「つまらなかったと思った方へ」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 考えてる人さんの映画レビュー(感想・評価)
つまらなかったと思った方へ
まず、この映画の魅力を理解するには
それなりの人生経験が必要かと思います
ここからは僕の勝手な解釈ですが
あの玉はタイムリープするものではなくて
「もしもの世界」
つまりパラレルワールドを作り出すもの
玉は典道にとっての象徴だっただけで
きっとみんな何かしらのきっかけで
自分に都合の良いもしもを作って
あの日に捕らわれ続けていたんでしょう
ラストでおっさんが玉を打ち上げたことで
みんな、自分が描いたもしもを思い出した
こんな未来もあったんだなって
でも所詮それはもしもという妄想で
手を伸ばせば届いたはずの未来であっても
それができなかった結果が今で
だからそれに気付いた彼らは
突然大声で告白し出したり
海に飛び込んで抱きしめ合ったりした
今できることをやるしかないから
ずばりこの作品のテーマはここなのです
「もしも、こうなったら」ではなく
「今、なにができるか」
なずなが言っていた
次はいつ会えるんだろう、の
「次」は、この日じゃない未来
もしもじゃない未来のことを指してます
彼女は一歩進むことを選びました
そしてその勇気を与えたのは典道でした
ラストのシーン、校庭を走ってた2人は
シルエットはよく覚えてませんが
なずなと典道だと考えてます
典道は最後の最後まで粘って
ぎりぎり引き止められたんじゃないかなと
あるいは2人で駆け落ちでもしたのか
どちらにしても典道は
もしも、と後悔しないように
結果がどうなるかはわからないけれども
今できることを精一杯やったのだと思います
最初に書いた人生経験というのも
ある程度年齢を重ねて
もしもあの時、と思ったことのある人でないと
共感できない内容なのでは、と思ったからです
特にまだ社会に出ていない学生さんは
今が一番楽しい時期でしょうから
もしも、なんて思いもしないんでしょう
個人的にはメッセージ性もあって
こういう映画こそ、
「中身がある」と言えますね
某アニメ映画と比べて酷評してる方は
一つの作品としてのメッセージを考えるべきです
昔から新海誠を知っている僕としては逆に、
「君の名は」も綺麗な作品だったとは思いますが
良かったけど、なにが言いたかったの?
と思わざるを得ませんでしたがね…
追記:
他の方のレビューで、
この作品のテーマの一つとして
「大人の事情から逃れられない子どもの虚しさ」
と仰られた方がいまして
衝撃を受けましたので追記します
初めはなずなの母の再婚のことしか思い当たりませんでしたが、祐介も「私立に行け」と父親から言われていたようですし、
最も端的に表現されていたのは
ラストでおっさんが玉を打ち上げるシーン
あの場面でいきなり飲んだくれ親父が出てきた時は何事かと思いましたが
「いい加減な大人」が「子どもの無限の可能性(ifの世界)」を粉々にしてしまう描写だと考えると
散っていくifの欠片だったり
それを懸命に掴もうとする子どもだったり
涙無しでは見られないシーンだったのではないでしょうか
おでん屋で、わざわざあの親父のテキトーっぷり、ダメっぷりを強調したのも頷けます
あれも含めて演出だったのかもしれません
深い。
意味不明なのは視聴者に委ねている部分が多いからだけではないと思いますよ。
小学生ならともかく中学生なら花火は横から見ても丸いことは知ってます。この時点で視聴者は置いてきぼり。
むしろ今は丸くない打ち上げ花火もあるので、後半の灯台シーンでも平たいことで現実世界じゃないとわかる展開も違和感が。
玉によるやり直しもほぼ制約がなく、まるで都合が悪くなったらセーブポイントからやり直せるRPGのよう。
主人公が乗り越えるべき困難な壁がなく共感できません。
突然歌い出したり馬車に乗ったりするのも同じ。
これでは考察以前に物語にはいりこめません。
絵柄やCVは好き嫌いがありますが、良いパーツを揃えながら製作側の練り不足を感じる残念な一本だと思います。
見る目のない凡人様
コメントありがとうございます
何の断りもなくレビューの引用をしてしまい申し訳ありません
非常に興味深い内容だったもので…
考察しがいのある映画
まさにその通りだと思います
それだけ視聴者側に委ねている部分が多いので
だからこそ伝わりづらくなり
意味不明だと酷評されているのが残念です
しかしながら結果に偶然はありません
現状が物語っているように
やはり制作陣の配慮が足りなかったのでしょう
非常に惜しい作品だと思います
僕が思うに最後、町全体を取り囲んでいたドームのようなものが砕け散り、典道達を取り囲んでいた大人の呪縛的なものがなくなり、ラストシーンで二人は自由になっていく…
みたいなものと考察しました。
考察のしがいがある映画ですね…
鳥肌が立ちました。
素晴らしいです
本当に聡明な方のようですね
僕の解釈などまだまだだったようです
ですが敢えてレビューの訂正はしません
このコメント欄での僕と貴昭様のやり取りも含めて、ある種一つのレビューでもあると思うからです
ありがとうございます
ありがとうございます。
てきとー、ダメっぷりと描かれていたので
もしもの世界を壊すことを否定的
子どもの無限の可能性(ifの世界)と言われていたので
Ifの世界を肯定的に捉えたご意見と受け取ってしまいました。
壊す大人とありますが
壊したのはもしもの世界だけでしょう。
振り回されると表現した方が良いと思います。
子供の人生は、多くの部分が大人の影響下に支配され、
子供だけで自由になる事は少ないです。
また、砕かれたのは無限の可能性ではないと思ってます。
無限の可能性は少年たちにまだ残されています。
砕かれたのは、やり直しのきくぬるま湯の夢の世界。
これからは自分の行動に
責任を持たなければいけない世界がやってきたのだと思います。
そうして典道達は一歩大人になったのだと。
典道も、こんな世界は間違ってると言っていましたね。
あれは、何かのメッセージだったのでしょうか。
コメントありがとうございます
僕が言いたかったのは
否定的とか肯定的ということではなくて
壊す大人、それに反発する子ども
あるいは受け入れて進む道を選ぶ
これらは矛盾しないということです
正直、ただ見ているだけでは理解しづらい内容だったかと思いますが、それをただのあらすじだと思える貴昭様は聡明な方なのでしょう
そしてそれを理解した上で僕は高評価、貴昭様は低評価ということは
やはり個人の好みで大きく変わってくる作品ということですね
高評価の人って
みんなあらすじ紹介しただけで
満足してる印象。
そんなあらすじはとっくにわかってて
構成、演出がヘタクソだから低評価してるんだよなー。
俺は2.0だけど。
そんな事を伝えたいだけならば、
5分で終わる歌詞でも十分。
伝えたい内容が薄すぎるだって。
製作者も含みを持たせるだけで、
自分のストーリーをしっかり持ててないんじゃないかと疑うレベル。
いい加減なおっさんによって、
無限の可能性を砕かれたといいたいなら
もしもの可能性は子供達にとって肯定的に捉えないとダメだよ。
もしもの可能性を捨てて、一歩踏み出したんでしょ?
作品と同じでフラフラしすぎ。