劇場公開日 2018年8月10日

  • 予告編を見る

「気の利いた会話の妙も魅力」オーシャンズ8 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0気の利いた会話の妙も魅力

2023年11月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

唐突だが、「オーシャンズ」シリーズの最大の魅力は「仲間内に裏切り者がいない」ことにある。
抜け駆けしてお宝や金を独り占めしよう、などという盗人の風上にも置けないようなヤツがいない。どんでん返しや意表を突く展開をやろうとして、裏切り行為を見せられると心底ガッカリだ。
「オーシャンズ」はその心配がないから安心して観ていられる。

今作は主役を兄ダニーから妹デビーへとバトンタッチ、曲者揃いの女ばかりで挑む「史上最高」の作戦である。歴代シリーズ史上最高の興業収入を稼ぎ出したことからもわかる通り、その触れ込みに偽りなしの華麗な強奪劇だった。

面白いなぁと思うのは、過去のシリーズでモロイ兄弟がストライキに参加してしまう「男の子らしい」脱線を見せるのに対して、今作ではアミータが「メットガラに出られるなら、盗みはなくても良くない?」と「女の子らしい」脱線を見せる対比だ。
今作も旧作も、あんなにキャラが多いのに人間味溢れる言動を描き出すのが上手い。特に今作は私自身が女だからか、「女同士あるある」みたいな部分が特に響いた。

メインストーリーとしての「トゥーサン強奪作戦」も、もちろんスタイリッシュでゴージャスで面白い。だが、デビー・ルー・ローズ・タミーの年長組が見せる「私の人生、本当にこれで良いのか?」という疑問と「だって私はこうだから!これが私だもの!」という決断に共感せずにはいられない。

デビーが独居房で考え抜いたのは、計画ともう一つ「デビー・オーシャンはどう生きるべきか」という根源的な問いだったんじゃないかと思う。
これはデビーが自立した人生を歩む為の物語だ。そしてそれに手を貸しながら、全員が自分の「なりたい」を実現していく物語でもある。

「最高の私たちに、乾杯!」

コメントする
つとみ