「その時に見るもの」新感染 ファイナル・エクスプレス ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
その時に見るもの
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ゾンビ物とはいってもパニックを重視したホラー映画だ。『ワールド・ウォーZ』に近い。
外にもゾンビ、車内でもゾンビ。さあ、どうする?で、娘を守り通せるのか?これがメインで展開される。ここではゾンビはモンスターというよりも災害に近い描き方をしている。そのために人も狂気の部分よりも臆病な部分に焦点がおかれている。
主人公のソグも最初は自分と娘のためだけに動く。これも臆病だ。
臆病と書いたが、それは自分と同じだ。ソグを通して自分を見ているわけだ。当たり前だ、現実でもそうなってしまうに違いないから。だからあの憎たらしい常務とたいして変わらない。
しかし、サンファ達と行動を共にしているうちに計算高い臆病者であるソグが変わってゆく。これは「自分もそうあってほしい」と願うものでもある。なにしろソグを通して自分を見ているのだから。
だから、ある意味、あそこはとても優しい。ソグがその時に見るものが、ソグの「本当」であり、自分にとっても「本当」であってほしいと願うものだから。
だから決して後味は悪くない。いい映画だ。
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