打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のレビュー・感想・評価
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こちらが恥ずかしくなる
時折映る風景の静止画、赤と青の使いかた、主題歌は最高に綺麗でした。
しかし、内容はほとんど無く、話の辻褄は合わず、いきなりメルヘンなお菓子の国で王女と王子に扮した主人公2人が踊り出す等意味不明でした。
掴めたものは
昼間に主題歌をたまたま聞いて退勤後に。
物語シリーズの制作会社ということで場面どこにそれのオマージュ(と思わせる)があって序盤はそのウキウキで流れていった。
始まってすぐに菅田将暉の声が良くないなと思った。上映前の予告映像の中に「火花」もあり、そこでは鬼気迫るものから何気ない一言まで何ら違和感なく素晴らしい演技だとさえ感じさせられたのに。理由は声質だと思う。粘り気がある、というか声に水分が多すぎるイメージ。キャラクターがしゃべっているというより菅田将暉本人がそのまま出てきてしまっていた。長ゼリフ(とまではいかなくてもある程度の長さ)はまだ聞けた。問題は息遣いや短い「え」や「ん」などそれだけで感情の変化を表して欲しい場面。文字通り「え」「ん」と言っている。特に今回のような、表情
こ作りを凝るタイプのアニメでは致命的だった。
これは下手とはまた少し違う気がする。なにせ初挑戦。やったことがないのだから上手くなくて当然。
というのは擁護でもなんでもなく単なる事実であり、菅田将暉の将来性や宣伝における話題性を抜きにすると「失敗」と言わざるを得ない。
ストーリーは確かに風呂敷を畳まず終えた感じ。行き着いたのが『様々な選択を全ての人が自ら行うことでこの世界が成り立っている』ということ。とは言えこれが正しいのかは分からない。今のところ広がりは感じられないので暫定的に。
これを私の中に落とし込んだ時に抱いた感想を端的に表すならば『私のこの手では世界中の何も掴めない』だった。選びはするし失敗もするし時には飛び込むかもしれない。だけれども圧倒的に力が足りない。
映画1つまともに観られない。
明日こそは何かを。
中学生の未熟さとそれに伴う魅力を表現した作品
なずなは透明な硝子の様な少女。複雑な家庭環境のため今にも砕けてしまいそうな印象である。
事実、あのまま誰も何もしなければ粉々に壊れてしまっていただろう。だからこそ典道に助けを求め家を出たのである。
実の父親の死、間をおかずに母親が再婚相手を連れてきたことで生じた母親の父親に対する愛への疑念、再婚相手への不信、そこから生じる家庭内での疎外感、父と暮らした土地からの移住への抵抗。透明な少女の痛みは想像に難くない。
また無力な子どもである自分と、自分が正しいと認める道を進みたいという芽生えたばかりの自我の間に苦しんでいる。
典道もまた同じ年ごろの少年なのである。だがこの無力で無知なる少年はその純朴さゆえ、なずなを助けようと奮闘する。
あの玉の中に映された、あったかもしれない過去や未来の夢を少年はみたのであろう。それはとても神秘的なことである。
しかし、それにもましてこの作品で特に描かれたものがある。
少年の純粋な気持ちから来る懸命さ、無知ゆえにその行いの意味すら知らない不器用さ、それにふれた時、少女は嬉しそうに笑うのである。
少女の目、口、髪、声、表情、その言葉に少年は目を奪われ、魅せられる。あたりまえのことがあたりまえではなくなり心を打つ。
そして今日この一日の間、共にいることを願うのである。今、ただ二人あることを願うのである。
この平凡が平凡でなくなる奇跡を表現する意図がこの作品にはあるのだと思う。
現在、他の作品において中高生の登場人物が妙に大人びていて気の利いたクールで綺麗な言葉を口にする。うわべだけ綺麗に取り繕われた恰好の良い恋愛をする。そのような作品が人気を集めることは人々が表面的に綺麗な恋愛を恋愛だと思っていることと関係がある。あるいはそのような作品を見てそう思うのかもしれない。
