「夢の国は絵の中に」しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
夢の国は絵の中に
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この手の映画は苦手なのに分かっていても観てしまう自分が分かりません・・。
愛と言っても美男美女の登場する映画的な恋愛感情とは異質、絵とは裏腹に飾りのない愛なのです。どう描いてみても横たわるのは辛い現実、モードさんにとってささやかな救いは絵を描くこと、絵本の挿絵のような童心溢れる心象風景は夢の国なのでしょう、サンドラという理解者を得たが心も貧しい人達には対価でしか見てもらえなかった、それでも働きづめの夫の助けになれることは生きがいになったのだろう。妻が世間の評価を受けて卑屈になる夫、自尊心の裏返し、情けないが時代を考えれば分からないでもない。妻想いのシーンも描かれるが本当に愛があるなら出来ない仕打ちや見下したような言動は心が痛む。兄も叔母も利己的、誰からも疎んじられたモードにとって時には辛く当たられても本気で向き合ってくれたのは夫だけだったのだろう。貧困は罪なのか、弱者は厄介者なのか、同情は容易いが現実を思うと心が重い。
モードさんのご冥福を祈ります、神様もあなたの絵が好きだといいですね・・。
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