劇場公開日 2017年1月14日

「方向性がちょっと」パッセージ 牙剥く森 MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0方向性がちょっと

2020年1月4日
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都市伝説をモチーフとしたホラー。日本のホラーを意識したような描写で、しっとりした恐怖感である。
オーストラリアに旅行に来たアメリカ人観光客が迷子。バックパッカーだったと思うが、そんな方向音痴でも外国へ飛び出す無鉄砲大国アメリカ。…それはさておき、途中で知り合った男性らと都市伝説のある場所に立ち寄ってから、恐怖に見舞われるという物語。

この時の男性らがある件に関わっているせいで今回の惨劇が起きるのだが、その内容がかなりえげつない。途中残虐な描写もあるにはあるが、本作がR-15+指定の理由はそれだろう。

幽霊が現れるのには、何か理由がある。殺人鬼のように、生きている者は皆KILL!ではない。しかし、本作の幽霊らは人を殺して殺して殺しまくる印象が強い。それだけ恨んでいるのだろうが、旅行客はアホなだけで特に罪は無いのではないか。気の毒でしかない。そのくせ、主人公らに向かって「RUN」=「逃げろ」とメッセージを送ったりなど、何がしたいのかがよく分からないのである。結果的に、彼らが何を伝えたくて、どうしたいのかが判明しないままで終わるので、非常にもったいない。理由が理由なだけに、そこを掘り下げるとただ単に怖い映画だけでは収まらない、良い作品になっていたのではないかと思う。

Mina