また日常とは異なる事件によって人々の関心をひこうとする作品も多く人気を集める。だが人は人が死んだり、世界が滅んだりする事件によってでしか興味を魅かれないのであろうか。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」において二人は中学生だ。
だから、彼は無力で無知である。しかしそれゆえ純朴さを失わずにもち、不器用で懸命なのだ。
彼女もそうであるように無力で無知である。薄く壊れやすい心で強く自分を生きようとする。
二人はお互いがお互いであることの奇跡を純粋に思い、心から感動する。
多くの人にとって日常の中に奇跡は埋没してしまっているが、彼らは未熟ゆえ奇跡を奇跡のまま感じることができたのである。
最後に、2人はどうなったのであろうか。
時間はもとに戻り、もう起きてしまったことは戻らない。
それでも典道は今できることをやったのだと思う。
なずなを救い、2人は共にあるのだと思う。
オススメはしない。
冒頭のトイレのシーンや母親がフリーマーケットへ出店するエピソードは何だったのか。その後の伏線になってるのかと期待したらまるで関係がない。しかも、そのあと両親は出てこない。あのシーンは必要だったのか?カレーを食べてるシーンもまるでわからない。あのシーンは必要だったのか。
テンポよく物語を進めたら20分くらいで収まる内容をグダグダと2時間に引き伸ばし、間延びして内容が薄い。
いろいろとツッコミどころが満載の駄作である。
誰しもが望む世界
もしもっていう世界を叶えていくそんな素晴らしい映画でした😌
自分はあまり恋愛映画は観ないんですが、本当に素晴らしい映画でした😢👍
公開中にまた何度か観に行ってきます😆
シャフト好きなら星5、それ以外なら星1
私は、たまたま先週、化物語を見たあとに君のいない街をみていました。ヒロインは戦場ヶ原ひたぎサン?主人公はリバイバル?
映画公開してすぐのレビューが酷評だったので躊躇ってましたが【スタッフ好きなら観るべし】てきなレビューを読んでから観ると、
あら良いじゃん!
阿良々木クンがモブでででましたね!笑
とても絵が綺麗で、シャフト特有な絵の綺麗さとキャラのキメ顔。
単調なストーリーが好みなので大変満足しました。
ありきたりなストーリーでも良いじゃないですか。
眠くなるストーリーでも良いじゃないですか。
(ベルリン天使の詩は眠くなるけど最高峰の映画)
別に興奮したくなかったり泣いたりしたくない時だってある私。
もちろん、君の名は。を観ましたけど、比べながら観るのはナンセンスだと→私は思います。むしろ君の名は。を何回も観るために映画館に行けばいいだけの話。
君の内臓
上からたべるか
下からたべるか
なんてネタがまわっていたので気になりしかたなく観てしまった映画。(私にとっては)最高でしたよ
レビューは酷評価だったがそんなにひどくない
恋愛映画として見ると、中学生同士恋愛をうまく描いていると思った。好きだけど付き合うということに関して初心な主人公に対し、母親のビッ○の血が流れているといった恋愛に対し気持ちの余裕があるヒロイン。中学生の頃は女の子の方が気が強かったりするよね(笑)好きな女の子に対して好きじゃないフリをするのもまさに中学生の恋愛という感じだった。
だが恋愛をメインとした作品ではないと思うので、もう少しお父さんの過去やあの丸い物体について掘り下げて欲しかった。お父さん(2人目)の手元に同じ丸い物体があったように見受けられたので、そこは掘り下げるべきところだったと思う。最後花火職人が打ち上げるが、あれは投げたひとが「もしも…」と願うことでそのルートの世界へ行けるわけだから、花火職人が打ち上げたところで何も起きるはずなのに時間のカケラが散らばり、タイムリープしたことを主人公しか知らないのに周りの友人やヒロインにも見せてしまったのでそこが若干気になった。
