ディストピア パンドラの少女のレビュー・感想・評価
全67件中、1~20件目を表示
ゾンビ映画は昔も今も、最も切り込んだ文明論なのだ
物語は少女の視点で始まる。この広大かつ絶望的な世界を、針で開けたような小さなのぞき穴から想像させる手法は、どこカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』を思わせ、かなり巧みだ。大人たちが少女のもとを訪れるのを通じて適切に主要キャストを紹介していく流れも無駄がない。それでいて車椅子の子供達を集めた授業で語られる「ギリシア神話」は、今起きている現実、これから待ち受ける未来を示唆するもの。これだけの内容を前半部に盛り込めた手腕を評価したい。
「すでに人間じゃなくなっている少女」は冷静で思いやりに満ち、一方、人間であるはずの科学者は、被験者の生命を「必要な犠牲」として切り捨てる冷酷さを持つ。人間とは一体何なのか。その問いはもはや意味をなさなくなっている。パンドラを開けるというテーマを大上段に掲げた本作が「ゾンビ後の世界をどう築くか」に切り込んでいるのも画期的なところ。ゾンビ映画は文明論でもあるのだ。
原作未読。ゾンビ物バリエーション。
途中まではアレンジの範疇だったが、段々あさっての方向に逸れていき、最後はなんか違う話に着地した。
ネタとしてはありだと思うけど、映画としてはどうだろうか。小説の方が納得感あるんだろうなとは思うが…。
意外なゾンビ映画
私はゾンビが正直苦手。
なのであまり、あまたあるゾンビ作品を
観ていないのだけれども、
この映画は逃げる追う戦う生き延びる、の
パターンとまたもう一段階進んでるように思う。
予告やチラシでは切なめの
SFだと期待してたので、
ゾンビだとわかってから途中で
止めるか迷ったけれども
最後まで見てもダメではなかった。
好みとは違うけど興味深いなと。
第2世代ゾンビ
ちょっと切り口が違うゾンビ映画。
人類はほぼ全滅に近くハングリーズと呼ばれるゾンビがあふれかえっている世界。
アクションはあまりなく、ハングリーズ第2世代のメラニーを中心に動き、
少女の姿をしたハングリーズ食人欲求と知性を持ち合わせている。
扱いに戸惑う人間たちの揺れ動きが描かれている。
メラニーを犠牲にすればワクチンを完成させられるかもしれないという状況で
少女ひとりを犠牲にするのか人類を犠牲にするのか、重大な選択を迫られる。
それはわずか数人で世界を変えるかもしれない重大な決断を感情的な先生と
グローバルに見た博士の考えは見ている人たちには大きく意見が分かれる
ところだと思う。
エンディングではあたかも希望が見えるような終わり方をしているが
果たしてこれが、物語にもあったパンドラの箱の最後の希望と言えるだろうか?
個人的にはゾンビ映画はもっと派手なのが好きなので★3.5止まり。
磯村勇斗が紹介してくれたので、
完全、ミーハーから入りました(^。^)
ゾンビものは今まで、食わず嫌いほどではないけど、見てこなかった。
でもこれは入りやすい、面白かった⭐︎
人間模様を重点において、ヒューマンものとして見ていけばこれからも面白く見れると思う^_^
緩急のある良作
何やら管理をされていながら、それをなんの疑問もなく受け入れる子どもたち。突然消える友人。前情報無しで観ると、冒頭の不穏な雰囲気ですぐに引き込まれます。
単にウィルスに免疫があるのではなく、「感染した」と「感染していない」の中間というセカンドチルドレンの設定だけでここまで世界観をつくれるのがすごい。
施設から抜け出してからはゾンビ映画の典型みたいになったので少し残念かなと思っていたら、終盤できちんと独自性を出してきた。
ギャラガーとメラニーが同時に外に出たときは、食べちゃうのかとハラハラしたけどそこまで残酷な話ではなかった。
