「黄金色の輝き」ごはん たつのこさんの映画レビュー(感想・評価)
黄金色の輝き
わずかな人数でも時間を掛けて良い映画を作りたいと言う作り手の思いが、温かく愛ある作品を作り出しました。
亡き父への思い、米作りにひたむきに取り組むながらも直面する苦しみや喜びを美しい田園風景の元に鮮やかに描き出しています。
また水がとても印象的に映し出されていて、農家の方々の実際にご苦労されている描写として見事だと感じました。
また話しの進め方が実に巧で、現在のシーンと回想シーンを上手に織り交ぜて、そこに至るまでの過程を見事に描いています。
娘ひかりの沙倉ゆうのさんは米作りに向き合う姿の強さと弱さを演じチャーミングでした。父の井上肇さんも家族、仕事、土地への思いを見事に表現していました。
そしてまだご存命だった福本清三さんが素晴らしかった。その存在感は出ているだけでそのシーンのみならず、この作品に深みを与えていたように思います。
それにしても稲穂の実った時のあの黄金色の輝きは何と美しいのでしょう。その輝きはお米と言う大切な物の輝きなのだと思います。
僕の父親の実家も関西の農家で米作りもしてましたので、作中映し出されるそれぞれの農家の家を見ていると何か郷愁を感じます。通夜や葬儀の後もあんな親戚の叔父叔母確かにいたなぁと懐かしい思い出が甦りました。
このような作品がもっともっと多くの人の目に届けばいいなと願います。
いい映画を見ました
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