「去った女への恨み節」ノクターナル・アニマルズ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
去った女への恨み節
スーザンは過去の抜け殻なのでしょうか?
なかなか深淵なで難解な映画でした。
スーザン(エイミー・アダムス)に突然送られてきた
元夫エドワードからの小説。
それも校正済みのゲラ・・・これって出版される事が決定した小説・・
という事ですよね。
このエドワードも小説を書くような男だから、
複雑な思考回路の持ち主です。
小説は、元妻への当てつけ?見栄?成功しそうな事の報告?
自分を捨てた妻への復讐?
どうとでもとれます。
大体に作中、読んでるゲラがズンズン映像化されて行くのです。
映画は、
暗くて怖くてショッキングなノワール。
テキサスのハイウェイであおり運転されて、妻と娘が拉致され、
妻と娘はレイプされ殴られて殺されて、
裸でゴミ捨て場に放置される・・・
“良い加減にしろ!!“
と言いたくなる気分の悪い話し。
“私小説しか書けない“と、スーザンに馬鹿にされていたエドワードは、
バイオレンスのノワール小説を書く男に変わっている
20年の月日を感じます。
画廊のオーナーで成功したスーザン。
夫は超イケメン・・・アーミー・ハマーですもの。
でも夫の会社の経営は思わしくなく、浮気もしてるらしい。
スーザンは疲れてるし眠らないし、幸せそうには見えない。
愛し合った過去の思い出に縛られた2人の、
「戻らない愛」
スーザンの忘れられない傷
・・・エドワードとの子供を中絶した過去。
幼馴染みだったスーザンとエドワード。
懐かしむには、あまりに距離が離れてしまった2人。
初出版まで20年。
待っててくれ・・・と言うのは余りに酷。
無理だよ。
テキサスの青い空は澄み切って美しかったけれど、
何にもない荒れたハイウェイ・・・20年走れば、
ニューヨークの摩天楼まで届いたのだろうか?
監督はトム・フォード。
グッチやサンローランの元は有名デザイナー。
一番覚えているスーツは、お尻が生地がなくて、
オケツが丸出しのデザインだった。
トム・フォード名を冠したブランドもある。
トムさん、
もし時間があったら、もう一本、
映画撮って下さい。
突然ログイン出来なくなる事、他のレビュアーさんからも聞いた事あります。
長年書いてきたものが失われて、私だったら大ショックしちゃいそうです…(>_<)
心機一転、また新たなレビューを楽しみにしております。