ムーンライトのレビュー・感想・評価
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『俺に触れたのは1人お前だけだった...』心も身体も...
内容は、アメリカの南部ジョージア州辺りの暴力と麻薬の黒人系社会において主人公が幼少期から青年期にかけての成長物語。好きな言葉は『食べろ!』何しろ食事シーンが多い長い間飢餓に苦しんだ黒人社会を感じれた『選べ!』は両手の中にあるお金を手品の様に当たった風に見せる所の優しさが好きだ。出会いの場面で友達の頬にある傷を眺めるシーンはエロかった。局面では人生がガラリと変わる夜の浜辺のシーンが儚く美しく見ていて辛い。全体的に緑と青が巧みに使われて幼少期の水面ギリギリのシーンは美しかった。性に目覚める胸元見つめるシーンや久しぶりに会う友達が自分子供を見て子供時代を思い出す所も静かな中で楽しく見れた。人種のサラダボールのアメリカで終始黒人しか出てこない作品なのでゼノファーブ『外国人嫌い』ジレンマに苛まれていて辛かった。矜持が執着に代わってしまう構図がわかりやすい。『麻薬』は何一つ悪く無いし『飲酒運転』危険なのになぁと感じた。そして最後にはカタルシスの解放に繋がったので気持ち良かった。
最低な人生をぬるま湯のような温度で流れる映画
賞をとったとかで、少し期待して観てみましたが、感性が乏しいのか私には普通の映画に思えました。
映像が綺麗とかのあたりが私には感動が起こらないようで(ラ・ラ・ランドとか)、ストーリー性重視で観ておりましたが、それにしてもまったりと嫌な人生を過ごしていく主人公を見ていて人生は残酷だなと思いました。
LGBTとか差別作品とかよく見てきましたが、可もなく不可もなくが私がこの映画に対する評価でした。
極私的自分探しの旅に付合う観客は肩透かし
本作のテーマをひと言で言えば、極私的自分探し。つまり個人史から自分のあるべき姿を探るということである。具体的には、次のようなことを描いている。
「少年時代に面倒をみてくれた夫婦は、ひ弱な自分をあれこれ面倒をみてくれて、まるで太陽と月のような存在であった。自分は道を踏み外し、非行少年たちの中で肉体を鍛えた挙句、犯罪者の顔役となったが、かつて愛した少年が成長して料理人となった姿と再会して、今の自分は偽りであることを知った。自分はひ弱な存在であり、弱いからこそ他者の弱さに寄り添って生きていける。かつて面倒を見てくれた夫婦のように、自分もそのように寄り添って生きていこう」
そんなこと、どの場面で描いているかって? 本作のプロットと、ギリシャ神話に由来する主人公の名前や、原作者の個人的体験に基づくタイトル名(In the Moonlight,Blacks look blue)を踏まえて解釈し直すと、上の要約になるということである。
自分探しの旅だから、スラム、ドラッグ、売人組織等々の、一見社会問題らしきものは、過ぎ去っていく旅の折々の景色に過ぎない。話題になった黒人ゲイの要素は、原作者や監督の生の根源の一部ではあるが、それがメインテーマというわけではない。
さて、それが分かってみて、本作の価値が増すかというと、どうも疑問である。
自分探しの旅にしても、道程が書割り的表面的に過ぎるし、さきに挙げた社会問題やゲイの話題も、単なるトピックスの一つに止まるから、すべて散漫な印象しか残らないのである。
見終わって、何だか当て外れ、肩透かしのような感じを受けたが、考えてみると、それが真っ当な評価ではなかろうか。
2015、2016年のアカデミー賞は、演技部門にノミネートされた俳優が白人で占められ、2016年の同賞司会者クリス・ロックが「アカデミー賞は白人賞だ」と皮肉ったのは有名である。
2017年のアカデミーがどうなるか注目される中、今度はこの作品が8部門でノミネートされ、作品賞、助演男優賞、撮影賞を制したのだった。political correctness は映画賞にもあると感じたのは小生だけではないだろう。
たった一人でも誰かがいれば〜
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「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
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どなたかが書いていたようにこれはとても切ないラヴストーリー。
でもその前に、少年を助けてくれたフアン(薬の売人)は
悪人なのか?救世主なのか?
