ムーンライトのレビュー・感想・評価
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たった一人でも誰かがいれば〜
どなたかが書いていたようにこれはとても切ないラヴストーリー。
でもその前に、少年を助けてくれたフアン(薬の売人)は
悪人なのか?救世主なのか?
数い難い状況の少年にとって例え薬の売人であろうと、
話を聞いてくれて気にかけてくれる人がいると言うのは
どんなに心強い事だろう。
フアン自体がおそらく過酷な少年時代を過ごして来ているのだろうから
少年の心の中がきっと痛い程分かってるんだろう〜
だから無理にシャロンに踏み込もうとせず
淡々と見守っている感じが、
少年にはとても頼もしかったんでしょうね。
この映画に限った事でなく、日本の一般社会にも全く当てはまる話。
たった一人でも本音を話せる人がいれば人はなんとか生きていける。
誰にも心を開けず、自殺してしまうのと、
例え悪人でも心を開いて生きて行くのとどっちがいい事なんだろう?
難しい事だと思う。
大人になったシャロンが、少年期、ティーンエイジャー期を
演じた二人とはパッと見、ぜんぜん印象が違って、
これミスキャスト!?とまで一瞬思ったけど、
懐かしい友と話すうちに、どんどんナイーヴな
昔のシャロンの面影に戻って行く!
大人のシャロン役トレバンテ・ローズは凄いな〜〜
派手な作品では無いので
正直アカデミー作品賞的なお祭り感は足りないから、
お祭りとしてのアカデミー賞はやっぱり
「ラ・ラ・ランド」で良かったんじゃないかと思ったりします。
が、アカデミーに絡まなければ
埋もれてしまったかもしれない作品なのでそこは、ちょっと複雑。
全く本筋には関係ないんだけど
ダメダメな実のお母さんがテレビの後ろの壁に飾っていた
鯉の滝登りの様な絵柄の掛け軸だったり、
フアンの家に飾られていた北斎の波と富士山の版画の写しだったり
この監督さん、結構日本びいきなのかな?なんてい思ったりした。
何がいいのか分からない
これは恋愛映画
救いに関する一考察
見て納得
芥川賞作品?
ヒューマンドラマ
私には難しすぎた。
だけどとにかく優しい雰囲気が漂っていて、美しい目をした登場人物ばっかりだった。
本当のお母さんがヤク中で育児放棄をしていて、最後は施設にはいっており、そこでシャロンに謝り続けていたのには。
はっきり言って私はグッと来ない。私からするとフザケルナと。
シャロンは許す必要はない。だから会いに行く必要もない。
(こんな私は冷たいのかな…)
1番気になったのは幼少期の頃よくしてくれた男の人が何故亡くなったのか。
ストーリー的に何故亡くす設定にしなければならなかったのか。
ヒューマンドラマで人が死ぬのは本当にキツイ。
見た目は変わっても瞳は同じ
「月の光の下だと黒人の男の子は青く光って見える」
この映画の映像加工の技術を物語っているようなセリフだ。黒人の肌、海、木漏れ日が際立っている。この技術、カッコいいからみんなポスターとかで真似するんだろうな。
さて。
登場人物が少々典型化されているのが気になるが、作り手の訴えとメッセージがダイレクトに伝わり、アカデミー受賞の意味は大きいと思う。
「自分が何か、自分は何になるのかは自分で決めるんだ。絶対に他の誰かに決めさせるな」
自分で決めたいのに、生まれた環境によって決められてしまう社会システムにNO!
「泣きすぎて、自分が水滴になりそうだ」
砕けた心をかき集めるようにしながら、必死で生きる人々を無視しないで、彼らの真実を伝えたい!
「オカマはゲイの人を不愉快にさせる言葉」
差別はダメ!いじめはダメ!
「あの夜のことを今でもずっと覚えてる」
ブラックの乙女心にキュンとする。初恋の彼に寄り添う姿は、LGBTもみな同じ!
フアンの恋人の手料理と、コックの彼が作る料理を食べるときの、主人公の無防備で充足感にあふれた表情がいい。
誰かが作ってくれるごはんと、子どもの頃に親から水泳を教わるって、本当に大切なこと!