だが、最後主人公が返事を返さなかったことも見る側に考えさせる良い表現だったと思う。
映画館はカップルが多かったが、おそらくカップルで見る映画ではないと思った。キャラが中学生ということもあって甘酸っぱい青春映画ではないため、アニメが好きな人が見る映画だと思った。
絵は綺麗。花火の描写も海の中での描写もすごく綺麗だった。歌もマッチしていてよかった。花火の描写は綺麗で鳥肌がたった(いい意味で)
お話自体はわかりやすいが、考えさせられるところもあり捉える側が楽しい映画だった。
未来は選択肢と可能性で溢れている
最後の破片のシーンに映るあらゆる未来。
どれが正解で、どれが不正解?未来に続く分岐点は日常に溢れている。
小ネタはなんとなく、男子学生が好みそうな内容で、女の私はシラけてしまった。
「君の名は」と映画としては似てるけど。
ポスターの爽やかなイメージに惹かれて観ました。
ただ、残念ながら物語は今ひとつ理解できない部分が
残ります。
夢ループものなのか、とも思うけど、何故ループが起きるのか、
あの何度も何度も出てきたキレイなガラス玉はなんなのか、
そもそもループなのか夢や妄想なのか。
判りません。判然としない。
プールの水、ガラス玉や灯台のランプのレンズ、その他
透明感のあるものをCGで表現し、美しい背景と合わせて
「秒速5cm」や「君の名は」のような美しい美術的な映画を
創ろうという意図は判りますけど、何度も同じような
CGが出てきてクドい感じがあります。
それぞれの画像の意味も最後まで判りませんでした。
また、絵の美しさという意味でも「君縄」には及ばない。
物語は中学生達のある夏の日の小さな小さな冒険譚。
良くも悪くも様々な登場人物の人物造形がTVアニメ的で
ちょっとリアリティに欠ける気がしました。マンガ的。
今時っぽい中学生たちの人物描写はそれなりに
立体感がありましたが、爽やかで美しく描かれた絵に
対して、主人公の男の子の人柄はガキ過ぎて少しばかり
イラッとする場面がありました。
なんというか、美術・物語・キャラなどどこをとっても
奇妙な中途半端感、アングラ感が残る作品です。
音楽はなかなか良かった。
何がしたかったんだろう。疑問としてはなずなのお父さんの絵と最後にい...
何がしたかったんだろう。疑問としてはなずなのお父さんの絵と最後にいない典道。
昔との違いでわかりわすいのは玉の存在と中学生になっていること。昔の良かったところは、小学生だからこその子供の素直になれなく、思春期のモヤモヤを可愛く表現されており、最後も小学生だからこその女の子の未熟な発達ゆえの寂しい別れ。
それが今回の映画ではよくわからない、SFになっていた。セリフであえて一致させる部分は多かったが、シチュエーションが別なのでよくわからないところが出てきていた。なおかつ、既視感のあるファンタジーである必要あったか?何を伝えたいのかわからない映画だった
音楽は良かった
序盤から嫌な予感はしていましたが、何がしたいのかよくわからない映画でした。
舞台設定のあやふやさと、現実味が無さすぎて感情移入が全く出来ない点と、キャラクター(特になずな)の一貫性のなさ等が非常に残念に感じました。
かなり田舎の町なのにあの学校の校舎は見合わないような…
綺麗な背景も君の名はに比べたら感動は薄れてしまうレベルですね
また、なずなが主人公を好きな理由などの背景ももう少し描いた方が良かったのでは?
対象年齢が低かったと言われれば納得出来ますが、興味深いタイトルには似合わないスタイルでした
また最近タイムリープものが多すぎるのに、その流行りに今更乗っかった意味もわかりません
むしろ同じ時空で話を進めた方が良いものになったのでは?と疑問に思います
原作は知らないのですが、原作を越える映画には決してなっていないのではないでしょうか?
