ムーンライトのレビュー・感想・評価
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シャロン少年の成長物語
強さとマッチョが正とされる、貧困地域の黒人男性社会。そこに生まれたひ弱で真面目な少年シャロンが、大人になるまでを美しく描く。そんな社会でもファンやテレサ、ケビンといった愛を知るが、ふとした事件がきっかけで少年はより過酷な環境へ追いやられ、生きていくため外見を変える。黒人社会に限らず、社会の同調性は時に残酷で、特に子どもの社会ではより直球だと思う。マイノリティの生きづらさを美しく描き、最後は多少の希望も残してくれた気がする。個人的にはもう少しシャロンの青年期〜大人になるまでの描写が欲しかったが、視聴者に委ねられたのかな。
リトルでありシャロンでありブラック
シャロンの孤独が沁みる、、
母は薬物依存でその売人に助けてもらうのも複雑で切なかった
そのフアンが亡くなって孤独が加速したように思えた
ケヴィンは優しくてノリも良くて仲間が多い
友情だったし、遊びの延長だったのかもしれないけど
気弱で控えめで優しいシャロンにとっては
これ以上ない存在になってしまう
ラスト全てが変わってしまった
リトルでありシャロンでありブラックの全てを
包んであげたケヴィンの優しさと償いに救われた
3人が演じたシャロンの心には
いつもリトルがいたという事が分かる
月明かりに照らされたカットがよかった
このポスターもとてもいい、、
フアンもママもケヴィンも罪すぎるものの
シャロンを救ってくれたのはその人たちでもある
皮肉で切ないシャロンの数奇なお話
「しあわせの隠れ場所」と比較してしまった
アカデミー賞作品賞を受賞したと言うだけで、内容を全く知らずに見た作品で、ポスターからクンタキンテを連想して、奴隷の物語かなと思ったが全く違っていた。
サクセスストーリーの「しあわせの隠れ場所」と子供の頃の環境が似ているのに、その後の人生は大きく異なってしまった。
子供の頃いじめに会い、シングルマザーの母親は麻薬中毒で売春もしている、大人になった主人公も結局麻薬の売人になってしまったといった救いのない内容であった。そんな社会の底辺に生きる人たちの中にも彼を大切に思ってくれる人たちがいたということか。
最初に子供の頃のリトルを大事にしてくれた麻薬の売人が、実は麻薬中毒の母親が彼から麻薬を買っていたという事実を知った時のリトルの気持ちを思うと、切なすぎてたまらなくなった。
タブーを扱った意欲作なのか
ドラッグ、人種差別、LGBT、、、これらを正面から描いていたので、嫌悪感がある人もいるだろう。
差別をされるグループの中にも、その下に差別なりいじめがあるという。人って弱いな。自分たちには見えてこない、現実に起きている問題なんだろうけど、身近ではないのであまり共感はできなかった。
ドンヨリ曇った、決して面白くはない批評家向け作品
ホモあり、暴力あり、麻薬あり底辺の黒人を描きたかったらしいですが、浅くも深くもない何となく中途半端で陰気なエピソードがじめーっとダラダラ続きます。ドラマチックゼロなので、評価する人は淡々とした、と言うんでしょうが、普通の人はかったるいと感じるでしょう。典型的な、映画マニア以外には薦められない作品です。ここのところ黒人系映画にオスカー取らせるのが流行ってるみたいなのでその一環ですかね?私には生理的に受け付けない。
リトル→シャロン→ブラック
マイアミの犯罪多発地域に暮らす少年シャロンの少年時代を3部構成で描いた、第89回アカデミー賞作品賞受賞作品。
周りからはオカマといじめられ、母親はヤク漬け。
そんな彼に手を差し伸べた唯一の友達ケヴィン、そして麻薬の売人フアンと恋人テレサ。
シャロンの状況だけ見ると、辛い現実が続く苦しい映画のようですが、彼を救った3人のおかげで、辛いながらも良かったと安堵できる作品でした。
また、黒人のLGBTQの問題に話を絞っていたので、一つのテーマに沿ってしっかりと観ることができました。
ただ、もう少し他の部分も丁寧に描いて欲しいという気もしましたが。
前半しか出てこないにも関わらず、シャロン以上に印象に残っているフアン。
母親にヤクを売っている麻薬ディーラーであるものの、本当の父親のよう。
マハーシャラ・アリ流石だなと思いました(唇を舐めるクセが可愛い)。
母親もあくまでも母親で、やはり我が子のことが可愛い。
息子に金をせがむまでのクズっぷりですが、本当に息子のことを愛しているんだろうなと、なんだか憎めない。
ただ、これも薬のせいかもしれないと思うと、少し複雑でした(さらに、シャロン自身も売人になりましたし)。
特に何も起こらないのに吸い込まれるように観入ってしまった111分。
あの日、浜辺の月明かりの下でのあの記憶を思い出しながら、ダイナーで食べるケヴィンの料理。
抒情的な映像とともに振り返る3つのライフステージ。
苦しい現実の中にも希望を見出せる、温かい映画でした。
追記:ダイナーの雰囲気良さげでした。
料理も美味しそうだったし、店内で流れていた曲も素敵。
ムーンライトの意味、そしてラストシーンの意味
黒人社会特有の物語?
