「無駄とムリが多い作品」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? ニーナさんの映画レビュー(感想・評価)
無駄とムリが多い作品
映画とノベルと原点物語を読んだ上での映画の感想です。
良かった所は、ファンタジック、映像が綺麗、イメージが膨らむ
以上です。
ダメだと感じた所は
無駄と不自然さが多い所。
まず、ループが物語の中心になってるにも関わらず
ループに必要性を感じない。
ループする前の世界で
発見があるわけでもないから
ただのバッドエンドにしかなっていない。
結果、失敗ルートは物語上ほぼ不要な存在になっていると感じる。
原点物語にはループがないので、後付けしたせいなのだろうけど。
また、ループさせるために、
まずは失敗ルートに進まないといけないことから
主人公を棒立ちくんにする必要がでてきて
主人公が何も行動しないダメなやつに見える様になった。
それが、登場人物の魅力を下げている。
さらにループの発動のキーとなる
もしも球を投げるという不自然な行動が
何の知識もないにも関わらず、何度も行われたり
果ては、酔っ払いが花火と勘違いして打ち上げるという
無理がある行動にちょっとついていけない感が増加
お陰で最初見た時は、
祐介に殴られて気絶した主人公の夢なんじゃないかと疑った
全体的に無駄が多く
ストーリーに生かしきれていない。
主人公の親は最初出てきただけだし、
フリマの下りは、親が家にいない状況設定にしかなっていない。
もっと、なずなの親との対極感を見せてもいいと思ったし、
直接なずなの母親に親としてのあり方を説教して見せ場を作っても良かったと思う。
友人達も祐介以外は配役的にほとんど不要で
あんなにゾロゾロ必要だったのかと思う。
登場人物増やして、ループもさせて話を広げて見たけど
風呂敷を畳めずに終わった感が強い。
最初のループ前の主人公が祐介を殴りに行ったのも
怒りの矛先を間違えてんじゃねぇと感じたし、
再婚相手が主人公を殴るのも必然性が弱いと感じる。
(ノベルだと肘が当たったという表現)
祐介は自分は逃げる癖に、
抜け駆けをされると、灯台から突き落とす衝動殺人犯に豹変するのも
ギャグにしかなっていない。
何も考えないで映像の綺麗な雰囲気を楽しむべき作品。
映画、ノベル、原点物語ですべて設定やストーリーが異なっていて
フラフラした感じしかしない。
ちなみに、ノベルでは最後の海のシーンは、
もしもの世界ではなく現実世界として描かれている。
原点物語ではそもそも、もしもの世界がない。
妄想はいろいろできるだろうけど、
それは本編の中身が薄いからであって、
(無駄なループに時間を使いすぎて、物語が薄い)
作品の高尚さとは無縁。
上述の様にノベルと原点物語とも設定が異なっているため
妄想がノベルと矛盾が起きても映画の世界はそうだと言い張る事は可能。
文学作品ではなく、枠だけ作ったので
好きに塗ってくださいという塗り絵みたいな作品。