「何も文句はないけれど、何も新鮮さはない、優等生作品。」メアリと魔女の花 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
何も文句はないけれど、何も新鮮さはない、優等生作品。
奥歯に物が挟まるような評しか書けない、映画ライターの気持ちがよーくわかる、ジブリを首席で卒業した米林宏昌くんの、優等生的な作品。
"ジブリに似てる"とか、"似てない"とかという問題じゃない。高畑・宮崎両監督の下で実際に作っていた本人なのだから、こうなるのはあたりまえ。業界が違えば、"本家継承問題"でワイドショーネタになりそうなくらい。
米林監督は、「借りぐらしのアリエッティ」(2014)、「思い出のマーニー」(2010)など、むしろジブリにいたときの作品の方が、挑戦的だった。宮崎駿監督が引退宣言をしなければ、みんな路頭に迷わず、スタジオポノックなんて興さないで済んだはず。なのに今さら復帰されてもね。
同じく宮崎監督に振り回された日テレは、さすがにビジネスに目ざとい。主人公2人は、どちらも米林監督とは再タッグになるが、杉咲花と神木隆之介は、実写もアニメも大活躍のキャスティング。
キャラクターが違っても、神木くんの声はやっぱり"瀧くん!"(「君の名は。」)を思い出してしまう。さらに主題歌は、セカオワの「RAIN」と、何から何までソツないスペックに仕上がっている。
"なにも文句はない"、けれど、"なにも新鮮さは得られない"。ここには模範解答が並んでいる。とりあえずヒットするだろうから、次作は作れるはず。がんばって、次行きましょう!
(2017/7/8/ユナイテッドシネマ豊洲/ビスタ)
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