数い難い状況の少年にとって例え薬の売人であろうと、
話を聞いてくれて気にかけてくれる人がいると言うのは
どんなに心強い事だろう。
フアン自体がおそらく過酷な少年時代を過ごして来ているのだろうから
少年の心の中がきっと痛い程分かってるんだろう〜
だから無理にシャロンに踏み込もうとせず
淡々と見守っている感じが、
少年にはとても頼もしかったんでしょうね。
この映画に限った事でなく、日本の一般社会にも全く当てはまる話。
たった一人でも本音を話せる人がいれば人はなんとか生きていける。
誰にも心を開けず、自殺してしまうのと、
例え悪人でも心を開いて生きて行くのとどっちがいい事なんだろう?
難しい事だと思う。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
大人になったシャロンが、少年期、ティーンエイジャー期を
演じた二人とはパッと見、ぜんぜん印象が違って、
これミスキャスト!?とまで一瞬思ったけど、
懐かしい友と話すうちに、どんどんナイーヴな
昔のシャロンの面影に戻って行く!
大人のシャロン役トレバンテ・ローズは凄いな〜〜
派手な作品では無いので
正直アカデミー作品賞的なお祭り感は足りないから、
お祭りとしてのアカデミー賞はやっぱり
「ラ・ラ・ランド」で良かったんじゃないかと思ったりします。
が、アカデミーに絡まなければ
埋もれてしまったかもしれない作品なのでそこは、ちょっと複雑。
全く本筋には関係ないんだけど
ダメダメな実のお母さんがテレビの後ろの壁に飾っていた
鯉の滝登りの様な絵柄の掛け軸だったり、
フアンの家に飾られていた北斎の波と富士山の版画の写しだったり
この監督さん、結構日本びいきなのかな?なんてい思ったりした。
社会問題が満載
A24制作、オシャレなポスターに釣られて観たが、いやぁー難しい。アメリカ🇺🇸の社会問題をこれてもか!と詰め込んだ、いや、詰め込みすぎた力作。なんか主人公を見て、人間の運命って生まれながらに決まっていて、あらがっても無理なのだなぁと思ったよ。考えさせられる作品でした。
シャロン少年の成長物語
強さとマッチョが正とされる、貧困地域の黒人男性社会。そこに生まれたひ弱で真面目な少年シャロンが、大人になるまでを美しく描く。そんな社会でもファンやテレサ、ケビンといった愛を知るが、ふとした事件がきっかけで少年はより過酷な環境へ追いやられ、生きていくため外見を変える。黒人社会に限らず、社会の同調性は時に残酷で、特に子どもの社会ではより直球だと思う。マイノリティの生きづらさを美しく描き、最後は多少の希望も残してくれた気がする。個人的にはもう少しシャロンの青年期〜大人になるまでの描写が欲しかったが、視聴者に委ねられたのかな。
タブーを扱った意欲作なのか
ドラッグ、人種差別、LGBT、、、これらを正面から描いていたので、嫌悪感がある人もいるだろう。
差別をされるグループの中にも、その下に差別なりいじめがあるという。人って弱いな。自分たちには見えてこない、現実に起きている問題なんだろうけど、身近ではないのであまり共感はできなかった。
ドンヨリ曇った、決して面白くはない批評家向け作品
ホモあり、暴力あり、麻薬あり底辺の黒人を描きたかったらしいですが、浅くも深くもない何となく中途半端で陰気なエピソードがじめーっとダラダラ続きます。ドラマチックゼロなので、評価する人は淡々とした、と言うんでしょうが、普通の人はかったるいと感じるでしょう。典型的な、映画マニア以外には薦められない作品です。ここのところ黒人系映画にオスカー取らせるのが流行ってるみたいなのでその一環ですかね?私には生理的に受け付けない。
