劇場公開日 2018年5月11日

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「「英雄と、その英雄。」折れた心を繋いだ、多様な愛。」ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「英雄と、その英雄。」折れた心を繋いだ、多様な愛。

2018年5月15日
PCから投稿

泣ける

悲しい

怖い

【賛否両論チェック】
賛:事件がきっかけで次第にすさんでしまう主人公が、様々な人々の愛によって、再び前向きに生きていくまでの姿に、絆の尊さを実感させられるよう。
否:メインは主人公の再生なので、事件そのものはあまり語られない。主人公の言動も、やや好き嫌いが分かれるところか。

 突然不条理なテロ事件に巻き込まれ、望まない悲劇の英雄となってしまった主人公・ジェフ。本作ではそんな彼が、心身共に疲弊して、次第に人生に投げやりになっていく哀しい姿や、その失意のどん底から様々な人の愛によって、再び運命に立ち向かっていけるようになるまでの姿を、如実に描き出していきます。決して綺麗事だけでは済まされないテロ被害者の本当の姿が、そこにはあるような気がします。
 そして、ジェフを取り巻く様々な「愛」も見逃せないところです。ジェフのことを常に案じてきた恋人のエリンや、息子を愛するがゆえに他人を傷つけてしまう母・パティ、さらには事件の現場でジェフを助けた英雄・カルロス等、本当に沢山の人の愛情によって1つの命が支えられているということを、改めて痛感させられます。
 テロ事件そのものを描いた作品ではないので、その辺りの緊迫感はあまり期待しない方が良いと思いますが、1人の人間の挫折と再生の物語を、是非ご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド