散歩する侵略者のレビュー・感想・評価
全256件中、161~180件目を表示
エンタメはきっちり作ってほしい。
黒沢清の映画を観るのは久しぶりになる。
概念を奪うという手で人類に侵食していく宇宙人。
とはいうものの、宇宙人の実態は提示されない。まあ、そんな種類の映画ではないので、それはいいのだが、先乗りしている宇宙人が3体というのは悪い冗談にしか思えず、なかなか乗り切れなかった。
厚生労働省という名の国家が出てきて、宇宙人の殲滅を図ろうとするが、彼らはどこからその情報を得たのか。
映画の大きなウソを補完するためには、小さなリアリティの積み重ねが必要で、それはやっぱりきっちりやってほしかった。
黒沢清の映画はいつも舌足らずの印象がある。
好き嫌い・評価がはっきりと分かれる作品だと思う。自分は嫌いじゃない。これはラブストーリーである。
movixあまがさきで映画「散歩する侵略者」を見た。
「散歩する侵略者」は全国週末興行成績の2017年9月9日~2017年9月10日の結果は初登場で「スパイダーマン ホームカミング」の9位に続く10位だった。
「君の膵臓をたべたい(2017)」が公開7週目でまだ7位につけていることを見ると「君の膵臓をたべたい(2017)」の人気と粘り強さをまじまじと感じる。
敬老の日で休日で、朝一番の上映ではあるが、「散歩する侵略者」の劇場には我々夫婦を含めても観客は10人にも満たない。
「散歩する侵略者」の出演は長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己など。
主演は長澤まさみらしい。
長澤まさみは今年30歳。
TVCMなどではよく見るが(長澤まさみ、高橋一生 出演のdTV「ふたりをつなぐ物語」篇のTVCMは好き)、
今回はじめて長澤まさみを本編でじっくりと見た。
地球を侵略するために地球にやってきた宇宙人が3人の地球人に乗り移る。
松田龍平に乗り移った宇宙人は物静かな宇宙人。
女子高生に乗り移った宇宙人は凶暴で簡単に人を傷つけたり、殺したりできる。
SF(サイエンスフィクション)ものではあるが、宇宙船やハイテクモノなどはいっさい登場しない。
原作はもともとは舞台劇だったのでこのような構成や表現になったよう。
この作品を見た人はその好き嫌い、評価がはっきりと分かれると思う。
印象的なのは冒頭から終盤近くまで、長澤まさみが夫役の松田龍平を終始罵っていること。
しかし、これは間違いなくラブストーリーであると思う。
自分は「散歩する侵略者」、嫌いじゃない。
上映時間は129分。
長さは感じない。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
面白かったが、今一つ心に響かない
タイトルが気になって観ました。別人のようになって帰って来た夫が、人間を知るために人間から概念を奪い取る侵略者になっていてというストーリーです。やや中弛みしますが、捻ったSFとして面白かったです。「愛を知れば戦争もなくなり、愛がなければ人間は生きていけない」ということのようですが、表現が控え目過ぎて伝わらず、心に響かないのが残念でした。
松田龍平がはまり役。演技が秀逸。 ストーリーは、細かい所におやおや...
