「観念的で挑戦的」ノクターナル・アニマルズ Yukさんの映画レビュー(感想・評価)
観念的で挑戦的
ひたすら観念的な映画。何か劇的なストーリーなどを期待して観ると肩透かしを食うに違いない。
20年前に別れ、小説家志望だった元夫から送られる小説。激しい暴力と復讐が描かれたこの小説(劇中劇)に思わず惹き込まれ、身構えるような気持ちで展開を見守ってしまう。
これほど傷つけられたのだという告白なのか、誰も説明しないので、訳が分からなくなり、夫婦の複雑な愛憎に胸を締め付けられる。
この映画の肝心な部分は、小説を読んだリアクションを表情で語るエイミー・アダムスの芝居に込められている。そういう意味で観る側の洞察力を期待しているようなところがあり、何とも挑戦的な投げかけを感じる。
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