怪物はささやくのレビュー・感想・評価
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あまりに切ない題材をファンタジーの力を借りて掘り下げるバヨナの力量
スペイン出身のバヨナ監督は子供の表情を捉えるのがうまい。それも上辺だけの演技ではなく、深層心理が自ずと剥き出しにされる瞬間を的確に映しとって見せる。何よりも冒頭で、主人公が悪夢にうなされ子供とは思えない形相で飛び起きる場面から、彼が今、両手では抱えきれぬほどの様々な思いを抱え込んでいる只事ではない状況が伝わってくるのだ。思えば『永遠のこどもたち』は屋敷にて深層心理の階段をゆっくりと下るようにして幼子を探し求め、『インポッシブル』では大惨事の巻き起こる中で、親子が互いを探し求める物語だった。そう考えると、病を患った母と、その事実を受け止めきれない息子の物語にも何かしら通底する音色を感じ取ることができる。怪物の存在、そして「真実の物語」を通じて、儀式的に少年の心を覆ったベールを一枚ずつ取り除き、その深部にある自分の気持ちと真向かわせているかのよう。本作もまたバヨナの才能を裏付ける秀作として語り継がれていくことは間違いない。
現代人に向けたおとぎ話
状況は変えられない。
「辛い真実には嘘が必要だ」
でも「大切なのはそんな考え方ではなく、行動だ」
行動とは「真実を話すことだ」
この作品が最も伝えたい唯一のこと。
確かに人は、自分の都合のいいように出来事を解釈する。
それはそれで仕方ないが、自分に嘘をついてはならない。
そして、
一つ目の物語のように、誰かが悪く誰かが良いのではないということ。
さて、
母親の死に向き合うということは、コナー少年にとってどれほど苦しいことなのか。
孤独
毎晩見るナイトメア
その中にコナーの真実が隠されている。
「もう終わらせたかった。死ぬと分かっているのが辛かった。だから手を離した。ボクがママを死なせた。ボクは治らないと最初から知っていた。もっと頑張れるのに手を離した」
それは、決して口にできないこと
誰もそうしているし、そう思っている。
「そう考えるのは悪いことだ」
いじめ
本当は殴ってやりたいけど、怖くてできない。
リビングの破壊
「何も触らないで」
どこにも居場所はない
誰もボクの孤独をわかってない。
心の怒りをぶつけたい。
心を、開放したい。
何もかも思い通りにならないイライラ
感情
感情というコントラスト 喜怒哀楽
それを押し殺すことで起きるイライラ
「本当はどうしたい?」
「お前の真実を話せ」 お前の意見を言え
心の真実は真の願い
人間とは本当に面白いもので、社会性という枠の中で押し殺してしまっている自分自身の感情にさえ気づかないことがある。
ここに諸悪の根源があると作者は考えたのだろう。
状況を変えることはできない。
「自分自身も、変わる必要などない」
ただ、「自分は本当はどう思ったのかを明確にすることが必要」なのだろう。
「あとはお前が心から素直に真実を話すことだけだ」
人に合わせる
自分の意見を言わない
その他大勢に紛れてしまって「私」が「存在しない」ようになっている。
つい人が陥ってしまっていること
それに気づけとこの作品は言う。
それをコナー少年と怪物に託した物語
さて、
最後に祖母がコナーの部屋を用意してくれる。
机の上に置いてある母のデッサン帳
そこに描いてあった絵と怪物の話した3つの物語
そして最後に小さな少女の絵
それは少女時代の母 または彼女の魂
そしてあの怪物
おそらく4つ目の物語、つまり母の真実とはいつか怪物の背に乗り、コナーに「心の真実を語る」大切さを教えたいと強く願ったのではないだろうか?
そしてその「タイミング」がやってきたのだ。
母が最後にコナーに伝えたかったこと
「心の真実を話すこと」
当たり前のことが、当たり前にできなくなった人間たちへ向けられたメッセージ
素晴らしかった。
深いけど謎も多き映画
今まで見てこなかった
囁き声ではない
ずっと主人公の本音を知りたかった。 終盤に彼が叫んだ一言。 それは...
思春期の悩める頭が重たい時期を表した物語。
内容は、12歳の少年と何千歳かの丘に立つ巨大木の怪物との対話により様々な矛盾や問題と向き合い魂の解放へと導かれて行く物語。印象的な言葉は『本当は他の全てが夢かも知れないんだぞ?!』認識論は、それだけで面白い作品のテーマになる。『真実とは、えてしてそういう物だ!』『世の中、善人も悪人もいない。だいたいその中間だ!』この時のイチイな木の巨人の目は何処となく主人公コナーににている。この様な言い回しはパンチラインが聞いていて上手い。大人も尻込みしてしまうかも知れません。『末永く複雑だよ。』無責任な大人の我儘に振り回される子供の辛さ。大人は子供と認識している者に本当の言葉は言いません。その辺りの誤魔化した大人の狡さの表現が上手い。自分も思い出すとそう思います。『人は真実の辛さを和らげたくて都合の良い嘘を信じる。結局はどう行動するかなのさ』行動の本質を突いた言葉にはグッとくる。このイチイの木とコナーの対話には祖父とも、もう1人のイマジナリーフレンドとも取れるミスリードが素晴らしい。お母さん(リジー)が最後に自分が子どもの頃に、今のコナーと同じ経験をしていたと分かる最後は、カタルシスの解放加減が素晴らしい。思春期とは、取り返しのつかない事をしてしまう時期だからこそ大切な人生勉強の時期なのではないでしょうか。最後の静かな過去を振り返り懐かしみ認める様な主人公の演技は素晴らしい。映像で語るカタルシスが取っ付きにくいかも知れませんが噛むほどに面白い作品だと思います。
考えさせられる
前振りが長い
CG満載なんだけど、水彩画の様なCGを使っていたので、良かったと思う。
ヤングケアラー
病に侵された母と2人で暮らす少年コナー。洗濯や料理など、自分だけでなく母の世話までする毎日。学校ではイジメられ、もうズタボロ。そんな彼は、地面が割れて崩れる中、母を助けようとしてできない、という夢をしばしば見る。その度に恐怖で目覚める。
ある日の夜中、突然コナーの下に怪物が現れる。怪物は物語を3つ語って聞かせるので、4つ目はコナーがおのれの真実を話せ、と言う。怪物の物語はどれもスッキリしない結末で、コナーは理解できない。そうこうするうちに、いよいよ母の具合は悪くなっていく…。
水彩画が使われる画面はすごくきれい。質のいい絵本のよう。繊細な絵が、そのままコナーの心情を語っている。水をたっぷり含んだ色が、紙の上を流れる様子が、それだけでドラマティック。
悲しいけど、透明感があって、優しい映画だった。母の愛はどこまでも強い。
主演のルイス・マクドゥーガルくんは、まつ毛が長くて、愁いが漂う。これ以後、出演作品がないようだけど、どうしたのかな? 成長した姿が見たいな。
日テレの放送を録画で鑑賞。
誰もが避けて通れない「死」を乗り越える物語
この物語は何だ‼️見たことも聞いたこともない‼️
タイトルなし
ささやいてる……?
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