LGBT特有の話?
どちらにしてもアメリカのお話?
そんなことはありません
全くもって人種も国も問わない、普遍的な物語です
全員白人で配役しても成り立つのです
誰一人黒人が出てこなくても成り立つのです
日本に舞台を移して、全員日本人の俳優だけで日本映画として撮っても、やっぱり成り立つのです
ヤクの売人は日本映画ならヤクザの兄貴で簡単に翻案できます
特殊な世界
特殊な社会
特殊な人達
そんな映画だ、自分には関係ない
そう感じたとき、あなたのその視線には差別の眼差しが宿っているのかも知れません
それを監督は意図して徹底的に黒人だけで撮影しています
公立校なのだから、生徒にも先生にも白人がいるはずです
なのに誰一人いません
そして地名はアトランタと地元がマイアミらしいとぐらいしかなく、時代も現代というだけでいつというものも徹底的に省かれています
昔、昔、あるところに、というのと同じ様に
どこかの、どこかの時代の、どこでもないところ
そういう映画であろうと意図して徹底していると思います
月の光に照らされて美しく黒い肌は青く光ります
誰にも平等に公平に月の光は降り注ぐのです
月は自らは光らない
太陽の光を反射しているだけ
私達の視線は平等に公平に相手を照らしているのでしょうか?
自ら差別されるべきようなことを、視線の先の相手はなにもしていなくても、私達自身が発する視線に差別の光があれば、それが反射されて相手の姿が差別するべき人間に見えているのではないでしょうか?
それがムーンライトの意味なのだと思います
だだの黒人の子供じゃないか
それは美しく月の光に輝く肌がそのようにしか見えないという証拠です
あなたには青く美しく目に映っていますか?
それがラストシーンの意味なのだと思います
アカデミー賞を穫るのは当然のことです
劇中のCDジュークボックスでかかる「ハローストレンジャー」
心に染み入りました
歌っているのはバーバラ・ルイスという黒人歌手
相当コアな黒人音楽のマニアでないと名前も知らない存在だと思います
自分も本作で知りました
調べてみると1943年生まれで日本でいうと加賀まりこや梓みちよと同い年です
この曲は1963年のヒット曲で、ブラックチャートで1位を2週間維持、ポップチャートでも3位というのですから大ヒット曲です
なのでカバーも1966年、1973年、1975年、1977年、1985年、2004年と幾つも発売されていて有名歌手が歌ってヒットしたものもあります
バリー・ジェンキンス監督は1979年生まれなので、2004年バージョンでこの曲を知ってオリジナルを使ったのではないかと思います
これだけのヒット曲ですから過去ヒット曲のコンピCDも配信も幾つもありますから手軽にまた聴くことができます
何度も繰り返し聴きたくなる名曲です
米国の真剣さ。
アジアでは20年前にウォン・カーウヮイやレスリー・チャンらで撮れていたものを、やっと米国でも撮れた、ことを祝してのアカ賞。
切実で力ある静かで美しい一本。
ララランドでなくこれにアカ賞なことで米国の映画への真剣さを見た。
良し。
ブルーに見える
月の光を浴びるとブルーに見える
それからブルーと呼ばれた
という話はとても幻想的だなと感じた。
ドラッグ 育児放棄 同性愛者 差別
など様々な問題が出てくる映画。
主人公は恵まれた環境ではなかったかもしれないが
孤独であるように見えて、実は周りの人々
支えられて生きているんだと感じた。
予想外
シャロンとケヴィンは砂浜で、まさかの関係になりましたね。あっと声が出ました・・
ブロークバック・マウンテンなどのゲイをテーマとした映画を観て、
人を愛する気持ちに性別は関係ない事は理解出来ました。
ただ、個人的には共感度ゼロですね。
見たことあるようなヒューマン映画でした。
主人公の少年が大人になるまでの人生を描いた映画です。
自分がゲイであることを周りに隠し、周りの人たちと違うことに悩みを抱えながら成長します。
好意を抱いた相手に自分の本音を打ち明けるべきか悩む場面が多くて印象的でした。
割とヒューマン映画でテーマになりがちな、ドラッグ、黒人社会、同性愛などに触れていて、フツーの映画だったかなと思います。
いい映画だった気がする(3.12点)
何回もスルーして、ついに見た!
