劇場公開日 2017年12月16日

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「美談は名作なのか」8年越しの花嫁 奇跡の実話 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0美談は名作なのか

2018年8月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

単純

幸せ

婚約した矢先、突然難病で昏睡状態になった女性。
彼女の目覚めを待ち続ける恋人。
数年後、奇跡的に目覚めるが、彼に関する記憶だけ失われていて…。

フィクションのようなノンフィクション・ラブストーリー。
これが創作だったらあまりに陳腐だが、実話なのだからケチの付けようがない。
美談である。

…しかし、美談は名作なのか。

確かに感動的な話である。
難病、記憶障害…苦難に屈せず、愛を貫こうとする恋人同士の真実。
ケチ付ける輩は、人としての神経を疑う。

…ただ、一本の映画としてはどうか。
昨冬、多くの人の感動を呼び、興行30億に迫る大ヒットとなった“愛された”作品。
だが…

こういう実話ラブストーリーは他にもある。『余命1ヶ月の花嫁』とか『抱きしめたい 真実の物語』とか。
それらと本作は何が違うのか。
言ってしまえば“感動ポルノ”と比喩される、難病や障害を用いて感動と共感を誘う、何処かで見た作りの“安全パイ”。
佐藤健、土屋太鳳の好演。特に難演に挑んだ土屋は、キャリアのステップアップになったと言えよう。
薬師丸ひろ子、杉本哲太の両親役は勿論、上司役の北村一輝とウェディング・プランナーの女性の好助演。
シリアスな人間ドラマに手腕を奮う瀬々敬久による手堅い演出。
誰もが共感出来る作品とはなっているものの、“平凡”という域を出ていない。

実話だから感動的なのは当然。
もう一度問いたい。
美談は名作なのか。
…必ずしも、そうとは限らない。

にしてもドン引きしたのは、佐藤健と土屋太鳳(と薬師丸ひろ子)は、これで日本アカデミー賞ノミネート。
好演熱演はしている。
でもそれなら、瑛太&榮倉奈々、錦戸亮&北川景子だってノミネートされて然るべき。彼らと何が違うのか。
他にもっとノミネートされるべき役者は居た筈。
どんだけミーハーなんだよ、日本アカデミーは。

近大
2018年8月4日

美談は美談なままの方がいいと思います。何でもかんでも配給会社が金になると喰いつき映画化する時代も見直してもらいたい。何故かこの監督に関しては配給会社の言いなりで作らされた感が強い。

巫女雷男