パトリオット・デイのレビュー・感想・評価
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テロとは縁の遠い人々だからこそ見るべき映画だと
そういえばそんな事件があったなと思い、予告を見ると不思議と興味をそそられて見たこの映画。 普段そこまで熱心にニュースや新聞に目を通さないせいもあって「マラソン大会での爆弾テロ」「圧力鍋に釘や鉄くずを入れて爆弾を作成」くらいの情報しか事件について知らない状態で見に行きました。 というか、正直犯人が逮捕されたのかどうかすらおぼろげだった鑑賞前。 予告でもある通り、2013年のボストンであった爆破テロを1人の警察官の視点から描く作品です。 地元のそこそこの大きさの映画館の中でも、小さめのシアターで上映されていました。同時期に上映されている映画よりは注目度が低いのかもしれません。 ですが、上映が終わる頃には暗い劇場内のあちらこちらからすすり泣く音が。かくいう自分もその1人でしたが。 テロが起きた当時の様子を、ボストンに実在した人々の視点を交えながら描かれる本作。 爆発直後は何が起きたのか分からずパニックになる市民。自分の血だらけの、膝から下が無くなった足を見て叫び出す負傷者。 とにかく負傷者の救護をと、身元の確認もせずにあちこちの病院に搬送されバラバラになる夫婦。 子供を優先して自分の救護は後に回す父親。 当時の凄惨な状況が現実に目に見えるように描かれます。 普段はあまりこういった実話を基にした映画というのは見ませんでしたが、本作は大いに見る意味のあった映画だと感じています。 ラインのニュースや夕方のテレビ番組で、世界各地のテロについて知っても、どこか自分とは違う世界のものに感じてしまっていた自分。 銃なんて持ったことすら無い人の方が多いこの国で、そんな凄惨な状況を、新聞の文字と規制がかかり全貌までは見られないニュース映像だけ見て想像をするのがいかに難しいか。 そんな中でこの映画を見て、それらが自分の中で少しだけ現実にあるものに近づいた気がするのです。 自分の半分にも満たない、短い時間で生涯を終えた少年がいたことを。 どこの誰とも知らない人間にに足を奪われ、恐怖と悲しみに暮れた夫婦が、今でも義足と共に力強く行きていることを。 そんな日常では忘れがちな、平和のありがたさ、テロの恐怖、人の強さを感じられた作品でした。 是非、劇場で鑑賞することを勧めます。
予想を裏切る面白さ
最後まで観に行くべきか悩んだ挙句行ってきました。ここのレビュー見て結構評価が高かったので行ったのですが、本当に見過ごさなくて良かったです。 実話に基づいたストーリーなので迫力ありました。 やっぱりアメリカってあんな風に危機におちいった時の結束力が半端ないですね。あれが日本だったらどうなるだろうかと… ただ5点満点にならなかったのは、どなたかが指摘されてた通り犯人側の視点がなかったからかな。それがあったならもっと奥深い作品になってたような気がします。もちろんだからと言ってテロを擁護するつもりは全くないのですが。
ドキュメンタリーかつサスペンスかつ…
圧巻。事実に基づいたドキュメンタリー映画でありながら、ドキドキするサスペンス要素もあり、映画が持つメッセージも強い。泣けるシーンまである。 特に警察と犯人との銃撃シーンは、銃と爆弾でやり合う迫力がとにかくスゴイ。演出が多少入っているとしても、これが事実だということが本当に驚かされる。 もちろんボストンマラソン事件の事は知っていたけど、この映画から知る、日本には伝わってこない情報にも驚かされる。街を封鎖してまで捜査に当たった事、メジャーの試合で捜査関係者の表彰があった事などなど。 やはり実際の当事者達が登場したけど、彼らの語るメッセージがとても強い。色んな映画があるけど、事実に基づくドキュメンタリー映画が持てるメッセージ性を強く表現出来ていると思う。 最後に一つだけこの映画で気になったのは、犯人の動機。アメリカ人が作る映画なので、アメリカ正義になるのはしょうがない。ただ日本人として鑑賞するには、爆撃を起こすに至った犯人の心理描写がもっとあった方が、奥深さが出せていたと思う。