決して遠いお話ではないところがミソ。
ヒューマンドラマ、味付けビター
ダブルミーニングだと勘ぐるのはやめてね(苦笑)
この映画も町山推薦枠だが、やはり有名になったのはアカデミー賞授与式でのドタバタ劇。まぁあれだけ世間に騒がれたら関心は持たれるだろうなぁと、これもステルスなんちゃら?ってゲスの勘ぐり?w
と、穿った見方を抱きながらの鑑賞だが、ストーリーの組み立て方、構成は流石ハリウッドと頷ける見本みたいな流れである。時間も過不足無く、もたつきも感じられず、丁度良い所に落とし込む技術は映画国の白眉と言ったところか。
では、ストーリー内容なのだが、こればかりは好き嫌いがはっきりしてしまうのではないだろうか。ゲイ作品となると、どうしても抵抗感が拭えないのは、未鑑賞だが、『ブロークバックマウンテン』等、その描写の生々しさにフィルターをかけてしまいがちになる。だが、そこまでの絡みのシーンがレベルダウンしているので(代わりのヘルプ行為は中々センセーショナルだが・・・)、逆にそこに行くのかもと内心ドキドキ感を持ったままのラストカットへの流れは、正直安堵したというのが正直な気持ちだ。ホラー映画のそれとは違って、良い展開で不安が消されるという経験は、この手の内容ならではだろう。それ位、このストーリーの3分割中の“シャロン”と“ブラック”の別人じゃないかと驚いた位の主人公の、日本人がおよそ想像する怖いアフリカ系アメリカ人の容貌が男の肩に甘えるシーンはジョークを通り越して、驚愕すら感じる。あんなスタイルでも、頑張って自分を変化させても、やはりアンデンティティは変えることが出来ないというメッセージが静かに訴える作品だ。
映像だが、相当『ライトアップ』について、VFXを使って作り込んでいるとのこと。確かに、光りの多用さは確認できる。例えば、車の中を撮している時の、外の太陽光の鮮やかさと車内の暗さのコントラスト等に美しさを感じ取ることが出来た。月明かりでの彼らの黒い肌がまるでカナブンのような青い玉虫色に光る様は、人間美としての完成型を感じた程だ。
『黒』ではなく『青』、そこに自我を肯定する想いをしたためた監督の自伝的映画なのだということをしみじみと感じた作品である。
生きることの厳しさと、詩的な愛の眼差し。
題材はとてもエッジィで挑戦的な内容だけれども、今この時に観る意味のある映画だと感じた。社会的なマイノリティである黒人の少年が、いかにして自分自身を見つめ、そして彼らはこの世の中をどうやって生きていかなければならないのか。そうして生きていくしかないのか。そんなことを問いかけながら、しかし同時に根底に流れる熱い愛のまなざしが映画を優しく包み込む。厳しさと共に深い愛を描いたとても崇高な作品で、社会的なドラマでありつつも、とても情感的なラブストーリーであり、映画全体が一編の詩のようだった(正確には3篇からなる連作詩か)。
特に、主人公シャイロンと親友ケヴィンが交わすセリフのやりとりは、まるでセリフがそのまま詩のように美しく情緒豊かでうっとりとする。少年時代の友情の育み、思春期の性の育み、そしてすれ違いと、青年期になって解け合う二つの心の灯が、その都度とても詩的に語られ、観る者の心に波を立てる。シャイロンの中に蠢く今にも溢れてこぼれそうな情感を、しかし決してそれを溢して溺れてしまわないように丁寧に綴り、と同時に、シャイロンの心から静かにあふれ出た情感の雫は絶対に見逃さない。そんな繊細さがこの映画には常に存在していて、わずかの刺激で今にも崩れてしまいそうなシャイロンの心をここまでありありと掬い取ることによくぞ成功したものだと、本当に唸った。
そしてこの物語はやはり、黒人の少年が主人公であったということにも大きな意義があり、シャイロンという一人の少年が送る「青春」の奥底に蔓延る、黒人として生きることの厳しさと、彼の性的な嗜好が現代社会と黒人社会において何を意味し、少年の生き方をどこへ向かわせてしまうのか、と言ったことをしっかりと考察し、我々に直視させる。
この映画が描いていることって、特にアメリカにおいては当たり前にある物語で、人々のすぐ隣で起こっていることのはず。だけどなぜか今まであまり映画では描かれてこなかった。しかし語られる意義のある物語であるし、語り継ぐ意味のある映画であると思うし、だからこそのオスカーなのだと思う。
いつか、この映画のような物語が、自然と語られなくなる日が来ればいいと思う。人種も宗派もセクシャリティも・・・誰しも同じでないということがもっともっと当たり前に理解されて、それによる偏見や迫害がなくなり、この映画の内容が「大昔の出来事」としていっそ忘れられてしまうくらいの社会になれば、本当は一番いいのかもしれないのにと思う。
ああ、ほっこり。
何を感じるか
シャロン3部作。
言葉少ないシャロンの内面を前面に出し、美しい映像、響く音楽、役者の演技力により詩的な雰囲気の映画になっています。
同性同士の恋愛を主軸に置いてはいますが、薬中毒の母親、父親替わりのフアン、その奥さん、また唯一心を許せたケビンなど…シャロンの心の揺れを通し、観客である自分の感情のどこかに触れるものがあるのではないでしょうか。
ある人にとっては容易いことかも知れないが、その実現が難しい立場の人もいる…
前半にしか登場しないアリの存在は、映画の主旋律ともなるシンプルなメッセージを観る者に送ってきます。
物語は静かに進み、月の光の下に佇む子供時代の自分…
振り向いたその子の目は真っ直ぐにこちらを向いていた。
この映画に2017年のアカデミー賞を与え、観る人の間口を広げたことはよかったと思います。
続く不幸の中での救い
少年の頃から青年まで続く周りの虐めと母の育児放棄,ドラッグ乱用。本当に不幸続き。
唯一仲良くしてくれるケヴィンと父と母のように接してくれたフアンとテレサ。この3人がいなければ話はそこで終わりになってしまいそう。
大人になって子供の頃の自分を知る人のいない街で心機一転。自分はストレートだと周りに思わせる振る舞い。あの頃の自分を知るものはもう居ない。知っているのは自分だけ。だけど地元には知ってる人がいて完全に過去と決別は出来ない。帰郷し、押し殺していた思いが再燃する。
起きていることは酷いことばかりなのに派手さを感じないため淡々と進んでいくなと感じました。面白みという点ではそれほど高く無い。テーマの重さも影響しているかも。
最後に少年の頃のワンシーンで印象に残ってるところがあります。授業中にシャロンが必死にダンスしてるシーンです。
ムーンライトか…。
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