「土屋太鳳の本領発揮」8年越しの花嫁 奇跡の実話 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
土屋太鳳の本領発揮
難病を題材にして、ハッピーエンドであることも分かっているので、話の内容は大体想像できます。それでも思わず引き込まれてしまうのは、人物・状況設定も含めた脚本が巧みなのと、演技が自然だからです。
この物語が感動的になっているのは、いくつもの奇跡が重なっているからです。あの病状から回復するのも奇跡ですが、何よりも主人公二人と彼らを取り巻く人達が奇跡です。彼がたとえ一度は婚約したとしても、回復不可能と思われる彼女をずっと支え続けるのは普通ありえません。彼女も彼との以前の記憶をなくしたまま、再び本気で好きになるのも信じがたいです。彼女の両親も、治る見込みのない娘を見舞い続ける彼を見るに忍びず「家族でない」と突き放すも、やがて家族として受け入れるのもいい人過ぎます。
皆まじめで優しい人ばかりです。こんな人達だからこそ美しい物語になりました。
あわや悲しい別れかと思いきや、劇的な結末が待っていました。結婚式場の女性スタッフとの偶然の出会いや、彼からの大量のメールの発見はでき過ぎと思いますが十分に効果的でした。元々強い絆の二人ですから、こわれたブランコのように、なくなったピーズが戻れば仲も元通りになりました。
体当たりの演技で、土屋太鳳の本領発揮の一作でした。
コメントする