劇場公開日 2017年11月3日

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「最後はスッキリ?」ノクターナル・アニマルズ masakingさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0最後はスッキリ?

2018年9月24日
iPhoneアプリから投稿

ギレンホール演じる小説中の夫が現実世界のエ元妻アダムスで、小説の中で凌辱され殺害される妻と娘が現実世界の元夫ギレンホールという逆転の構図でないかな?と思いながら観てました。
まあ、そうだとすると、「俺はお前にこんなに屈辱の思いを味わわされたんだ。お前は自己保身に随分とご執心だったな!」という自己憐憫甚だしいメッセージになるので、そんな簡単な構図ではないだろうけれど、それ以上のことはあまり感じられなかった。
作品中の小説で生々しいバイオレンスを描いたものというと、アーヴィングの「ガープの世界」の中の「ベンセンヘイバーの世界」を思い出す。ちょっとネジの外れた保安官が出てくるところとか、なんだか設定が似てるな。
冒頭のぽっちゃりダンサーズを起用したアダムズ演じるキュレーターの上から目線の意図に強烈な不快感を感じさせるところから、全編元夫寄りの描き方が、終末のすっぽかしでカタルシスを迎える伏線になってるのだが、そんなに自己憐憫丸出しの映画で良いのか?という疑問がなくもない。
映像の各所に他の方がレビューしてるような意味もあるのだろうが、独りよがりな感じが自分には合わなかった。作家としての才能を、人間性で食い潰したような作品。

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