「光明」ムーンライト たろっぺさんの映画レビュー(感想・評価)
光明
冒頭では過剰なカメラワークが目立ったが、それを補って余りある美しいカットの数々。
Boris GardinerのEvery Nigger is a Starに始まる秀逸な楽曲。
役者の演技に至るまで、非の打ち所がない。
体を鍛え、金歯を装着し、高級車に乗る事で弱い己を守るが、それは望んだ行為でも選んだ道でもない。
だからこそ愛する者の手料理を前に金歯を外すシーンがとても美しい。
還る海を得た彼の人生は、月明かりに照らされ青く光る。
だが、時代毎のワンシーンを繋ぐだけでは、真に彼の心に寄り添う事は困難であり、カタルシスも生まれない。
また、オスカーからアメリカへのメッセージである事は否めず、我が国に於いて彼の国と同じ様に響く事は無いだろう。
コメントする