映画に比べて音楽の完成度は非常に高く、とてもいい曲でした
音楽がとても良い映画でした
観る前からレビューの低さは知っていたので、ある意味覚悟を持って観に行きました。でもシャフトの作品は好きなので期待もありつつ。
まず前置きとして、私は「君の名は」は観ていません。なので、同様の期待感を持ったり比較したりということはありませんでした。
原作ドラマも見ていないので、完全新作アニメを観に行ったような感覚です。
また、普段からアニメをたくさん観ているので、シャフト独特のキャラ表現にも特に抵抗はありませんでした。
で、本題ですが。
まずヒロインのなずなちゃんが、物語シリーズの戦場ヶ原さんにしか見えなかったです。。。ここだけは、もう少しキャラデザなんとかならなかったのかな…と思ってしまいましたごめんなさい。
「もしも」という希望を叶えるために1日を何度も繰り返すストーリーは、とても良かったです。
先のことなんかどうでもよくて、今、好きな人と一緒にいるためにもがき、滅茶苦茶に走り続ける。大人になるにつれて諦め方や折り合いのつけ方を覚えてしまった私にとって、そんな真っ直ぐな気持ちは痛いほど眩しかったです。
男子中学生のわちゃわちゃした日常シーンも、ちょっと下ネタ過剰でしたが、そこがまたリアルでクスッと笑えました。
ただ、途中でなずなちゃんが歌い出すシーン…あれは必要だったんでしょうか?松田聖子世代ではなく、実写も観ていない者(20代後半です)からすると、単純に予備知識が足りないせいか、尺つなぎのために入れ込まれたシーンのようにしか見えませんでした。
タイムリープを繰り返すところからは、物語は盛り上がってるはずなのに主役2人にいまいち感情移入できないままエンディングを迎えてしまい、残念でした。
エンディングのあとに〆の映像が流れるかな〜と思ってましたが、それもなく。
ハッキリしたエンディングを見せないのはシャフトらしくていいのですが、若干の置いてけぼり感を感じてしまったのは、やはり私の予備知識が足りないせいなのかもしれません。
原作を知っていて、作品の世界観をわかったうえで観たらまた違う感想だったんでしょうか。
最後に声優さんについて。
菅田くん、広瀬さんともに、本業ではない方に主役を任せたのはいかがなものかと思いました。
お二人とも俳優さんとしては好きだし、本業じゃないのにここまでできたらすごいと思ったので、キャストを否定する気はありません。でも、やっぱり本業ではない方の声なので、演技力や滑舌が気になってしまいました。今回は特に、主役以外の脇役を、プロの中でも大御所の宮野さん、梶さん、豊永さんなどが固めていたのもモヤモヤの原因かもしれません。
声だけでキャラクターの感情を表現する技術は、プロの方が卓越しています。主役2人よりも脇役キャラの方が記憶に残っているくらいです。
(宮野さん演じる祐介の「まじウゼェお前…」というセリフが、個人的にこの映画の中で1番良かったです。たった一言に祐介の色んな思いが詰まってるのを感じて、プロすごい!!って単純に感動しました。)
アニメーションにとって「声」って、ものすごく重要だと思うんです。
どんなに絵が綺麗でも、ストーリーがよくても、「声」という魂がキャラクターに入っていないと、全てが台無しになってしまうこともあると思うんです。なんのためにプロがいるのか?今回の件に限らず、制作側はもう少しその辺考えてくれたらいいのになと思わずにいられません。
感想を聞いてきた友達には、地上波の放送を待って観ればいいよ、とオススメしています。
ちょっと酷評されすぎの感。実写映画でこれよりクソなのはザラにある...
