ムーンライトのレビュー・感想・評価
全369件中、81~100件目を表示
【2019年秋、今にして改めて考える、今作がアカデミー賞作品賞を受賞した理由。】
ー切ないが心に沁みる作品である。ー
・幼年期から青年期のシャロンを演じる3人の役者
1)幼少期:アレックス・ヒバート、”リトル”という綽名で苛められる内気な男の子
2)高校生:アシュトン・サンダース、苛めに加え母親ポーラ(ナオミ・ハリス)は麻薬に溺れている。
3)青年期:トレヴァンテ・ローズ、体格も大きくなり、筋骨隆々の精悍な姿
に魅入られる。男の子の成長過程を見事に役者で表現している。
・この幼少期のシャロンを支える麻薬のディーラー、フアン(マハーシャラ・アリ)と恋人のテレサ(ジャネール・モネイ)の存在。
・フアンがシャロンを海に誘い、泳ぎ方を教えている際に彼に告げる
”自分の道は自分で決めろよ・・。”という言葉。
テレサが掛ける”愛と自信を持つ事。”という言葉。
・彼らが何故に縁もゆかりもないシャロンを暖かく受け入れた理由は映画をきちんと見ていれば良く分かる。
・ここまでで、特にマハーシャラ・アリの魅力に魅入られる。(途中で、亡くなっていることが分かるが詳細は語られない・・・。)
・高校生時のシャロンとケヴィンとの関係も、美しい月明かりの中、仄かに描かれる。
月光が降り注ぐ中、紫色にも見える彼らの肌の色の美しさといったら・・。
・青年期のシャロン(トレヴァンテ・ローズ)は今までのか細い面影はなく、鍛えれらた体とグリルの金歯を装着し、フアンと同じ麻薬ディーラーになっている。
変貌の背景は詳しくは語られないが、類推は容易だ。
・一方、大人になったケヴィン(アンドレ・ホーランド)はしがない、ダイナーの料理人になっている。
・幼少期、思い合っていた二人が青年期に出合い、関係性の変化に戸惑いつつも、且つての関係を思い出す場面や、シャロンが施設に入っている母親と再会するシーンの切なさ。
<白すぎるオスカーに対する世論は確かにあっただろうが、あの月光降り注ぐ中のシャロンとケヴィンの紫色に輝く姿を観てしまった者には、”「ラ・ラ・ランド」と今作2作作品賞受賞でも良かったのではないかなあ” と思った作品。>
「プランB」製作。バリー・ジェンキンス監督作品。
バリー・ジェンキンス監督の主張は、この後に制作した作品「ビール・ストリートの恋人たち」でも一切ブレていない。
彼は、映画を武器にして、戦う漢であると思う。
<2017年5月13日 劇場にて鑑賞>
あまり長く感じない。
言葉や映像のセンスで最後まで観れてしまう。
純粋に初恋話として観たい作品。
ケヴィンに母性をみてるとしたらケヴィンの育ち方が気になる。あんな男の子はそういないと思う。
たしかに黒人の肌って青く光るなぁと。美しい。
早く観ればよかった
こんなに哀しくて優しいストーリーだったとは……
少年から青年へ、大人になったシャロンが母親と抱き合った後、ハイウェイを車で走るシーンで流れたあの曲で涙腺崩壊。
映画"ブエノスアイレス"からずいぶん時は経って、舞台はアルゼンチンでもなくアメリカだけど、あの映画に出合った時を思い出して何か自分も懐かしい友に再会したような気分になった。
シャロンとケヴィンは、きっと翌朝何もなかったかのように別れて別々の人生を歩むんだろうけれど、それが最良のハッピーエンドだと思いたい。
黒人社会はつらいよ。
1人の黒人の男の子の成長を3章に分けて描いた作品。
.
黒人社会って男は男らしさを必ず求められる社会で、黒人でゲイとなったらもうね。
最初はヒョロヒョロで可愛かった主人公も大人になるとムキムキゴリゴリ。もうゴリゴリ出てきた瞬間話変わったかと思ったし。
.
あの可愛かったリトルを返せ!ってなった(笑)でも俯くくせだったり、優しい眼差しは昔のまま。それも可愛く見えてくるんだな。
.
まぁゴリゴリの黒人とヒゲ濃いおじさん二人の恋愛模様に耐えれるか問題はあるけど、普通に普遍的な愛の話として見れた。
.
一緒にレストランで曲を聴くシーンなんてすごくオシャレじゃない?.