リトル→シャロン→ブラック
マイアミの犯罪多発地域に暮らす少年シャロンの少年時代を3部構成で描いた、第89回アカデミー賞作品賞受賞作品。
周りからはオカマといじめられ、母親はヤク漬け。
そんな彼に手を差し伸べた唯一の友達ケヴィン、そして麻薬の売人フアンと恋人テレサ。
シャロンの状況だけ見ると、辛い現実が続く苦しい映画のようですが、彼を救った3人のおかげで、辛いながらも良かったと安堵できる作品でした。
また、黒人のLGBTQの問題に話を絞っていたので、一つのテーマに沿ってしっかりと観ることができました。
ただ、もう少し他の部分も丁寧に描いて欲しいという気もしましたが。
前半しか出てこないにも関わらず、シャロン以上に印象に残っているフアン。
母親にヤクを売っている麻薬ディーラーであるものの、本当の父親のよう。
マハーシャラ・アリ流石だなと思いました(唇を舐めるクセが可愛い)。
母親もあくまでも母親で、やはり我が子のことが可愛い。
息子に金をせがむまでのクズっぷりですが、本当に息子のことを愛しているんだろうなと、なんだか憎めない。
ただ、これも薬のせいかもしれないと思うと、少し複雑でした(さらに、シャロン自身も売人になりましたし)。
特に何も起こらないのに吸い込まれるように観入ってしまった111分。
あの日、浜辺の月明かりの下でのあの記憶を思い出しながら、ダイナーで食べるケヴィンの料理。
抒情的な映像とともに振り返る3つのライフステージ。
苦しい現実の中にも希望を見出せる、温かい映画でした。
追記:ダイナーの雰囲気良さげでした。
料理も美味しそうだったし、店内で流れていた曲も素敵。
ムーンライトの意味、そしてラストシーンの意味
黒人社会特有の物語?
LGBT特有の話?
どちらにしてもアメリカのお話?
そんなことはありません
全くもって人種も国も問わない、普遍的な物語です
全員白人で配役しても成り立つのです
誰一人黒人が出てこなくても成り立つのです
日本に舞台を移して、全員日本人の俳優だけで日本映画として撮っても、やっぱり成り立つのです
ヤクの売人は日本映画ならヤクザの兄貴で簡単に翻案できます
特殊な世界
特殊な社会
特殊な人達
そんな映画だ、自分には関係ない
そう感じたとき、あなたのその視線には差別の眼差しが宿っているのかも知れません
それを監督は意図して徹底的に黒人だけで撮影しています
公立校なのだから、生徒にも先生にも白人がいるはずです
なのに誰一人いません
そして地名はアトランタと地元がマイアミらしいとぐらいしかなく、時代も現代というだけでいつというものも徹底的に省かれています
昔、昔、あるところに、というのと同じ様に
どこかの、どこかの時代の、どこでもないところ
そういう映画であろうと意図して徹底していると思います
月の光に照らされて美しく黒い肌は青く光ります
誰にも平等に公平に月の光は降り注ぐのです
月は自らは光らない
太陽の光を反射しているだけ
私達の視線は平等に公平に相手を照らしているのでしょうか?
自ら差別されるべきようなことを、視線の先の相手はなにもしていなくても、私達自身が発する視線に差別の光があれば、それが反射されて相手の姿が差別するべき人間に見えているのではないでしょうか?
それがムーンライトの意味なのだと思います
だだの黒人の子供じゃないか
それは美しく月の光に輝く肌がそのようにしか見えないという証拠です
あなたには青く美しく目に映っていますか?