松田龍平がはまり役。演技が秀逸。
ストーリーは、細かい所におやおや?ということころはあるが面白い。アメリカ映画では発想できない侵略モノ。
古さの中に新しさ、様々なジャンルが折り重なった良い意味で邦画らしいSF映画でした
ベースは昔からよくあるタイプの古典的な侵略物SFでしたが、侵略者(宇宙人)が地球を侵略する為のプロセスとしてまず人間の概念を奪い人間を知ろうとする様子が、何気に新鮮味溢れる設定で、とても面白みを感じた映画でした。
派手なドンパチ合戦の侵略系SFアクション大作も結構好きなんですけど、こう言う邦画らしい地味なアプローチの侵略SF物も悪くないものですね、しかも後から結構ジワジワ来るんですよ・・・途中これはブラックコメディか?なんて思いながら見ていたりもしたのですが、話の持って行き方、着地させ方が本当に上手くて、ジンワリ感動させられてしまいました。
まあ衝撃のとか、予想外の結末って訳では無く、ある程度予想通りの結末ではあるんですけど、役者の演技込みで思いのほかグッと来たんですよね、地味ながらいい映画だったと思いましたよ。
それにしても、人間の概念を奪うと言うその設定が、ホント面白かったなぁ。
特に概念を奪われた人間の様子が深く印象に残りました。
我々人間の概念はとても大切なものであると同時に、とても邪魔なものでもあるんだなと、しみじみ考えさせられましたね・・・。
崩壊でもあり解放でもあるような、何とも皮肉めいた様子が、とても印象に残った各人の一コマでした。
満島真之介、光石研、大島(あるいは児島)一哉、前田敦子、等々、奪われる側の演技も皆上手かったですね。
元々宇宙人っぽい松田龍平演じる真治の、ゆるーく侵略しようとする様子も、画的にシュールでちょっと面白かったです。
ゆる過ぎてやや間延びした感は無きにしも非ずでしたが、何も知らないって、それはそれで幸せなことなのかもと思わされたりで、まあ何かと笑わされたり考えさせられたり、これはこれで面白かったですよ。
真治が侵略されたことによって起こる夫婦仲の変化とか、ホント見入っちゃいましたねぇ、また奥さん役の長澤まさみのツンデレ感がたまらなく良かった、今回はいい感じに主婦感が出ていていましたよね、そして母性愛、長澤まさみ史上1、2を争う演技力を披露したと言っても過言では無かったと思いました。
一方、やや粗暴な侵略者、恒松祐里&高杉真宙側のパートは、松田龍平側のゆるさとは打って変わっての展開でしたが、その真逆さ、激しさが物語を加速させる感じで、こちらも何だかんだで結構見入ってしまいましたね。
長谷川博己演じるジャーナリストとの奇妙な交流、一風変わった友情物語的な部分も、あちらのツンデレ夫婦とはまた違った趣があって面白かったです。
そして人間の最大の武器でもあるあの概念がもたらしたミラクルな結末も、個人的には好きな結末でした、黒沢清監督作品がどちらかと言えば苦手な方でも、これは結構いけるのでは?(私もその口でした)
あんな風になるのか?
映画作品として、
ストーリーは非常に面白いです。
ただ、
概念を奪われたらどうなるのか。
その表現が
なんか全部違う気がしました。
最も違うと感じたのは、
「仕事」という概念を奪われたところ。
仕事に抑圧されていた人が、
仕事から解放されたらあんな風に
なるのかもしれませんが、
概念として無くなるわけだから、
今、自分が行っている事が
仕事かどうかという感覚が無いわけだから
少なくともあんな風にはならないと思います。
「家族」という概念をうばわれた妹も、
家族じゃなくても一緒に居たっておかしくないので
あんな風に急に冷たくなるのは
チョット違うと思います。
こんな感じで、
「全部」違う気がしました。
面白い作品なのに
そこがもったいない気がしました。
こういう全く宇宙人👽の出ないSF、好きだなぁ❤️
宇宙人👽は出ているのか笑。
ただ、ハリウッドばりのドンパチする侵略ではなく、『団地』の様なSF映画だよね⁉️みたいな感じって言ったら共感してもらえるかなぁ~
B級感あるよね🎵
🌑は地球を救うって24時間テレビか‼️
一抹の不安的中?
なんとなく嫌な予感はしていた…。
ただ、タイトルにあるとおり知らず知らず侵略されていく内容なのかなぁ…と期待はしていたが!見事に外されたって感じ?