ちょっと酷評されすぎの感。実写映画でこれよりクソなのはザラにあるでしょ。今予告編やってる映画の大半は、そうではないかしらん。
ただ、微妙な計算違いというか、ちぐはぐ感が随所にあり、それが積もってB級テイストな雰囲気を醸しているのが、ネガティブな評価につながってるのではないか。
物語の舞台設定を伝えるための数々のカットが、物語を膨らませるためのあそび、冗長さにつながらず、単に情報伝達に終わっている。キーガジェットである水晶球のイメージを横溢させるために、学校の校舎・教室まで円い構造にしたという演出上の意図が、剥き出しにされているのは、とても痛い。
また脚本のテンポと、作画やシーン構成のそれが、間が合わないというか、凝った作画演出が脚本を殺しているか、脚本が舌足らずなのか、どうも二つが分裂している印象を受けた。CG演出の浮き上がり方は、ここに由来すると思う。脚本は総監督の新房も関わったほうが良かったのではないか。
はっきりいえば、岩井俊二の原作フィルムのことなど忘れて、徹頭徹尾コメディとして作ればよかった。主人公があの水晶球を投げるとき、哀切な想いをぶつけることで迫真性を出しているが、むしろどうにもこうにも二進も三進も行かなくなった主人公が八つ当たり気味に放り投げる、といった体のほうがいい。物語後半から急に引き込まれるのは、シリアスの度合いが深まったからではなく、喜劇的なシチュエーションが、小気味いいサスペンスを醸し出すからだ。
まあ、それはいろいろとムリな相談だったのだろうが。
いろいろと邪推されてるラストシーン、あれはただ単純に、いろいろあってくたびれたから寝坊した、というだけのことでしょ。コメディ路線だったら、このラストシーンの間抜けさ加減がいい味を醸してカタルシスを得られるが、現状のままだと結局、中途半端なまま観客が放り出された気分になる。ちなみに、このラストシーンの主人公の不在は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の「エンドレスエイト」のラストの長門有希の不在に対応しているだろう。
ともあれ、B級感が溢れてしまった、プチ残念作、というかな。
なずなが「どう、16歳に見える?」といった場面で、思わず「ハイ、ひたぎサンに見えます」と即レスしてしまったやんけ(笑)
少年の淡い恋
私はとても楽しめました。
何度も時間を戻すのは少年の彼女への思い・・・
胸がキュンとなりました
打ち上げ花火が横から見れば平べったくなるか
いや違うと論じる少年たちが かわいかった
男はいつでもアホなことを論じるのですよね(笑)
最後「観月ありさが好きだー!」その他の少年が
叫ぶシーンがありますが・・・
いつの時代?ずいぶん 昔の時代設定なのですね。
そう言えば スマホや携帯は出てきませんでしたね。
今の少年は花火が平べったいやら なんやらなんて論議はせず
すぐに スマホで調べてしまうのかな?
なんて思ったり・・・
今の時代の子は恋愛は面倒だしたくないなんてのを
聞きますが、この少年のような淡い恋心などは
わからないのかな?
