スイス・アーミー・マンのレビュー・感想・評価
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Daniels
2016年サンダンス映画祭で監督賞ドラマ部門を獲得したダニエル・シャイナートとダニエル・クワンのダニエルズ監督の作品です。
久々に心に残る映画に出会えました。
何と言ってもストーリーの奇妙さが半端じゃない。予告編を見てもわかると思いますが、みなさん大好きなダニエル・ラドクリフがゾンビ的な役を演じて、日本でもかなり話題になりましたね!
テーマはこれまで人間の歴史で一番語られてきたであろう、人生とは何か、幸せとはなにかという、もう絞っても一滴も出てこないほどしゃぶり尽くされたテーマですが、ここまで味がするとは思いませんでした。
それは、撮影であり、編集であり、演技であり、いろんな意味でものすごく心を打つ作品でした!
まず最初に映画として大事なのが、エンターテインメントであるということ。コメディ映画ということで、90分笑ってられる作品です。それも高度な笑いじゃなくて、ただバカバカしくて、小学生がするような笑いです。それでも、テンポとか間とかが自分にあってたので、笑えました。
そして、先ほども言ったテーマ。無人島で人生途方に暮れて自殺を図ろうとする主人公が、人生を思いがけず振り返ることになるのですが、その描き方、描く方法が革新的でした!
まず、撮影。3億円という低予算な映画ながら、それを感じさせない撮影でした。ロケーションは変わらず、そこは低予算という感じですが。実際の太陽光に加えて、火の光、そして映画用の人工的な光をミックスさせていて、とても自然なライティングでした。
それに、ストーリーの面でも、現実と妄想の世界を行き来するのですが、そこでの照明が、くっきり別れているようで、別れていない。いいかえると、別れているシーンもあるのですが、別れていないシーンもある。それはいわゆる、ライティングでキャラクターの心情を表現しているということ。しかも一つのロケーションで効果的に。さらには現実シーンでさえもコメディ要素を忘れないようなライティング。まさに見習うべきライティングでした。
さらには、5種類ものカメラを使い分けるという手段。あまり推奨されることではないのでしょうが、低予算なりに、限られた時間予算場所のなかで、監督が頭に描くことを達成させる術がそこにはありました。Phantom Flex4Kでスローモーションを撮り、Alexaでメインを撮り。このチョイスもまた、デジタル映画の時代として、一つの方法なのかもしれませんね。
そして編集。ここにもかなり驚きました。単純な会話や普通のシーンはそこまで驚くほどではありませんでしたが、観客をハッとさせるようなリズムを変えるエディティングは現代的で、とても効果的でした。フラッシュバックをするシーンは特徴的で、サウンドとの見事な融合、シンクロで、かなりもってかれました。
そして先ほども述べた、現実と妄想を行き来するシーンのテンポはそのシーンの主役でした。その編集でストーリーを前に進め、キャラクターを作り上げていく。その一つ一つのカットがリズムを作り、映画を作り上げていくのが美しく、まさに頭崩壊しそうでした。
このダニエルズは得体の知れない存在になりそうです。まずなんにせよ脚本が完璧なんじゃないか。脚本自体を読んだわけではないですが。ストーリーを見てると、かなり精密に作られていると確信しました。
そして、あらゆる映画制作における要素のクオリティが高い。あとは違うジャンルを描くのか、それともこのスタイルを貫いていくのか。また脚本業に徹するのか、それとも違う脚本家の作品を監督するのか、それとも、自分の作品だけにこだわるのか。
かなり楽しみな監督が出てきましたね!
奇想天外ではあるが
好きです!
安定のポール・ダノ
最早ツッコメない奇天烈映像
ダニエル君(死体)が腐敗ガスという名のおならでジェットスキーをしてみせるというのが冒頭に持ってこられているのが最高に良い。最初からブッ飛んでいる。
過去の思い出を取り戻す事でマルチな能力を開花させ、無人島で野垂れ死ぬ寸前だった男を助けてゆく という破天荒なストーリー。
ダニエル君のマルチパワーがいちいち爆笑モノで、主人公も遠慮なくそれを使う為にダニエル君をいろんなとこに叩きつけたりしてるのが圧巻。
森の中に色々な飾り付けをしているのもとても本格的で視覚に楽しい。
こんなに笑わせておきながらラストはすごく切なくて泣かせてくれるというズルさ。
下ネタがややきつく、中盤しつこいのが個人的には嫌だったけれども、そこを差し引いてもおつりが有り余るサバイバル・コメディだった。
レビュー
前代未聞のオナラ映画(褒め言葉)
開発されて行くラドクリフ
ひどい冗談
「何なの?」
ダニエル・ラドクリフの死体が爆走するシーンが感動的
ダニエル・ラドクリフが死体役でポール・ダノが遭難者という設定の映画というと、観るべきかどうか微妙な感じがします。が、全く想像がつかない方向に物語が進んでいって、感動的な感じがします。
よくここまでデタラメが出来るなーと感心しますが、ダニエル・ラドクリフの演技はハリポタ以降爆発していることは皆さんご存じと思われます。しかし今回はホントにオナラで爆発という、役者としてばかりでなく人間としての限界に挑んでると言うか…この映画の制作者サイドは江頭2:50のことはまさか知ってるわけないと思いますが。知ってたら出来ないとも思われます。
ポール・ダノについても、全く救われない情けない役柄で、このセリフのひとつひとつは一体なんなのか深く考えさせられました。だいたい物語上ではこの後どうなるのか気になってしまうくらい情けないのですが、ダニエル・ラドクリフが屁を推進力として海のかなたに走り去ってしまうので、映画が強制的に終わってしまうのですよ。
最高にシュールで笑いました!やたら壮大な音楽もシュールさを加速させ...
笑いと感傷
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