劇場公開日 2017年4月7日

「めくるめく「夜は短し」ワールドを歩けよ」夜は短し歩けよ乙女 葉読五式さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5めくるめく「夜は短し」ワールドを歩けよ

2022年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

個性的なキャラクター、ストーリー、世界観、作画。唯一無二という言葉を映像化したような作品だ。どこまでが原作成分でどこまでが映画オリジナル成分か、原作を読んでいないためわからないので「夜は短し」ワールドと称したが、それでも湯浅監督の作家性が色濃く発揮されている作品であることは間違いない。リアル世界の京都を下地に描いたファンタジックな世界観を彩る、「美麗」ではないタイプの作画の良さ、美しさで一瞬のうちに作品の世界に引き込まれる。そこで繰り広げられるキャラクター達の、壮大で情熱的な、しかしバカバカしくしょうもない面も強いストーリー。「先輩」と「黒髪の乙女」の奇怪な一夜と彼らの心情をダイナミックに表現する演出。どれをとっても個性的ながらレベルの高い作品だった。決して大衆性がないというわけでもないので、一人でも多くの人に見てもらいたい一作

武蔵恵