残念だった…。
色んな矛盾みたいなものを内包しており、本格的なSF映画としては観られなかったし、最後も納得性が低く、一抹の不安が的中したような作品でした…。
とにかく、つまらなかった。
確かに面白いシーンもあったり、キャストもいい役者さんがやっていたりと、魅力的な部分はあったが、とてもじゃないけど、1800円を払うほどの内容ではなかった。
3人の宇宙人の中で、2人が若手の子だったが、コンビニ弁当食べたり、廃材集めたり、だらだらしたシーンが多くて、喋りかたもいまいち。
なんだろ、おでこつついて宇宙人に概念を侵略されるとか、人類がっていうわりには、パニックシーンは一つの病院内だけだったり。お金なかったのかなぁという印象。長谷川さんや長澤さんなどがなんとか演じていたから、最後まで頑張ってみることができた。
よかった
概念を奪うまではいいのだが、奪われると概念が消えるというのが腑に落ちず乗れなかった。経験や理解で獲得するのが概念なので、また理解できそうなものだし、コピーならまだ分るのだが奪われることに納得ができない。きちんとしたSFとして表現しようとしている以上、気になった。
3人の宇宙人に人間性のないところに宇宙人らしさがあった。漫画の『寄生獣』で、寄生された女が自分で産んだ子どもを全然愛してなくて、子どもの片腕だけで雑に持ち上げていた絵で見事に、人間じゃない感じを1コマで表現していて、それを思い出した。そんな感じの見事な表現が見たかった。
長澤まさみがかわいらしかった。
SF映画とはいえ、不思議な映画 キャストの出来は素晴らしく、長澤ま...
SF映画とはいえ、不思議な映画
キャストの出来は素晴らしく、長澤まさみをはじめ、侵略者の松田龍平や、長谷川博己など申し分が、脚本かイマイチかなぁ〜
唯一の収穫は長澤まさみが松竹映画に出たことぐらい
タイトル「散歩する侵略者」通り、散歩して行動する前半は面白く感じた。
変な異星人3人(人間に乗り移ってるだけですが)が人間の概念を抜き取り侵略すると言うテーマは良い。だが、内容が悪すぎる。
後半になるに連れてテンションダウン。
脚本家、、、中盤までは良かった。なんとか後半膨らます事出来なかったの?
笹野率いる厚生労働省グループは今年1番の駄作設定。
撮影、、、、後半のCG無駄遣い。
編集、、、、2人手を繋いで複数人の男に逃げれる訳無いだろう。カット割りも下手。後半の時間が、夜?朝?ごちゃ混ぜ。(この時間軸の?は前回観た同じ松竹の東京食種にもあった。)
終盤は監督が伝えたい事は分かるんだ。だけどそれは「映画」監督としてどうなの?と問いたい。
それで終わるの?手腕としては呆気なさすぎ。
(演劇があるらしいが、ただそれを借りパクして来た感が強い)
俳優としては長澤まさみしか見どころが無い。
中盤までは良かっただけに後半の醜さが。
うーん。
監督捨て身のギャグ、なわけないよね?
原作は「イキウメ」なる劇団の人気舞台らしい。
黒沢清監督作品を観るのは『アカルイミライ』『LOFT ロフト』『クリーピー 偽りの隣人』『ダゲレオタイプの女』に続いて5作品目になる。
この監督の作品からよく日常に潜む不気味さを感じるなどと耳にしたり目にしたりするが、筆者は全く感じたことがない。
むしろ常に何か不気味なシーンでも笑ってしまう。
『アカルイミライ』のラストのクラゲが大量に浮かぶシーンも可笑しかったし、ホラー映画が相当に苦手な筆者だが『LOFT』に怖かったイメージはなく笑った印象が残っている。
本格スリラーの『クリーピー』もそうで、香川の死に様はギャグ以外のなにものでもなかった。
『ダゲレオタイプの女』も幽霊ものだったが、キャストがフランス人だったせいかそれほど笑うことこそなかったものの背筋が凍ることもなかった。
温室で突如幽霊が出現するシーンは当然なのになぜか不自然で笑ってしまう。
なんだかこの監督は根はお茶目で実はふざけたい人なのかな?と思ったりする。
それとも映画のハイライトシーンで妙に筆者の壷にハマってしまうだけなのか?
逆に三池崇史のギャグ映画はあまり笑えない。三池はなんだか根が真面目な人のように思える。
福田雄一作品も毎回楽しく観ているが、監督の福田そのものは根は超絶冷徹な人ではないかと疑っている。
さて今回も可笑しいシーンはいくつかあった。
お笑い芸人アンジャッシュ児嶋と長谷川らが絡むシーンで児嶋が「自分は自分だよ!」と何回か怒鳴るシーンがあるが、児嶋を知っていれば持ちネタの「児嶋だよ!」といっしょに聞こえて、これわざとやってるだろ!と思えた。
恒松祐里扮する宇宙人が車を停めようとして前に飛び出してはねられるシーンがあるのだが、空中においてがに股で2回転ぐらいして地面に叩き付けられる。(ほんとは違うかもしれないがイメージ的にこれ!)
