劇場公開日 2017年7月8日

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「頭が痛くなるほど退屈」メアリと魔女の花 uttiee56さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0頭が痛くなるほど退屈

2017年7月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

157分もある大長編「セント・オブ・ウーマン」からのハシゴで鑑賞したが、本作は上映時間107分しかないはずなのに、一体どっちが長いんだろうかと考えてしまう程、上映時間が長く感じられた。あまりにも退屈過ぎて!
アニメ映画ならば序盤のワクワク感は絶対にあるはずなのに、本作にはそれが全くなくて早々に帰りたくなった。それでも魔法大学に入ってからは面白くなるかと思ったが、主人公の成長が描かれる訳でもなく(何の努力も代償も無しに魔法が与えられる話だから当たり前だが)平板な展開のまま終了。退屈に耐えるストレスで、見終わった時には頭が痛くなった。やはり我慢しないで途中退出するべきだったか。
絵は綺麗なだけで全く実在感が無く(ファンタジー世界だからこそ、その実在を観客に信じさせるだけの作り込みが必要なんだが!)感情移入できず退屈な時間を過ごさせる原因の一つとなった。
メッセージとしても、「電気も魔法の一種」→原発事故を思わせる爆発と溶解→「魔法なんて要らない!」という薄っぺらいもので、映画自体が電気の産物なのに電気を否定して何が言いたいのやら。原発事故の直後に作られた「魔法少女まどか☆マギカ」を100回見て反省しろと言いたい。
子供に見せる映画と考えても、嘘をついたことに対するペナルティが描かれる訳でもなく、教育的効果が全く期待できない。
良かったのは杉咲花ちゃんの声が可愛かったことくらいか。若手女優随一の演技派であるから安心して聞いていられたが、現実にはあり得ない動作の演技では棒読みっぽくなっており、そういう点では専業声優に及ばないかと思った。
観客を飽きさせないように徹底的に練り込まれた「君の名は。」や、ヒューマンドラマとして不世出の傑作だった「この世界の片隅に」を見た後の観客からの評価は厳しいものにならざるを得ないだろう。

uttiee56