それがラストシーンの意味なのだと思います
アカデミー賞を穫るのは当然のことです
劇中のCDジュークボックスでかかる「ハローストレンジャー」
心に染み入りました
歌っているのはバーバラ・ルイスという黒人歌手
相当コアな黒人音楽のマニアでないと名前も知らない存在だと思います
自分も本作で知りました
調べてみると1943年生まれで日本でいうと加賀まりこや梓みちよと同い年です
この曲は1963年のヒット曲で、ブラックチャートで1位を2週間維持、ポップチャートでも3位というのですから大ヒット曲です
なのでカバーも1966年、1973年、1975年、1977年、1985年、2004年と幾つも発売されていて有名歌手が歌ってヒットしたものもあります
バリー・ジェンキンス監督は1979年生まれなので、2004年バージョンでこの曲を知ってオリジナルを使ったのではないかと思います
これだけのヒット曲ですから過去ヒット曲のコンピCDも配信も幾つもありますから手軽にまた聴くことができます
何度も繰り返し聴きたくなる名曲です
米国の真剣さ。
アジアでは20年前にウォン・カーウヮイやレスリー・チャンらで撮れていたものを、やっと米国でも撮れた、ことを祝してのアカ賞。
切実で力ある静かで美しい一本。
ララランドでなくこれにアカ賞なことで米国の映画への真剣さを見た。
良し。
ブルーに見える
月の光を浴びるとブルーに見える
それからブルーと呼ばれた
という話はとても幻想的だなと感じた。
ドラッグ 育児放棄 同性愛者 差別
など様々な問題が出てくる映画。
主人公は恵まれた環境ではなかったかもしれないが
孤独であるように見えて、実は周りの人々
支えられて生きているんだと感じた。
いい映画だった気がする(3.12点)
何回もスルーして、ついに見た!
ポスター最強すぎない?このポスターのデザイナーってマジ全部ヒットしてないか?
と映画についてだが、総じてクオリティが高かった気がします。
映画としてかなりまとまってました。
なんかいいなあと思ったのは、「主人公の周りにいる人々の豊かさ」のおかげだったのではないでしょうか?
・悪すぎないガッツのある親分
・めっちゃいいお姉さん
・そして石焼き芋焼いてそうなケビン
この三人と薬中マザーと主人公
総じて良かったですね。
美味しそうなご飯、月や海、カラフルな服、そして風と黒人
なんか映像がきれいだったなと思います。
また同性愛もテーマになっているけど、そこまでドロッとしておらず、あっさり系だったので目を背けず見れたかなと。
てか成長してマッチョになりすぎーーーー。
個人的にはマッチョ時代の主人公が一番見ていて好きだったなと。
映画としては良かったが、個人的に何回も見たいかといえばもういいかなと言う感じなので
3.12点です!!!!ただ、評価は高いのがうなずける映画でしたね
優しさと弱さ
ビールストリート…でも感じたけど、この監督さんは弱者の黒人キャラの魅力を引き出すのが上手い。
単純に、役者が良い表情してるから魅力に感じるし
黒人だけが差別されてるわけじゃないし、黒人だって、他の人種をバカにしたり差別したりしてる。
みんな、一緒だし、みんな、違う。
そんなメッセージも伝わってきた。
アカデミー賞作品
アカデミー賞受賞作品となった本作。
それだけ期待度も上がって、みる前からハードルを勝手にあげたのだが、どうも世間の評価ほど自分の評価は上がらず。
内容としては、確かに今まで見たホモセクシャルを題材にした映画の中では新鮮な物語の進み具合ではあったけれど、今ひとつ自分の心にぐっとくるものが足りず。
面白いし、良い映画だけれどわざわざ勧めようとは思わなかった、、、
映像としては素晴らしい。期待のA24だが、
映像としては素晴らしい。これぞ第七芸術。
期待のA24だ。wavesが公開され見に行ったがあれは
傑作だった。しかしこの作品は好きではない。
つまりシナリオが好きではなかった。
美しい映像芸術があってこその映画である。
シナリオが何か物足りない。そして、個人的に性的な
表現をあまり受け付けない私には酷くダメージがあった。映像が美しいから尚更である。リアリティがあるのはいいかもしれないが、それは刺激的な映画に合うからで、この映画にその演出は合っていない。
美しい映像の太平洋戦争辺りの映画をみているようだった。今の人の感性には合う合わないが大きく分かれる映画だろう。
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