「残るのは哀しいやりきれなさ。恐ろしい事件の真実とは。」奴隷の島、消えた人々 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
残るのは哀しいやりきれなさ。恐ろしい事件の真実とは。
【賛否両論チェック】
賛:劇中にモキュメンタリーを巧みに用いて、離島で起きた恐ろしい事件の一部始終を映し出しているのが印象的。
否:モキュメンタリータッチの部分はかなり映像がブレるので、何が起きたのか分からないシーンも多い。終わり方もやや唐突か。
物語そのものはフィクションですが、その背景にある事件は実話とあって、そう考えると非常に恐ろしさを感じさせるものです。
前半はそんな塩田の真実を暴こうとする女性記者とカメラマンの緊迫した取材の様子が、モキュメンタリータッチで描かれ、後半は一気にサスペンス色が強くなっていきます。やがて辿り着いた真実には、フィクションとはいえ背筋が凍ります。
終わり方は少し唐突というか、救われない感はありますが、貧困問題も改めて浮き彫りにするような、そんな緊迫感溢れる作品に仕上がっています。
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