に進めるために様々な話が飛び交うが、それも今の法廷事情や、福山の考えを変えていくストーリーの伏線になっており、非常に練られていて飽きることはない。
実際の弁護士や検事も、同じように真実を知ることなく決断する裁判は多いだろう。
映画を見終わったあと、同じような気持ちになった。
スカッとする映画ではないが、映画を見る前よりも10倍深い内容に、さすが是枝映画と感嘆する限りである。
にしても、広瀬すずの演技はまた更に上手くなったと感じた。怒りでもそうだったが、今回も特に難しい役どころ。ただ単に悲しみを演技するわけではなく、目で感情を訴えてくる彼女の演技には脱帽。
個人的には、イチオシの蒔田彩珠が出ていて嬉しかった。笑
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