「生きていくのは辛いけど報われることもある」マンチェスター・バイ・ザ・シー yupppiiiさんの映画レビュー(感想・評価)
生きていくのは辛いけど報われることもある
主人公ケイシー・アフレック演じるリーがどうしてこんなに暗くて抜け殻なのか…
とても仲が良かったお兄さんが亡くなったからだけではなく…
中盤くらいでようやく語られる。
仲間と家で酔っ払い、仲間が帰った後にさらにビールを買いに行く前に暖炉に火をつけ、スクリーンをするのを忘れたことにより、家事になり。
炎が上がる我が家には愛する子ども3人が残っていて助けられず、目の前に泣きじゃくる妻をぼーっと見つめるリー。
それはお兄さんの余命宣告がされた後の出来事だった。
家族を失ったことで抜け殻になっていたところ、お兄さんは大きな支えとなっていた。
そんなお兄さんまで失った中、甥っ子の「後見人」と遺言に残されていて面倒をみることになった。
お兄さんはリーのことを想ってそうしたんだろう。
甥っ子はお父さんの死後なのにどうしてそんな普通にしていられるんだろうか…と思っていたけれど、やはりまだ16歳。冷凍庫から肉の塊がこぼれ落ちてきた時に初めてパニックになる。冷凍されるお父さんとリンクしてしまったのだろう。
それを宥めるリー。
そうやって甥っ子の面倒をみることで、嫌でも人と関わり孤独になることがなくなったことでリーの凍った心も少しずつ溶けていく…かと思いきやそうでもない。
完全に失ってしまった心はもう戻ってこないよう。
でも最後の最後にバッタリ出会った元奥さん。
新しい子どもができて、前に進もうとしている姿を見て少し報われた思いになる。
結局はマンチェスターにいるのは辛すぎて甥っ子の後見人を友人に任せて、街を出てしまう。
お兄さんの死をきっかけに、とある街のアパートの便利屋から抜け出したけれど結局戻ってくる。
前後で何か変わったのかな…少しでも何か変わっていたらいいなと思いながらエンディング。