などと おばさんは気になります(笑)
最初 主人公の少年が友人を殴るシーンがあるのですが
それだけ彼女を思っているのだなと ここも
おばさんはキュンとしました
絵が雑の所や あの球が何なのかはわかりませんでしたが
他にもつっこみどころは あるのですが
少年と少女の切ない 短い 初恋物語
私は好きです
一つの文学の可能性は感じた
初めてのシャフトの映画を見た。
まず、率直な感想として最初に出てきたのは、声優を変えたほうが良いということである。
アニメは、声が一つの命であり、非常に重要なファクターであるはずだが、主人公はあまりにひどかった。
また、作画数が少ないのか、不自然な動きが多かったように思う。全体的に作り込みに手抜きを感じる場面があり、明らかに本気で作ったとは思われなかった。
内容は、昨今の兎にも角にも、男女の恋愛という閉じた二体関係に昇華した、つまらない作品であると思ったのだが、偶然なのか、ある種の文学を感じさせる部分もあった。
しかし、圧倒的に表現の技量が足りないためか、作者は何かを表現したかったのではないか?という場面が意味不明な映像として表象されており、その是非は不明である。
また、高校生のする会話が、割と不自然であり、一見物語に影響がなさそうな日常の描写が、作品の質を落としていた。
精神世界なり人間世界の相互作用を高いレベルでシミュレート出来ていれば、あるいは主張したかった何らかの群像劇として意味を持ったかもしれない。
様々な点で、人間を描き切れてはいないことと、おそらくシャフトの特徴なのであろう映像美がちぐはぐさを引き立てている。
ヒロインのなずなは、家庭環境のせいで、一般の学生と異なる世界を会得しており、いわゆる暖かい家庭に育った主人公との対比において一つの文学を有する可能性があった。
電車に乗り、現実を逃避するかのように母親と再婚相手から束の間逃げるシーンがある。
なずなは、それが、束の間であることを知っており、現実にはすぐに連れ戻されることを知っているのだ。
主人公は何度も現実をやり直す(?)石を持っており、現実を歪曲する形で、世界を自分の願い通りに再構築する。そこに彼女の意志が入る余地はなかったけれど、果たして、問題のある彼女の世界が入ったならば、うまい形で何らかの文学の灯火を感ぜられたのではないか?と思ったり。また、石の使用者である主人公は、世界の歪さに気づいており、途中からはどうやらなずなもこの世界が自分たちの生きる世界ではないことに気づいていた。この点は非常に重要な点であり、扱いに慎重さを求める部分であろう。彼女は最後に「次はどんな世界で会えるかな?」といった節のことを発したが、あの問いは現実に記憶として残っているのか、単に主人公の妄想の再構築であるという設定の如何によって割と重要な意味を帯びてくる。アニメの設定はザッパで良いというのが私の考えだが、しかして、感情交錯が行われる重要な点についてはある種の厳密性が求められるかもしれないと思った。
最後に、、、
列車のシーンは、良いモチーフであると思うのだけど、なずなの妄想シーンでファンシーな馬車が現れた場面は明らかな冗長である。
あの、見せ場というか、重要な場面であえて挿入すべき映像とは到底思えなかった。
ここまで叩いてきたが、何かしら光るモチーフはあるのだ。
このテーマでもっと深めれば良いものが見れたかもしれない。
何か可能性を感じるようで、結局は作品として他者に勧められるものではない映画であった。
普通に面白いけど、あと1歩というか数歩というか。
起承転結で言うところの承はまだ面白かったです。ちょっと考えれば内容はわかるため、頭空っぽで見るべき内容ではないですが……ただ、わかりにくかったとは思います。
しかし、わかってしまえばストーリーは至って単純で、よくあるループものをなぞった感じになっています。何度もループして、やらかしてしまったことをやり直す。それだけ。確かに、人が死んだりするような内容ではないため、重さは感じませんが……それはそれ、これはこれと。
しかし、突然歌い出すシーンは如何なものかと。あそこはディズニーかな?とちょっと笑って見てました。わからなすぎて、はい。
ただまあ、演出はシャフトだからで済みそうなのが恐ろしかったですね。あの色っぽい絵は好きです。
そして、ラスト。あれはなんだったんでしょう。僕はよくわかりませんでした。おそらく評価の分かれ目はあそこじゃないでしょうか。ピークエンドの法則ですかね。終わり悪ければすべて悪い、です。
