「読んでもないのに絶対小説>映画 なんだろうなぁと思った」ディストピア パンドラの少女 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
読んでもないのに絶対小説>映画 なんだろうなぁと思った
単なるパンデミック系近未来ゾンビ映画ではなく、1歩先を見据えたスケール作品。原作の小説はさぞ名作なのだろう、とこの長ったらしくもある映画を観て思った。
大量の感染者の中でなぜか抗体を持ち…っていうタイプならまさにバイオハザードの二の舞だけど、主人公メラニーは感染者でありながら人間と同じかそれ以上の知能を持つプロトタイプ。人類の救いとなる為に赤ん坊の頃から厳重な拘束状態で生活してきたが、成長し様々な知識を得て世界を観ると自分の置かれる状況に疑問を抱き始める…という至極自然な感情の動きがきちんと描かれていて、衝撃的とも言えるエンディングもすんなりと受け入れたくなってしまった。
災厄をまき散らしはしたが、たった1つの希望だけは守ろうとしたメラニーはまさにパンドラの箱のような女の子。行動前に自分に「人類を救う代わりの死」を求めた博士に対し、自分はアイデンティティを持った生き物か?を繰り返し問い、その答えを受けて「ならなぜ人間の為に死ぬの?」という何とも純粋でシュールなコメントを返す。メラニーと仲間たちがこれまで受けてきた扱いを考えれば、人間の為に死ぬ事に意義を見いだせないのは当然だ。
全体を通せば結構面白かったなぁと思うんだけど、中だるみが激しく退屈になってしまった事と、パディ・コンシダイン演じる軍曹の最期が若干やっつけ感が出てしまっていて悲しみの涙も引っ込んでしまったところが残念。
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