主役までも欲張る、"バーグ師匠"の3作目。
マーク・ウォールバーグ × ピーター・バーグ監督のコンビで、今年2作品目というスピードで公開されたのが、本作である。記憶に新しい、2013年のボストンマラソン爆弾テロ事件を描く。タイトルは、毎年ボストンマラソンが行われる日、"愛国者の日"から取っている。 正確に再現した現場セットでの撮影、それを実際のニュース映像を挟み込む編集で、まるでドキュメンタリーを観ているかのようだ。唯一、マーク・ウォールバーグ演じる主人公トミー・サンダースだけは架空の刑事である。テロ事件の発生から、被害者のようす、捜査関係者の動きなどの記録をもとにして、サンダース刑事を中心とした俯瞰視点で全体をまとめているところが秀逸だ。整然と時系列に進んでいく。 とくに亡くなった方はもとより、四肢の部分欠損を負った被害者の精神的な衝撃と、後日談までが紹介されていたのが印象的だ。テロ犯罪の不条理をひしひしと感じさせる。 映画化までのスピードも速いが、事件自体の解決も102時間だったというから、いかに事態が迅速に進んだかが分かる。映画としてのテンポも、たたみ掛けるように展開する。とても完成度の高い作品だ。 ところで、マーク・ウォールバーグ × ピーター・バーグ監督のコンビは、"事故・事件フェチ"じゃないだろうか。この"バーグ師匠"(笑)、不謹慎かもしれないが、ほんとに事件の実録大好きである。 つい4月にも「バーニング・オーシャン」(原題:Deepwater Horizon/2016)が公開されたばかり。2010年のメキシコ湾で起きた海底油田、"ディープウォーター・ホライゾン"の爆発事故をリアルに再現した。その徹底したリアリティは、火災モノのマイルストーンとなる名作「バックドラフト」(1991)や「タワーリング・インフェルノ」(1975)にも匹敵する、新たな火災描写を見せてくれた。それだけにアカデミー賞でも部門ノミネートされている。 また「ローン・サバイバー」(原題:Lone Survivor/2014)では、米海軍特殊部隊ネイビーシールズ創設以来最大の惨事と言われた"レッド・ウィング作戦"を題材にしていた。こちらもアカデミー賞にノミネートされた。 大昔なら、この手のハリウッド大作は大ヒットしていた。しかし、"バーグ×バーグ"作品の国内興収は、いずれもパッとしていない。 事件が日本人にとって、"他人事"であることはあるが、なにより実録好きのマーク・ウォールバーグが裏方で我慢できず、主演をやりたがるからかもしれない。というのも、同じ実録派のクリント・イーストウッド作品は、主役を含むキャスティングを最適化して成功させている。 どうしてもマーク・ウォールバーグは、クマのぬいぐるみとつるんでいるか(「テッド」)、変身ロボットとたわむれているか(「トランスフォーマー」)、大人げないイメージが拭えなかったりする。 でも、それはそれで、いい映画だと思う。 (2017/6/10 /TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/松崎広幸)。
みな、好きな人たちいるのに。
アメリカはすげえ国だ。
普通の住宅街で銃撃戦を行い、爆弾でドッカーンだもんな。
捜査本部を空き工場?に設置して、現場を再現。
…。
