「リアリティ溢れる映画」マンチェスター・バイ・ザ・シー ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
リアリティ溢れる映画
昨年度アカデミー賞で脚本賞、ケイシー・アフレックが主演男優賞を獲得したことで注目してたので鑑賞。
ストーリーは兄の死により甥の面倒をみるためにツライ過去があるマンチェスターに行くことに。
まずキャストの演技が素晴らしい。甥役の俳優も良かったし、ケイシー・アフレックとミシェル・ウィリアムズの演技は完ぺき。特に二人が会話するシーンは映画史に残ってもおかしくないと思う。慎みや思いやりの折り合いが感じ取れる。
リアリティある演出と美しい情景描写はソフィア・コッポラ監督作品に似てるところがあると思った。リアリティがあり、起承転結の起伏が少ない作品であるとしばしば鑑賞者は退屈になる。だがそこにヒューマンドラマの本質があるとこの作品で実感できる。
個人的にとても本作で好きだった部分は回想シーン。時折、主人公が回想してフラッシュバックするが、とても滑らかな回想であった。過去のことが心の中につっかえる主人公を丁寧に描いていた。
主演男優賞、脚本賞には納得。
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