世界でいちばん美しい村
劇場公開日:2017年3月25日
解説
ネパール大地震で壊滅したヒマラヤ山岳地帯の村ラプラックを取材し、様々な困難に直面しながらも復興を目指す村人たちを捉えたドキュメンタリー。2015年4月25日、ネパールを襲ったM7.8の大地震によって300万人が被災し、9000人以上が命を落とした。現地を取材するためヒマラヤ山岳地帯の震源地へ向かった日本人写真家・石川梵は、壊滅的被害を受けた村ラプラックで出会った少年アシュバドルとの友情をきっかけに、ドキュメンタリー映画の制作を決意。貧しくも笑顔の絶えないアシュバドル一家と、村で唯一の看護師である女性ヤムクマリを中心に、雄大な自然の中で復興に向けて懸命に生きる村人たちの姿を映し出していく。女優の倍賞千恵子がナレーションを担当。
2016年製作/108分/G/日本
配給:太秦
スタッフ・キャスト
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2022年3月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ブータン山の教室 だったか?
に似ている。もっとも、こちらはドキュメンタリーだから。
でも、なんか演出を加えているんじゃないかなぁ。エンドロールにヘリコプターとか出てくるが、本編では全く登場しない。影も形も無い。
また、アシュバドルの家族と言いながら、プラムに偏っている。
カワイイ子だから、彼女の仕草で、癒やしているのだろうと思う。純真無垢な女の子だから、仕方ないが。
だから、世界一美しいとは、人間の心のことなのでしょうね。彼女もその一人なのはいうまでもない。
美しき心の持ち主達の復興を願うのだが、原発が無いから、復興も早いと思う。
学校は生活を楽にするためとこの映画の中で少年が語っている。学校で幸せがどういったものか語り、みんなで絆を深めなくとも、生活自体が幸せ。家族の絆は元々深い。だから、学校は単に知識を習う所。
2022年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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ネパール大地震の惨状は本作で初めて知った、調べてみたらラプラック村だけでなく孤立した村落は300ともいわれている。各国から救助隊が派遣されたが空港はカトマンズにしかなく到着しても山岳地帯への道路は地滑りで寸断されてたどり着けない状態だったと言う、にもかかわらずネパール政府は4日後には救助隊の追加派遣を拒んだと言う。政府も相当の混乱状況にあり外国への対応に人員を割く余裕が無かったのかもしれない。そんな中、報道カメラマン出身の石川梵監督はよく村へ入ったと思う。ドキュメンタリー制作は復興のきざしが見えてから思いついたのだろうが心の傷がまだ癒えていない人々のインタビューを撮るのはさぞ辛かったろう。
カメラは無邪気にはしゃぐ子供たちや家族、献身的な村唯一の看護師の活動を軸に村人に寄り添います。タイトルの「世界でいちばん美しい村」は風光明媚な山岳風景ばかりでなく村人の温かい家族愛や郷土愛への賞賛なのでしょう。
石川監督は自身の名に梵とあるように宗教儀式に関心が高かったのでしょう、梵教の葬儀や祭にも尺を割いている。ただ、山羊の生贄や舞踊りが出てくると自分の中でネパールとの距離感が急に変わったような気がした。
宗教は阿片であるとのマルクスの指摘があるが古代人は過酷な生活に耐える為の便法として壮大なフィクションを編み出したのだろう。貧しい家では山羊の代わりにきゅうりを使うとあったが見掛けは日本のお盆の精霊馬そっくり、元はご先祖の霊の乗りものではなく生贄だったのか・・・。
地震国日本なので明日は我が身かもとは思いつつも文明の恩恵にどっぷり浸っている身としては、ラプラックの村人のように逞しくサバイバルすることは不可能かもしれない、ただ、だからといって今更、薪やランプの生活に戻るのは難しい。
災害報道と紀行撮影を合体した稀有なドキュメント作品だが正直、考えさせられることも多かった。
2020年3月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
大地震の被害を受けたネパールの山奥にある村
大切なのは家族
一緒にいられる時間が幸せ
自由を求めて便利になった日本
便利になったけど
さらに不自由になり
笑顔を失い
幸せが感じられなくなっている
日本人が忘れたものがある
日本人が捨てたものがある
ピンチの後に取り戻すチャンスあり
悲しみの後に幸せがあっても良い
2017年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
子どもたちがキラキラ笑っている。さっき泣いても、もう笑っている。おそらく子どもたちは、一日に何百回も笑うのだろう。プナムもアシュバドルも、こころのうちから湧き上がる幸福感に揺すられ、笑いが溢れて仕方がないかのように、キラキラ笑う。両親や姉妹兄弟から、深く愛されて満ち足りているからだろう。そしてその笑顔や笑い声が、まわりの大人たちを幸せにしてくれる。映画を見ている私達にも、その幸せを分けてくれる。 子どもたちの笑い声が絶えない家は、この世で最も幸福な家だろう。私たち大人は、全ての子供が、一日に何百回も笑えるように、この世界を守っていかなければならないのだと強く思う。
非常に美しい映画である。映像も音楽も、静謐であるのに凛と張り詰めていて、内なる強い力を感じる。また、祭りの時に、ボラムキャ一家が「Resham Firiri」を歌ってくれる。ネパールでは、まだ女性の地位が低く、この有名な歌も男性ボーカルのものばかりだが、映画の中ではプナムの可愛らしい声が響いて好ましい。ネパールの女性の識字率を上げ、少しでも女性の地位が向上するように、この映画を見た人が「プナム基金」に賛同し協力してくださることを心から希望します。