「リチャードの罪」リチャードの秘密 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
リチャードの罪
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『ルーム』のレニー・エイブラハムソン監督が母国アイルランドで起きた事件を基にした2012年の作品。
ラグビー部のエースで、大学進学も決まった優等生。親や周囲の大人からも期待され、友人も多い人気者。家も裕福。順風満帆の高校3年生のリチャード。
友人らが集ったビーチパーティーで、兼ねてから好意を寄せていたララと親密に。
が、ララには恋人コナーが。ある時コナーといざこざとなり、殴り倒してしまう。
その翌日、コナーが遺体となって発見され…。
思いがけず知人を殺めてしまった青年。その苦悩。
嘔吐し、大声を上げて喚き散らすほど。
苦悩葛藤し続け、約束された将来を捨て、自分の罪と向き合う…と思っていたら、
警察に自首しようとするも、取り調べの場で虚偽の証言をする。
目撃あるいはその場に居合わせた友人たちも口をつぐむ。
苦悩していながら、その後もララとは会い、身体を重ねる。ある約束をするが…。
葬儀でコナーの母親が涙ながらに訴え、さすがにいたたまれなくなり、今度こそ自首しようとするが…、
結局は約束された将来を選ぶ。
殺人を隠し通し薔薇色の人生を…。
ウディ・アレンの『マッチポイント』みたいだが、あちらは皮肉やシニカルが効いていたのに、こちらは…。
苦悩はしているものの、その間も彼女と逢引したり、いざとなると自首しようとしたりせず、甘やかされたボンボンの弱さと愚かさ。
それはそれで教訓なのかな。
罪を逃れたが、人知れず罪に苛まれ、転落し…。
いつか必ず裁きは下る。
でもどうもすっきりしない。
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