「設定が魅力的。」スイス・アーミー・マン mnさんの映画レビュー(感想・評価)
設定が魅力的。
ハリー・ポッターの主役で
世界的ブレイクを果たしたダニエル・ラドクリフが
死体を演じるという異色作「スイス・アーミー・マン」を鑑賞。
9月公開の中で最も楽しみにしていた作品ながら
池袋と有楽町のみというなんとも寂しい公開状況。
全国拡大希望。
舞台はとある無人島。ポール・ダノ演じるハンクは
人生に絶望し、自殺を図ろうとする。
そんな時、浜辺に打ち上げられた人間を目にする。
生存を期待して、声をかけるも、すでに事切れていた…。
さらに絶望し、改めて自殺を図るハンクだったが、
その死体に異変が…。
体内の腐敗ガスがお尻の穴から出始め、オナラを連発。
それはやがて、死体を動かすほどの勢いに。
閃いたハンクは、そのオナラを利用し
孤島からの脱出を試みる。見事成功!
陸地に辿り着いたハンクは、人を探し進む。
が、死体も一緒に連れて行くことに。
メニーと名付けられた死体はスイスのアーミーナイフ
「ヴィクトリノックス」ばりに万能な死体だからだ。
その万能ぶりは映画で観てもらうとして、
やがて2人の間に友情が芽生え始める。
オナラでピンチを脱したり、
小学生レベルの下ネタが出てきたり、
どこまでが冗談で本気なのか、
その境目を見分けるのに少し時間がかかったけど、
映像美と死体との友情、そしてラストの切ないながらも
笑いを誘う演出は、今まで観たことのないものばかりで
度肝抜かれっぱなし・笑わされっぱなし。
役者のセリフからリンクして壮大な音楽に切り替わる演出も
素晴らしく、幻想的でさえあった。
序盤に発動する死体の「ある機能」は
ハンクの幻想なのか。やもすると、死体と過ごした時間も
幻想なのかな? なんて考えたり。
傑作&;珍作&力作。洋画部門今年1位になりそうな勢い。