「見ず知らずの人の死」いぬやしき やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
見ず知らずの人の死
私、おっさんです。
おっさんになって、自分が変わったなと思う事の一つに、見ず知らずの若い人が死んだニュースが悲しく感じる様になったというのが有ります。
理由ははっきりしないけど、なんか悲しいです。
そしてこの映画、フィクションだと分かっていても、理不尽に人が殺されていくのが悲しかったです。
正直、鑑賞後の後味は悪かったです。
でも、この映画の考えさせられるポイントもそこでした。
おっさんになってからの気持ちと、心理的に対極なのは高校生の頃じゃないでしょうか?(かなり個人差あると思いますが)
死に対して実感が湧きにくい年頃で、尚且つ、「見ず知らず人の死を悲しむ事」に対して、偽善ではないかという無意識の葛藤があるのが、高校生の頃じゃないかと思うんです。
その頃と、見ず知らずの人の死を悲しむ年代のおっさんを、この作品は意図的に対比させているのかなと思いました。
それで、考えたんですけど、年を取ると見ず知らずの人の死が悲しくなるのって、生物の本能から来るのかもしれません。
自分の先が見えて来ると、種の保存繁栄が優先事項になって来る。
それで、家族は勿論、見ず知らずの人を守りたくなるのかもしれません。
犬屋敷が人を救う事に生きがいを感じられたのも、偽善ではなく生物の本能なんでしょうね。
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