せっかくのCG合成なのに、ギャグアニメよろしく死に際に渾身の綺麗なボケをかましてくれる。
銃撃戦や格闘シーンも基本監督があまり好きではないのか動きにぎこちなさを感じ、妙に可笑しい。
死んだ宇宙人から本体の転移した長谷川が火力に圧倒的な違いのある無人ドローン機にマシンガン1丁で挑むシーンがあるが、お前は地球人から何を学んできたのかとツッコミを入れたくなる。
また一度爆撃で吹っ飛ばされて足を引きずるシーンのあまりの演技演技したわざとらしさに笑ってしまう。
ドローンからとどめを刺されるシーンでもまた足を上に逆さになって飛んでいく。絶対わざとだ!
『LOFT』でも湖から逆さに下半身だけ出ているシーンがあったような…『犬神家の一族』へのオマージュだろうが、唐突に出て来ると単なるギャグだ。
黒沢は何か逆さになるのが好きなのかな?
俳優たちが真剣に演じているだけに余計に笑えてしまう。
黒沢の演出は邦画特有のウェットな方法を用いないからなのかもしれないが、いやそれにしてもわざとだろ!
本作を観ていて自衛隊が街中で展開するシーンや長谷川が通行人に演説するシーンなどにおいて平和を捨てようとする日本への静かな抗議を感じたのだが、原作者が平和ボケした日本の日常を戯画的に表現したかったと全く逆のことを言っているのを知って驚いた。
ハリウッドも日本も含めて割と世界中の映画界はリベラルや左翼寄りだと思うが、冷戦構造が崩壊して後はただ一途に軍隊を否定して憲法九条を信奉する特に日本において論理矛盾と自家撞着を起こしている感がある。
白黒映画時期の新藤兼人作品には鬼気迫る説得力と迫力が確実に存在しているが、晩年の作品は空回りしていて痛々しかった。
本作に関しては筆者が勝手に勘違いしているだけかもしれないが、最近の平和を謳う映画は巨匠が創ろうがそうでなかろうが関係なく全て表面的に感じる。
時代の流れは残酷ということなのか。
筆者は舞台演劇にあまり縁がない。無名演劇集団に所属する知り合いの舞台に数回ほど足を運んだことがありそれ以外だとオペラと文楽、能、狂言を多少観に行った程度である。
しかし本作の原作となる侵略してきた宇宙人が地球人を学ぶために概念を奪い、奪われた側の人間からはその概念が抜け落ちてしまうという設定はかなり秀逸だ。
宇宙人が愛の概念を奪って侵略が止む展開と奪われた概念がいずれ回復する設定はいささか安易で読めてしまうが、小さい日常で地球侵略が起きている設定も面白い。
舞台を映画化した作品もたくさんあるので、絶えず新しい試みに挑戦しているのが舞台演劇なのかもしれないと感じられた。
また本作の出演俳優を見てあっちでもこっちでも見る顔ぶれが多いことに気付く。
日本の俳優の層の薄さに少し寂しくなる。
もっともこれは観客も含めた映画界全体で新しい俳優を育てていない現れかもしれない。
不思議な雰囲気
舞台劇が原作。
概念を奪う形での侵略というアイデアは秀逸。
松田龍平も見事に不思議さを発揮している。
ただ黒沢清の特徴とも言える不穏さははじまりを除けば全体的には少し後景に退いて、なんともノンシャランな可笑しみが漂っていた。
とはいえ、はじまりの疾走する不穏さはなかなかのもの。
不思議な映画。
長谷川博巳もこういうイカれた役はいい。
Mozuの悪役のようなちょっと世界レベルの悪と狂気を演じるとこの俳優のスケールが俄然爆発する。
イッチャッテタなあ。
長澤まさみのガタイの良さが魅力的。
フォルムに原節子を感じたのは気のせいか。それとも無意識のオマージュか。
いずれにせよ、大傑作とは言えぬかもしれないが、一見の価値はある。
全256件中、161~180件目を表示