「面白くなりそうでならない」パッセージ 牙剥く森 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
面白くなりそうでならない
都市伝説をテーマとした作品であり、日本で言う"首なしライダー"的な内容のものである。主人公らは何かとヒャッハーなノリで、その都市伝説を"体験"しに行こうとする。いざ事が起こると普通は驚いたり恐怖するだろうに彼らはテンションMAXであるのだ。ヒロインだけはその現象を体験できずにいたが、それでやめていれば良かったものを翌日に再トライしてしまうのだ。案の定一人ずつ犠牲になっていくのだが、霊のやりたい事がイマイチ分からず、回りくどい方法で襲ってくるのだ。結局は復讐劇となる訳だが、対象の人物は自業自得でも周りの人間はただ巻き込まれただけだ。その辺は気の毒でならない。
きちんとヒロインだけがおかしな体験をしていたのにも理由があり、回収される所は回収してくれている。だが肝心の霊は都市伝説とは全く関係の無い存在で、タイトルにもなっている「レモンツリー・パッセージ」は名ばかりでは無いかと思ってしまう。
この回りくどく追い詰めてくる霊は人を怖がらせたいのか笑わせたいのか、ヒロインが男性といい感じになっている時に突然咳き込み、喉の奥から火のついたタバコが出てくるシーンは衝撃だった。怖くしようと思えばもっと怖くできた作品だろうが、展開が不自然だったり、明らかな無駄死にのシーンがある等で入り込めなかった。良質なホラーを見飽きた方は是非。
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