ワクワクしたし、映画として面白かった。
だけど、これは本当に起こったこと。
映画を楽しんでいる自分を複雑に思った。
犯人の
腰の高さで爆破しておけばよかった
この言葉が怖かった。
銃を盗られずに命をかけてた警官がかわいそう。
好きな人とデートだったのに。
みんな好きな人たちいたのに。
公開後、ロンドンでテロが起きた。
これはもう、人ごとじゃない。
実際に起きた事件という怖さ
ケビンベーコンが出演していると知って見に行きました。
映画自体久しぶりで、しかもどういう映画なのかよくわからないまま見に行ったのですが、ハラハラドキドキしながら最後は暖かい感情があふれる良い映画でした。
冒頭、いろんな登場人物が出てきて中々飲み込めなかったのですが、最後まで見ればどういう人たちだったのかがわかります。
そして、実在されている方々の姿を見て再度映画で描かれた状況がリアルに感じられて深く印象に残りました。
銃撃戦なども激しく人が入り乱れてるのが余計に怖かったです。
最近テロ事件なども多いのですが、そのような風潮への注意喚起にもなっているような映画でした。
とてもよかった
路上での銃撃戦の場面が素晴らしかった。実際あんなに爆弾を何発も爆発させたり、警官がマシンガンを乱射したりしたかどうかは分からないのだが、緊張感が凄まじい。最終的にリアルな『男たちの挽歌』的に展開するのも度肝を抜かれた。最近見た銃撃戦描写では屈指の出来で、スリルでありバイオレンスであった。
ただ、「テロリズムに勝つのは愛である」というメッセージは確かに結構なのだが、まるでこの世には非モテは存在しないかのような空気を感じた。もてない、気持ちの悪い連中はテロに負けるのか。
爆発が起こっているのにマラソンをやめずゴールを目指すランナーがリアルだった。それはどうしてもゴールしたいだろうと気持ちが分かる。
銃撃戦の最中に民家の住人が警官にハンマーを放り投げて渡すのもとても面白かった。
ケビン・ベーコンが現場を仕切る際にちょっと引いていた。類型的な表現なら地元警察をないがしろにするFBIみたいにするところで、決してそうではなく地元警察とリアルに連携していた。途中で犯人の奥さんを尋問した連中は誰だったのだろう?
ラスト前まで
引き込まれ、犠牲者に涙し、主犯が死に最後まで逃亡していた若い犯人が捕まるとこまではよかったが、その瞬間の歓喜が退いた… アメリカらしいな…と。最後の最後、犠牲者のほんとの映像は胸が詰まり良かった。
アメリカって恐ろしい
実話の映画化。
丁寧に積み重ねた映像がとてもリアリティあるものになっている。テロが起きる前でしっかり日常を描いているから(その間にも不穏な音楽でこれから起こる事を示唆している)テロの悲惨さ、残酷さが際立っている。実際の映像が合間に使われているのも痛々しさを増している。
その中にきちんと監督の演出が入っているから、映画として縦軸がしっかりしているんだろうな。例えば子供が亡くなってから警察官の一人がずっと側にいるのだけれど、何か喋るわけでもないがただその目をしっかり写しているとことか、感情の流れを上手く持っていっているなと思った。
まあ、テロは怖い。許せない。と思うけれど、映画のラスト、犯人が捕まりパトカーが走る時、ボストンの人々がパトカーに拍手をしている姿に何だかとても恐ろしいものを感じた。バーで皆がビールで乾杯する姿。余計な者を排除出来て良かった。そんな風に喜んでいる感じ。
なぜ犯人はテロを起こそうとしたのか?そんなのはきっと全く理解出来ないとは思うんだけど、ボストンの人々はそれを考える事はあるのだろうか?ボストンストロングってボストンの人が一つになってたけど、どこからどこまでがボストンの人なんだろう?どこからどこまでがアメリカ人なんだろう?