ポスター最強すぎない?このポスターのデザイナーってマジ全部ヒットしてないか?
と映画についてだが、総じてクオリティが高かった気がします。
映画としてかなりまとまってました。
なんかいいなあと思ったのは、「主人公の周りにいる人々の豊かさ」のおかげだったのではないでしょうか?
・悪すぎないガッツのある親分
・めっちゃいいお姉さん
・そして石焼き芋焼いてそうなケビン
この三人と薬中マザーと主人公
総じて良かったですね。
美味しそうなご飯、月や海、カラフルな服、そして風と黒人
なんか映像がきれいだったなと思います。
また同性愛もテーマになっているけど、そこまでドロッとしておらず、あっさり系だったので目を背けず見れたかなと。
てか成長してマッチョになりすぎーーーー。
個人的にはマッチョ時代の主人公が一番見ていて好きだったなと。
映画としては良かったが、個人的に何回も見たいかといえばもういいかなと言う感じなので
3.12点です!!!!ただ、評価は高いのがうなずける映画でしたね
タイトルなし
スラム街に住み、ドラッグ中毒の母親に育児放棄され、学校でもイジメに合い、ゲイでもあるマイノリティの中のマイノリティである少年の青年期、成長期を描いており、共感はできないが、LGBTを声高に叫ぶわけではなく、淡々と描いており、ストーリーとしては盛り上がりはない。いじめられっ子の少年が頼れるのは麻薬ディーラー夫妻と唯一話しかけれてくれる親友。その親友も仲間からのイジメが怖いため、親友からもイジメを受けることになるが、イジメっ子の張本人を椅子で殴った事で少年院に。そこから体格も筋骨隆々と鍛え上げ、結局麻薬ディーラーになってしまう。しかし、親友への愛は変わっておらず、ラスト親友に頭を撫でてもらい、微笑むシーンは余韻が残る。
優しさと弱さ
ビールストリート…でも感じたけど、この監督さんは弱者の黒人キャラの魅力を引き出すのが上手い。
単純に、役者が良い表情してるから魅力に感じるし
黒人だけが差別されてるわけじゃないし、黒人だって、他の人種をバカにしたり差別したりしてる。
みんな、一緒だし、みんな、違う。
そんなメッセージも伝わってきた。
自分には合わない
リバイバル上映で鑑賞
映像と音楽が素晴らしいのは、わかるんだけど、自分には全くあわなかった。唯一グッときたのはいじめっ子のレゲエ野郎をイスで叩きのめしたシーン。
ヤク中の母親を持つ少年が、売人と仲良くなり、結局は売人になってしまうってストーリーに感情移入するのは難しいね。
アカデミー賞作品
アカデミー賞受賞作品となった本作。
それだけ期待度も上がって、みる前からハードルを勝手にあげたのだが、どうも世間の評価ほど自分の評価は上がらず。
内容としては、確かに今まで見たホモセクシャルを題材にした映画の中では新鮮な物語の進み具合ではあったけれど、今ひとつ自分の心にぐっとくるものが足りず。
面白いし、良い映画だけれどわざわざ勧めようとは思わなかった、、、
映像としては素晴らしい。期待のA24だが、
映像としては素晴らしい。これぞ第七芸術。
期待のA24だ。wavesが公開され見に行ったがあれは
傑作だった。しかしこの作品は好きではない。
つまりシナリオが好きではなかった。
美しい映像芸術があってこその映画である。
シナリオが何か物足りない。そして、個人的に性的な
表現をあまり受け付けない私には酷くダメージがあった。映像が美しいから尚更である。リアリティがあるのはいいかもしれないが、それは刺激的な映画に合うからで、この映画にその演出は合っていない。
美しい映像の太平洋戦争辺りの映画をみているようだった。今の人の感性には合う合わないが大きく分かれる映画だろう。
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