そう考えると評価は妥当な気がしますが……途中の展開がわかったのと、それがあったのでそれなりに楽しく見られた点を含めて、僕は★3です。しかしもうちょっとわかりやすく作れなかったのでしょうかね。それさえ出来ていれば、もっと面白くなったとは思いますが……惜しいです。そして致命的でしたね。
中身のある批判してよ
まず、この映画を見て思ってたのと違ったとか言って批判してる人。
そんな映画日本じゃ山ほどあるでしょ?特に洋画。それは配給側の問題だし、作品の良し悪しには関係ありません。
絵面の好き嫌いもそれは好みです。
内容がないとか意味がわからないって言って酷評してる人。
自分が理解できなかったり、理解しようとしてないののにいっちょまえに批判しないでください。
ループして同じシーンを見せられて退屈だと言う人がいますが、あの同じように見えるシーンが大事なんであってそこから何も感じとれなければちゃんと映画を観てるとは思えません。
この映画、セリフで語られることが少なく(特にナズナ)目の表情や描写で語られることのほうが多いのでとても映画らしい作りだと思います。
わかりづらいとかいって文句言わないでください。
ちゃんと見てればわかります。
そもそも映画とはそういうもんです。
そして何よりその描写で見せるところがこの映画の魅力です。
物事の批判をする事は悪いことではありません。
しかし中味のある批判でなければただの無知を晒すだけです。
こっちが恥ずかしいのでやめてください。
ここまで正当な批判をされていないのは異常だと思います。
多くの批判の中味は見る側の問題だと思います。
ぜひとも、オリジナルのドラマを見てください。
以下長文です。なんだかすみません。
原作のドラマ「打ち上げ花火 下から見るか?横から見るか?」は、私にとってとても大好きな作品で、毎年夏が来て、花火大会の頃になると見返したくなるほど思い入れのある作品。だからどうしてもオリジナルとの比較になってしまうが申し訳ないのだけれど、仮にそうでなかったとしても、あまりにもひどい出来なのは火を見るよりも明らかだと言わずにいられない。
そもそもどうして年齢を中学生にまで持ち上げてしまったのだろう?この物語は、小学生であることにもとても重大な意味があったと思うのだけれど、とりあえず制服を着せたかったのだろうか?
思春期に入る前の少年たちの夏休みの物語であることに意味があったと思うし、少し大人になりかけている少女と、まだまだ子どもの少年の組み合わせが活きた物語だったのに、中学生にしてしまうと、普通の青春初恋ストーリーみたいになってしまう(実際、そうしようという意図で年齢を上げた可能性大)。
打ち上げ花火が丸いか平べったいかなんて議論は、変声期前の少年が交わすから成立するのであって、成年の声優の声でなど聞いていられない(個人的にわたくし、安易に俳優が声優をやるのも好きではないけれど、それ以上に人気声優たちのあざとい演技も好きではない)。
小学生の夏休みの一ページに、打ち上げ花火を横から見るという、小学生にとっての大冒険の物語であり、しかしいつしかその冒険が意味をなさなくなりながら別の経験をするという物語だったのだ。小学生がひと夏で経験する冒険と、中学生がひと夏で経験する冒険では種類が違うというのに、どうしてそこに気づかずに愚鈍にも主人公を中学生にしてしまったか。
そもそも、大体にしてこの映画、挙げ出したらキリがないほどあらゆる部分が雑で破綻しまくり。印象的な美しい風景やら花火シーンだけは力を込めているのに、なずなの浴衣の柄なんて、袖も襟も縫い合わせも無視して上から貼り付けたみたいになっているから、動くたびに模様が不自然に移動して、まるでプロジェクションマッピングのようだし、中学生にしては不自然すぎる頭身には最初から違和感を覚えるし、必要以上になずなをセクシーに見せる演出にも寒気が走る(中学生にエロスを感じるような趣味はありません)。
確かに、原作でなずなを演じた奥菜恵は年齢の割にとても色っぽかったし大人っぽかった。でもあれは作ったものではなければ演出したものでもなく、当時少し大人びた少女の自然な姿であったし、わざわざ胸元をアップで撮る必要も着替えのシーンを盗み描くような必要もないことを岩井俊二はちゃんと弁えていたんだぞ。
少年がうしろから追いかけて追いつくスピードで走る電車もおかしいし、電車に向かって車から声をかける母親も(聞こえるかっーの)変だし、中学生の子供を殴りつけておいて置き去りにして帰る再婚相手も、突然電車内で「瑠璃色の地球」を歌いだすカオス(選曲もおかしい。あの曲は母性愛の歌であり人類愛の歌。アイドルの歌で「灯台の立つ岬」という歌詞が出てくるからというだけで選んだなら安易にもほどがある)も、何から何まで理解の範疇からはみ出していてついていけない。何なの?これ何なの?!