アメリカの銃社会は日本人の自分にとっては恐ろしい。でもそれ以上にラストの考えの方が恐ろしいと思った。
良い作品ではあるが、好きではない作品。
本編後にじわじわとくる
マークがあまり好きではないんで、ケビンベーコンがでてきてから、ぐっと引き締まった気がします。 映画でFBIってよくでてくるけど、これは実話だから、ほんとにこういう捜査が行われたってことですよね。ボストンの街を再現とか、FBIすごい。 凶悪なテロリストも意外と間が抜けてて、実際の犯人ってこんなもんなのか?? 本編が終わった後に、ご本人様たちの映像がでてきて、じわじわときました。ボストン、いい町。
テロ等準備罪じゃ防げない
2013年ボストンマラソンで発生した爆弾テロ事件を描いた作品。わずか数日で、犯人特定・確保まで至った経過を描く。 いつも思うんですが、テロが起きてから、あっという間に犯人確保まで至ることが多いですが、事前の阻止は難しいんですかね?そんなに直ぐに、犯人を特定できると言う事であれば、元々犯人に至る情報を持っていると言う事ですよね?まぁ、怪しい対象者が多すぎて、すべてを常に監視すると言うのは難しいこと言う事なんでしょうけどね。 事件の事は知っていましたが、この様に激しい攻防の末に、逮捕になったと言う事までは知りませんでした。いやぁ、普通の住宅街で、あれですか!びっくりですよ。アメリカでも、あの攻防は稀有じゃないかな。 傍若無人なイメージのアメリカのテロ捜査ですが、意外に“気を使っている”んですね。オバマ大統領の時代だし、“一応”、人権や風評被害にも気を配っていたんですね。でもなぁ、トランプ大統領になって、類似の事が起きたらどうなるか。そもそも、まともに操作できるのかと言うのが気になります。 最後、エンドロールの前に、この事件に遭遇した実際の人たちのインタビュー映像が出てきます。
知られざる物語に驚き
予告編のイメージでは、現場を再現して犯人に辿り着くところがメインのようにとらえたけど、そんな安易な作品ではなかった。 その時その場所で生きた人たち、その思いがたっぷり詰まった、愛のある作品だったことに驚かされます。 そして何より、事件発生時の映像と逮捕時の映像しかニュースを通して記憶していなかったのですが、その間に起きた様々な現実が、リアルに突きつけられ、緊迫感に満ちた作品になっています。これには驚きとともに、エンドロールの本人たちやボストン市民達のメッセージに涙を流すことしかできませんでした。 娯楽色溢れる大袈裟な演出で固めた実話ものとは異なり、実にシリアスに魅せてくれた傑作と言えると思います。 各地で起きているテロに対するボストン市民のメッセージをしっかり受け止めたい。
憎悪とは…?
罪のない大勢人々の命を狙った凶悪極まりない犯行に対しボストンの連帯そして、それを構成する人たち各々の正義感みたいなものが敵意ともとれる感情むきだしで挑む。 この事件の背景には近年のイスラームとアメリカの切っても切れないがあるわけで、この作品から感じたのは憎悪が憎悪を生むこと。今も中東では多くの血が流れているわけで、そこにいる人たちはそんな現実をアメリカのせいだと思いながら生きていおり、過激な思想に染まった人は残虐な行為へ走る。そして、それが 被害者に新たな憎悪が生まれる。 テロリズムは断罪すべきものである。だが、全てを俯瞰すれば移民排斥、他宗教への攻撃といったものはレイシズムと言えなくもない。 別に明るいテーマではないし、ハッピーエンドを迎える訳でもない。しかし、この映画が与えるエモーショナルな体験をできるだけ多くの人がするべきだと感じた。
リアル
知っている役者さん出てなかったら、 ドキュメンタリーかと思える程リアル。 実際の当時の映像も使われているため、 今起きている事件なのかと錯覚しそう。 犯人側の主張も出ては来るが、 共感する事は無く、謎なままだった。
ボストンという土地柄
冒頭からボストン訛りの話が出てくるように、ボストンという土地柄が果たす役割は大きい。 被害者達の日常を丁寧に時間を掛けて描き(それだけ退屈でもあるが)、いざ事件が起こってからは誰もが皆「このボストンでこんな事件を起こした奴は許さない」とばかりに犯人を追い詰める。 それはそれで感動的なんだけど、一方で犯人達が何故こんな事件を起こしたのか、特にメリッサ・ブノワ演じる彼女がなにを考えていたのかについては迫りきれない…ボストンのそうした文化が彼らを排斥していたのでは?という思いも拭えないままだが、実際にも分かっていないのかな…
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