「泣けたけど、わちゃわちゃしてた」劇場版ポケットモンスター キミにきめた! ゆんふさんの映画レビュー(感想・評価)
泣けたけど、わちゃわちゃしてた
今回は大人のポケモンファンにもウケるような題材ではあったが、もともとが子供向け映画なので過度な期待はしていないつもりだったが、その期待を下回った。
まず全体のストーリーについては、「詰め込みすぎ」という印象。というかこれがすべて。
アニメ無印の総集編として見るならば、きちんとポイントは抑えていたが、(ヒトカゲやバタフリー)ならばカスミタケシを出さなかった理由を明確にしてほしかった。監督は過去の「remake」ではなく「refine」だとコメントしていたが、新ポケを出したいためのご都合主義に感じた。古株ファンとしては後付けでもいいからそこをもう少し描いて欲しかった。
そしてこの詰め込みすぎの弊害で特に残念だと思うところが2つあった。
1ロケット団の存在
今回ロケット団、まっっったく活躍しない。それどころかサトシ達の後をコソコソついていき、サトシ達にほとんど認識されることなく映画がおわるのである。こんな使い方するくらいなら、ロケット団を登場させてほしくなかった。もともと首藤剛志さんが脚本を勤めていた頃、ロケット団は何よりも大切な存在として描かれていた。今回冒頭にスイートとソラオ出演や、サトシ石化を彷彿させるサトシ透明化といったミュウツーの逆襲を意識した演出がなされたからこそ、ロケット団の活躍がないのは残念だった。
2マーシャドー
今回新伝として登場したマーシャドー。こいつが全く感情移入できない。姿全体が登場するのが中盤になってやっと。終盤に特別インパクトあるわけでもない。今までのポケモン映画に出てくる伝説枠はだいたいサトシと絆を深めることが多かった。とくに体が小さめのポケモン(セレビィ、ジラーチ、シェイミ、フーパ等)はだいたい愛着をもてる。ところが今回マーシャドーはまずほとんど台詞がない。サトシの影にずっと隠れてたわりには最後サトシに攻撃してくる。感情が描かれず、立場もいまいち分からないまま終了する。「サトシとピカチュウの絆」というメインテーマを目立たせるためわざとなのかもしれないが、それにしても微妙。
そして賛否両論あるインパクトNo.1のシーンは「人語をしゃべるピカチュウ」だろう。たしかにびっくり仰天だったが、私としてはそんなに悪くないと思う。この映画では今までポケモンで積極的に描かれることはなかった「ポケモンの死体」や「ダークサトシ」など批判がでそうなことも挑戦している。20周年という節目にただの過去のリメイクだけで終わらないぞという精神が感じられてよかった。(これまでの言い分とだいぶ矛盾するかもしれないがw)無印のときピカチュウはもともとニャースのようにしゃべる予定だったようなので、この機会にみれて新鮮でよかった。
あとはラストのサトシ透明化のシーンだけ少し触れて締めたいと思う。あれはなにをイメージしていたのか、、?サトシが死んだの?それともパラレルワールドだよ的なことを表してたの?てかあれぐらいの攻撃じゃスーパーマサラ人サトシならなんともないっしょ。全然わからないので、他の方のレビューでもみて理解を深めたいと思う。
以上。映画のレビューなんて初めて書いたからそれこそわちゃわちゃしてると思うけど、こんだけ感想が出るのはポケモンというコンテンツへの愛故なのでこれからもファンでいたいな。批判しつつも何度もうるってきた。初代しってる世代は一度は見てみてもいいと思います。