少年たちはスーパーファミコンをしているようだし、「観月ありさ」という原作と同じキーワードが出てくるあたり、時代背景は90年代初頭だと思われるのだけれど、少年たちは90年代には存在しなかった語尾上がりのセリフ回しを使うし、何より90年代の空気感がまったく漂わない。ノスタルジーがすべてではないけれど、この映画に関しては少年時代に対するノスタルジーもとても重大なスパイスになるべき要素。時代背景すらぐらついている。
ところであの不思議な玉は、つまり、もしもボックスか何かなの?ドラえもんなの?
オリジナルと違うのは構わないことだと思うし、オリジナルときちんと現代の感覚や感性に置き換えて新しく作り替えることは意義のあることだと思うのでそれを否定するつもりはない。けれどもこの映画の場合、少年たちの服のデザインとか典道となずなの身長差とかそういうどうでもいいような部分だけは律儀にオリジナルに忠実にしていながら、オリジナルが持つ決して侵してはならない部分を土足で侵し、ことごとくぶち壊しにしているようにしか見えないから辛い。
典道となずなのキスを描いてしまっては(示唆だけだったとは言え)ぶち壊しなのがどうして分からないのだろう?明確な告白をして抱き合ってはいけないのがどうして分からないのだろう?オリジナル作品が持っていた郷愁や、繊細な少年たちの心の機微や、日本人が子どもの頃に体験してきた(仮に経験していなくても、経験したような気がするような)夏の匂いといったものがまったく感じられず、あるのは見せかけだけ美しく飾り立てたあまりにも嘘くさい純愛だけ。そんな物語じゃないんです本来は!
というわけで、つい長くなってしまいました。この作品に関しては、原作ファンの立場として、どうしても許せない部分が多すぎるあまり、辛口の☆1.5にさせていただきます。すみません。
唯一この作品に感謝するのは、このアニメが生まれたことで、オリジナルのドラマに興味を持ってくれる人が出てくるかもしれないということ。それだけでも作品のファンとしては少しうれしい。もしかしたら時の流れに埋もれてこのまま忘れられる作品だったかもしれないところ、作品の命を少し延ばしてくれたと思うと、それに関しては有難いなぁと思う。
なので是非とも、オリジナルのドラマの方を見てください。90年代を生きた人はもちろんだけれど、そうでなくてもあのドラマが吸い込んだ懐かしい日本の夏の匂いと夏休みの風景は、きっと分かってもらえるんじゃないだろうか?
シャフトの世界観
アニメ制作会社シャフトの世界観を知らない人は理解に苦しむはず。元々実写の作品をアニメーション化するという試みは少なく、そういった背景を知らない人はそもそも作中の時代設定すら読みとくことができなかったと思う。
万人受けする作品でないかわりに、通好みにはたまらない作品であった。
細かい伏線が多く、しっかり観察していないとストーリーラインがわからなくなるような設定であった。
「まどマギ」レベルのファンタジー性を理解できない人には楽しむことのできない作品だったと思う。
映像については綺麗で、シャフトらしい美学があった。
声優(主人公二人)については後半にいくにつれ、上手くなっていく傾向があった。 玄人には出せない自然な感じは非常に好感がもてる。
内容に対しての時間は丁度よかった。
唯一苦言を呈するならば、お笑いのシーンにおいて、それ以外の映像世界観が綺麗すぎるあまり、そのギャップに圧倒されて素直に笑うことができないことが多かった。
全体としては高評価。
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