オリジナルのタイトルと邦題があまりにも違うので何故かと思ったら、原作小説に倣ったみたい。ただ、そのタイトルのせいでラストのネタバレになっちゃっているのが、なんとももったいない。ましてや「ディストピア」ってなんだ、どっちかというと「ユートピア」じゃないか。
病原体との共生
メラニー役のセニア・ナニュアは、上手いね。微妙な心揺れを自然に表現ができてる。リドリー・スコット制作のゾンビドラマ『パッセージ』でも主人公の少女はすごく上手かった。ふたりともアフリカ系だから、姉妹役で映画を作って欲しいね。
ゾンビを扱った映画やドラマでは、知性をもつゾンビが登場するようになってきたが、この映画では知性をもったゾンビというよりは、人間のまま、肉食しかうけつけなくなったハイブリッド体。しかも条件があって、胎児のときに感染した場合だけ、アンデッド化しないらしい。吸血鬼みたいなもんだね。
メラニーもその一人で、そういった「セカンドチルドレン」が何人もいるんだけど、知性の高さを研究するためか、全員が教育を受けている。メラニーは、ひときわ知的好奇心が高く、歴史や文学にすごく興味があるだけど、施設の中では外の世界に関係することを教えるのは禁じられているから、教師のヘレンがこっそり語ってくれる。
夜に博士がやってきてメラニーが数字を選ぶと一人ずついなくなる。なんか、『約束のネバーランド』みたい。『約束のネバーランド』も実写化されるらしいけど、日本でも天才子役が出現して欲しいね。
ゾンビ映画でありながら、病原体との共生とは何かを考えさせてくれるエンディングだった。
対極の狭間
ゾンビ映画と言えば、「襲い来るゾンビ・逃げ惑いながらも反転立ち向かう人類」の二極が鉄板ですが、その狭間となる人々に焦点を当てた作品、
500人からのオーディションにて選ばれたという主役セニア役の少女ジェマがなかなか素晴らしかった。
設定で攻める系
開始10分以上たっても疑問の多いこの映画。
子供達が地下室みたいな所に閉じ込められ、部屋を出る時は銃を持った大人達に車椅子に拘束され、教室に移動させられ勉強する。
子供を変な形で扱う作品。この雰囲気どっかで感じたなあ、、、。
「わたしを離さないで」(以下:あの作品)を序盤から思い出していた。
同じイギリス・アメリカ合作かぁ、、、、。
(序盤は個人的に期待薄)
あの作品も子供達が生まれた境遇を考えさせられる映画。映像的に形違うといえ、一部の大人達の為に生まれた意味を利用される主人公の少女。
徐々に明らかにされる世界。ゾンビが蔓延する様な世界。
演出はそれ程でも無いが、徐々に感染した少女に役割が与えられて行き面白くはなる。
楽しんでいる後半、ある事に気づく。
「前半はあの作品風で、後半猿の惑星風じゃね?」
設定だけの映画で終わらず、後半もある程度脚本が攻めたこの作品を褒めたい。
個人的には好きな映画
ゾンビ映画を進化の側面から描いた作品。
単純ゴリゴリB級ゾンビではないので、
グロとかそんなの求めてる人には向いてません。違う切り口でのゾンビ映画としては、自分は好きなタイプでした。
映画のテンポもよく◎
ラストシーンでは、今まで立場上人間が優位な環境で監禁されてきた子供達が、世界が変わる事をきっかけに立場が逆転し、先生が最終モルモットのように監禁された生活を余儀なくされていて怖かった。
パンドラの箱に残った希望とは
色々な形のゾンビ作品を観たけれど、んーーーーっ、こう云うのもアリなのかなと。
未知のウィルスに感染した人間の第二段階があるのは新しかった。
種子が撒き散らされれば人類(地球)の滅亡は避けられない。
でも、それを逆手に取り 新しい世界を作れば良いんだと考えた、知性のあるゾンビ少女。
最後のシーンは、正直 どう捉えれば良いのか…あの状況で、先生が未来の希望になるとは到底思えない。
なので、きっとあの少女がゾンビ達を統率する希望の星なのかなぁ…。
人間 対 菌感染
バイオハザードとは違ったゾンビ映画!