映像も魂も美しい
もっと見ていたい。
それが見終わった時の素直な感想だ。
あの映像、あの2人の行く先をもっと見ていたかった。
でもそれでいい。
この独特のまどろみのような余韻に暫くは浸っていたい。
ゲイ
黒人
ドラッグ
日本人には縁のない映画かと思いきや全くそんな事はなく、むしろ恋愛映画・青春映画として素晴らしい作品だった。
周囲に阻害され理解されずに生きてきた孤独な魂が一度別れ。
時を経て形を変えてもう一度出会う。
再開を祝うために料理を振る舞う手つき。
強面のギャングに見えて、憂と繊細さを残した優しい目。
そのどれもが印象的で切なく美しい。
純愛。
ピュアな愛が描かれている。境遇がとても暗いシャロンに、最後ハッピーな結末があって良かった。
☆よくわからなかった点☆
幼少期、シャロンはまだ自分が気付いていないにも関わらず、いじめっ子にはオカマと言われ、フアンもゲイだけどそのうちわかる、と言っていますが、なぜ周りはゲイだとわかったのかがイマイチわからなかったです。本人もわからないのに、周りが気付くってどんな感じなのか?
その辺についての描写が途中あったのだとしたら、気が付きませんでした。
あんまり、こういう理屈っぽい事に疑問を持っちゃいけない映画なのかもしません。
月夜に輝く物語
貧困、黒人、ゲイ。少年はもがく。
なんといっても、主人公の年少期、思春期、青年期を3人の役者が演じ、それがきちんと同一人物に見えているのがすごい。青年期なんて最初は別人やんけ!というムキムキ状態なのに、あるシーンからはシャロンにしか見えない。うぅ…頑張ったんだね…大変だったんだね…しかし、この3人は映画が完成するまで顔を合わせなかったそうで。監督の拘りとかが反映された結果なのかな。
それも含め、演技が光る作品。母役、おじ役。それぞれの社会における「いたたまれなさ」を強く感じた。
色々なテーマが折り重なった作品
初め観る時に、どんな作品なんだろう?と、少々不安気に鑑賞。
薬中の母親と暮らす 内向的な少年の成長物語…とは言え、その中身は 薬物問題や、セクシャル・マイノリティ、生き方など、様々なテーマを掲げていた様に思う。
私自身、10代の頃からゲイの友達がいて、一緒にご飯を食べに行ったり、飲みに行ったり、泊まりに行ったり、至極普通に遊んでた(笑)
今は昔よりも情報量も多く、セクシャル・マイノリティについても かなり理解を得ていると思う。
だから、稀有な目で観る人も少ないだろうし、内気なシャロンを「頑張れ!」と応援したくなる。
序盤しか出ていないものの、フアン役のマハーシャラ・アリが良かったのと、そのフアンの妻テレサ役のジャネール・モネイがすごく可愛くて、ずっと観ていたかった(笑)
マイノリティの着目
先ず作品全体のカットが非常に美しいと感じました
特にホアンからシャロンが泳ぎを教わるシーン
水面と二人の姿のバランスが絶妙でした
シャロンはジャンキーで娼婦で貧困という劣悪な環境で育ち
そして自分がゲイであることに少しずつ気づいていきます
そして最後には自分を助けてくれたホアンの仕事でもあり、母を苦しめた元凶でもあるドラッグのディーラーとなる
マイノリティから抜け出すことができなかった
彼は耐えることしか出来なかった
そう感じました
良さを言うのが難しい。海辺で突然はじまったシーン以外はそんなに衝撃...
良さを言うのが難しい。海辺で突然はじまったシーン以外はそんなに衝撃を受けたわけでもないし。ヤクはあっても銃器は出ない。英雄でもなきゃ凶悪犯でもない。
内気な少年シャロンの成長物語というか、半生を描いた作品。学校の友達のケヴィンと同性愛体験をする。というか性の手ほどきを受けたみたいな感じ。学校で自分を虐めた奴に暴力事件起こしてしまい、ムショ入り。ヤクの売人になってしまった。
大人ケヴィンから電話かかってきて再会して、シャロンが俺は経験したのお前だけだったんだぜみたいなこと言って終了。
ただ1時間50分57秒微塵も長く感じなかった。
月は、自らは光を放たない。何処からかの光を受けてほのかに明るく月は夜空に浮かぶ。
オスカーを獲得して、ズラリTSUTAYAに並んだレンタルDVDだったのだが・・・
30本はありそうなDVDもここまで不人気・売れ残りの新作もなかったろう。
いつ見ても借り出されているのは1本か2本という異常さ。
僕もそんな棚を見てしまえばついぞ手が伸びず、ようやくレンタルしたのが2年後の正月だったのだ。
やっぱり"黒人だけの映画"と聞けば日本人は苦手なんだろうな。
他の人種と混ざっておればね、コメディでもサスペンスでも、あるいは戦争ものでもラブストーリーでもぜんぜんOKなのだが、黒人のみの出演でドラッグ、暴力、LGBT、ネグレクトなどと筋書きを伝聞すると、うーん、イメージが暗くなっちゃってダメみたい。
パッケージもひどく陰鬱だもの。
でもこの感覚って、黒人は=ストーリーに味の変化を付けるためだけの"いろどり"、"添え物"にして"永遠の助演者"=と、僕が思い込んでしまっていたからだろう。
"全員黒人でやってみた!"
