劇場公開日 2017年1月21日

「確かに繋がる「侍タイ」への系譜」ごはん La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

確かに繋がる「侍タイ」への系譜

2025年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 丁度一年前の8月、日本でたった1館・池袋シネマロサで上映されていた『侍タイムスリッパー』を観て、「久しぶりに、『この映画は広がってほしいなぁ』と言う作品に出会いました」との感想を記しました。当日、舞台挨拶にお見えになった(当時は、毎日挨拶なさっていた)監督の安田淳一さんと主演(作中では「ゆうこ殿」役)の沙倉ゆうのさんに握手させて頂いて「拡大上映を祈っています」と申し上げました。ところが、その後の「侍タイ現象」とも言うべき爆発的人気は皆さんご存知の通りです。恐らく、当のスタッフ・キャストの皆さんもここまでの事は想像なさっていなかったでしょう。歯を食いしばって作品作りを続けている多くの映画人を勇気づけたに違いありません。その安田監督の侍タイ以前の作品上映会に参加しました。

 父の急逝の報を受けて故郷に帰った女性が、それまで興味がなかった米作りの仕事を継ぐお話です。ご自身が米農家である安田監督の背景を生かした作品作りでしょう。侍タイ同様に、緩さを纏いながら小気味よくお話が進みます。それでいて、米農家が置かれている現状や農業の面倒くささが丁寧に紹介され、令和の米飢饉と言われる今観るに最適の映画と言えます。「ゆうこ殿」(沙倉ゆうのさん)は、本作でも魅力的。

 そして驚いたのは、侍タイで殺陣の先生のモデルとなっていた福本清三さん(5万回斬られた男と呼ばれる東映の大部屋俳優さん。2021年逝去)が出演なさっていた事です。鎌を出して、「刃物の事は任しとき」の台詞なんて時代劇ファンには堪らないのではないでしょうか。

 監督とゆうこ殿のざっくばらんな舞台挨拶はこの日も明るく快調でした。

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