BGMが映画の不気味な感じを引き立てていて
展開が気になりどんどん引き込まれて行った。
自分の中でゾンビと言えば
バイオハザードが1番に思い浮かぶが
そのゾンビとは一味違って
肌質が植物のようなところに、ウイルスではなく
植物由来の菌感染であることを感じたり、
母性があったり、瞬足で追いかけてくるところが新しいなと思った。
ブロッカージェルを塗れば
気付かれずに済むというところも安易だが面白い。
大量のハングリーズが立ちはだかる間をぬって
通りを抜けるシーンはこちらも息を飲んだ。
ハングリーズの第二世代であるメラニーは
ハングリーズでありながらも
誰よりも人間的な感情が強かったと思う。
それ故にラストシーンでは
覚悟を持っての行動であったし
自分が慕う人は助かって欲しいという
切ない終わり方には心を打たれた。
人間としての未来のことを考えると
絶望的なラストであったが
壁を1枚経ての共生というのは
バッドエンドではないなと思う。
パンドラの箱に残された希望と理想郷とは
イギリス発のゾンビ映画と言えば「28日後」を私は思い浮かべます。あの走るゾンビの衝撃は今でも忘れられません。
今回のゾンビは「人間の人格とゾンビの人格(ゾン格)を併せ持つハイブリッドゾンビ」です。完全に人間としての性格を持つという点においてはかなり斬新。新たなゾンビを定義しました。
さて、映画のテーマは「パンドラの箱」。その神話については本作を見るなり、調べればわかるのですが、最後に残る「希望」とその解釈がキーポイントとなります。
主人公メラニーはゾンビ菌を世界にばら撒くことで既存の人類を破滅させます。これはパンドラの箱を開けることであらゆる災厄をもたらすという神話のメタファーとなっています。
故に、菌の繁殖によって人類が滅亡、ゾンビ化した世界に最後に「希望」が残っていることも描写されていることが前提となります。
人類滅亡後、メラニーを始めとするセカンドチルドレンたち(人間とゾンビのハイブリッド)は青空教室で授業を受けています。パンドラの箱の話に基づけばこの光景こそが「希望」のメタファーであり「理想郷」と考えられます。
そんな話は救いがなさすぎる。ラストシーンこそディストピアという状況を表してるんじゃないのか?と考える人もいるかと思いますが私はあくまで製作者の意図は上記のものだと捉えています。
あのラストシーン、ユートピアかディストピアか、あなたはどう思いますか?
解剖したがる博士と猫を食べたがる少女
新しい感覚のゾンビ映画と言ってしまえばそれで済むのだが、人間に近く、高い知性を持った少女がやがて来る第二のパンデミックを見据えて新世界で生きようとする哲学的なゾンビ映画。
知性を持った少年少女に授業するという画期的なゾンビ世界。非感染者の子供がいないためなのかと思っていたら、まるでマッド・サイエンティストのようなキャロライン博士が解剖してワクチン生成しか考えてないという檻の中の実験体でもあったわけだ。特に気に入られたのが優秀なメラニー(セニア・ナニュア)という黒人少女。人類を救うためとは言いつつも単なるエゴイストにしか見えない狂気の科学者といったグレン・クローズ演ずるキャロラインが怖い。
やがて“ハングリーズ”によってフェンスが破られ、基地内の人々が次々とゾンビ化する中、メラニーと教師ヘレン・ジャスティノー(ジェマ・アータートン)、キャロライン博士、パークス軍曹(パディ・コンシダイン)たちがビーコンの基地を目指して行動を共にする。
終盤、自分が助かりたいとエゴをむき出しにしたキャロラインがメラニーを解剖しようと説得するが、メラニーは思ってた以上に学習し、人類は滅亡しても仕方がないと考える。彼女は胞子に火を放ち、世界の終焉を早めるのだった。
絶望したパークスの最期がとてもいい。拳銃をメラニーに渡し、人間として死にたいと彼女に託すところは人間の尊厳を感じるシーン。超能力を持ったミュータントが新世界を作ろうとする、よくある話をゾンビに置き換えたような内容でもあり、共生とかなんとか言っても、結局は無理なんだよな~と悲観的に見ていたら、最後にはとんでもない展開。移動基地に隔離状態になったジャスティノーだけが人間のまま、序盤と同じようにゾンビキッズに授業しているのだ。笑ってもいいのかもしれないラストシーンは印象に残る・・・
まあまあ良かった
ゾンビ好きやけど、これはゾンビ物のお約束はほとんど無い
世界観は結構好き
イギリスはいつもちょっと変わったゾンビ映画を作るよな
最後は気に入らないけど
その後どうなったんやろ?
色々突っ込みどころある作品
全67件中、1~20件目を表示