黒人でなくても別に支障がないそのストーリーに、敢えて偏った配役を試みたその冒険が、映画製作者による投票のアカデミー賞授与を得た理由なのかもしれない。
パウエルが統合参謀長官になり、
ライスが国務長官になり、
オバマが大統領になり、
映画の世界でも何かが動いていると想像出来る。
「ムーンライト」は、今この時期におけるエポックメーキングな出来事だったのだ。
で、今年の正月休み、
TSUTAYAの棚の「ムーンライト」の在庫はわずか5本にまで減っていたが、同じことを考えていた人たちがいるものだな、ほぼ全巻が借り出されている。
僕を含めて、意を決しての視聴ということだろう。
・・・・・・・・・・・・
物語は
月の光を浴びて弱く写し出されるリトルの、人生の満ち欠けの話だった。
いろいろあってのエンディング。成人したリトルがケビンを訪れ、大切な友達を見つめるその目、その表情がとても美しくてこうごうしくて、心をぎゅっと掴まれる。
ここで初めてリトルの顔から光が放たれるようになったのだ。
それまでの永い年月、売人のファンも、幼なじみのケビンも、夜の間の月のように静かにリトルに光を与え続けた。
それを受けて出口の見えない新月の夜を過ごしたリトルに、ようやくの明るい満月の晩がやって来てくれたようだ。
ただ光を受けるばかりであったリトルが、初めて他者に光を与える時がやってきたのだ
-母親に、そしてケビンに。
月の光だけで発芽をする種子というものはあるのだろうか?
しみじみとリトルはそれだったのだと、思った。
時代を映す
時代の変化を写した作品。
昔からの映画などの印象から、黒人の人はパワフルで力強く活力に溢れているというイメージがありました。しかし、時代は変化し、国家の教会が低くなってきたことに伴って、人種差別などをテーマにした題材も増えてきた。しかし、その時代も通り越し、今は人間皆共通する部分、愛や絆をあえて描く作品が増えている。
この作品もそう。黒人だからと言って皆が皆パワフルな人ばかりではなく、ときには悲しみのあまり海岸んで涙を流すこともあれば、途方もなくただ夜道をドライブすることもある。でもそこには愛がある。愛に頼ればおのずと道は明るくなるし月はとびきり輝いて見える。
時代を映すという意味でとても革命的な作品であることは間違いない。見る人によって感じるものの幅はかなり大きく異なるでしょう。
実際のところ、私にははまらなかった、明らかに普通の映画の作りとは違う。一般的なThree Actの構成はとっておらず、この作品を詩的だと捉える人も多い様でした。
私にはどうしても、主人公のキャラクターが見えてきませんでした。子供の頃は恐れながらも愛のある方向に歩んでいき、時々見える純粋な心がとても愛おしく思え、ジュールズやテレサの気持ちを感じることができました。しかし、その後主人公が成長していくに連れて、何を求めて歩んでいくのかと探りながら観ていたのですが、キャラクターアークの幅がそこまで大きくなく、映画として物足りなく感じてしまいました。強い感情というのが喧嘩をした時の一瞬だった気がして、自分の波長に合わなかったイメージでした。
それほどか?
各方面から絶賛された話題作なわけだけど、
正直な感想は「そこまで良いか?」っていう程度。
確かに映像としては綺麗。んでもストーリーがちょっとというか…。
まあね、マイノリティの心情をリアルに描くっていう部分で価値があったんでしょう。
ここ近年のLGBTに関する風潮を、象徴するような作品だとは思う。
レビュー
黒人コミュニティでの差別やドラッグ、貧困などを題材にした映画は珍しくない。が、この映画は周りの音やセリフを最小限に抑えて、主人公の感情を浮き彫りにさせてて味わい深い✨
肉体的な強さにすがるも、心の不安定さは変わらずなとこもすごい良い見せ方だなぁと🦊
全369件中、81~100件目を表示