「パンドラの箱に残された希望と理想郷とは」ディストピア パンドラの少女 ロビンさんの映画レビュー(感想・評価)
パンドラの箱に残された希望と理想郷とは
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イギリス発のゾンビ映画と言えば「28日後」を私は思い浮かべます。あの走るゾンビの衝撃は今でも忘れられません。
今回のゾンビは「人間の人格とゾンビの人格(ゾン格)を併せ持つハイブリッドゾンビ」です。完全に人間としての性格を持つという点においてはかなり斬新。新たなゾンビを定義しました。
さて、映画のテーマは「パンドラの箱」。その神話については本作を見るなり、調べればわかるのですが、最後に残る「希望」とその解釈がキーポイントとなります。
主人公メラニーはゾンビ菌を世界にばら撒くことで既存の人類を破滅させます。これはパンドラの箱を開けることであらゆる災厄をもたらすという神話のメタファーとなっています。
故に、菌の繁殖によって人類が滅亡、ゾンビ化した世界に最後に「希望」が残っていることも描写されていることが前提となります。
人類滅亡後、メラニーを始めとするセカンドチルドレンたち(人間とゾンビのハイブリッド)は青空教室で授業を受けています。パンドラの箱の話に基づけばこの光景こそが「希望」のメタファーであり「理想郷」と考えられます。
そんな話は救いがなさすぎる。ラストシーンこそディストピアという状況を表してるんじゃないのか?と考える人もいるかと思いますが私はあくまで製作者の意図は上記のものだと捉えています。
あのラストシーン、ユートピアかディストピアか、あなたはどう思いますか?
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