「ITより邪悪なものがもっと怖い」IT イット “それ”が見えたら、終わり。 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
ITより邪悪なものがもっと怖い
考えてみたら、少年少女の親や家庭はどこも悲惨な状況にあって、主人公の少年だって、自分のせいかも知れない、という呵責もあるわけで、もっと親が寄り添ってあげなきゃ可哀想過ぎる。
少し乱暴な言い方だけど、親の保護下にある(法律的にも経済的にも他に逃げようが無い)少年少女にとって、身勝手な親(体格差のある上級生のイジメっ子も含まれますね)ほど理不尽で邪悪な存在は無い。
ITはそのような邪悪の象徴であり、ITに打ち克つことこそが、親の呪縛から脱出することであり、見終わった後の安堵感や爽やかさ、そして観てる我々もどこか親心的に少年少女達の行く末を案じてしまうのは、そのためなのだと思う。
原作を知らないので、そんな意図はないのかもしれないが、邪悪な大人達こそホラーそのものなのだと、警告を受けたような現実感のある怖い映画でした。
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