散歩する侵略者のレビュー・感想・評価
全249件中、81~100件目を表示
松田龍平=宇宙人という違和感のなさ
失踪していた夫の真治が自分は宇宙人だと宣言し、戻ってきた。奇妙な行動や言動を繰り返すそ彼の世話を苛立ちながらも続ける妻の鳴海の1組の夫婦と一家惨殺事件の取材をするジャーナリスト桜井の前に現れた自称宇宙人の天野と立花あきら。
3人の宇宙人によって地球の危機が訪れる様を描いたSFホラー?作品。
不気味な雰囲気と音楽で全編綴られる作品。
黒沢清監督は初見だが、こういう霊的なホラーでなく、人間的なホラーを得意とするようで結構好みな感じがした。
具体的にどういう生命体が何の目的で地球を侵略しようとしているのか、物語の1番重要な部分をボカしながら、漠然と「危機」が迫ってる現代を舞台に、1組の夫婦の崩壊と再生、1人の男の覚悟を描いたみたいな感じの内容?
そん中で宇宙人の特殊能力、「概念」を奪うという抽象的ながら驚異的な能力がすごく面白いと感じた。
奪う対象に奪う「モノ」を具体的に想像させ、それを理解するために対象から「概念」を抜き取る。
映像でまったく表現できなそうな部分を役者の動きや挙動だけで表現する演出は見事だと思った。
何より松田龍平が宇宙人っていう設定と「それもらうよ」と言い「概念」を奪う様がすごくソレっぽくてガチで宇宙人なのではないかと感じさせる笑。
メインキャストの1人長谷川博己は常に奇妙なポジションで人類側なのか、宇宙人側なのかいまいち掴めない絶妙な役柄を演じていた。
ラストの宇宙人からの攻撃に対し、マシンガン一丁で立ち向かい、向いてはいけない方向に向いている手足を引きずりながらも、果敢に侵略者に向かって行く様は2017年の邦画作品の中でももっとも笑っていけないシーンであろう笑。
観る前から感じていた予告やポスターに映る爆破シーンの不自然さが前面に押し出されたある意味秀逸なカット笑。
ドラマ版とその劇場版ももなかなか気になるキャストで単作の作品にしてはスピンオフもあって珍しい作品。
黒沢清監督は他のも観てみたいなと思った。
SFにしては
よくできていた。笑ってしまうシーンが多いが、最後は腑に落ちた気がした。宇宙人であるからこそ愛が再び蘇り、その愛によって概念を捧げ、結局お互いの愛をたしかめあうことはできなかった。何と皮肉なことか。愛は地球を救うとはよく言ったもんだ。しかし宇宙人と信じた上での会話は秀逸。
愛は一番大切で最も強いんだなと思った
人の姿をした侵略者。彼らは、人間の概念を奪って人間の世界に順応していく。
そして、人間の世界が良いかの判断をして、ダメだったら侵略し、世界を壊そうとしていた。
ある女性の「愛」の概念を奪って侵略はなくなったという内容だった。
予兆の時は、怖いイメージだったが、今回は、なんとなく愛着のある話だった。
静かな寄生獣
黒沢清監督作のイメージは分かりやすい物を難しくする、だったけど眉間にしわ寄せ見てみたら、難しくはなかった。
夫婦の再生、人類愛がテーマかと思ったけど、ラストカットでテーマを見失った。
いや、でも愛の尊さで良いのか、だとしたらもぬけの殻になるのも分かるけどハッピーエンドにして欲しかったな。世にも奇妙な物語のようだった。
印象としては、寄生獣やん!と思ったのと30分くらいで出来そうな事を遠回しに長々とやってるなって事。
宇宙人のヤル気がいまいちあるのかないのか分からない気だるい感じも良かったけど、概念を奪われた人間たちのその後をもっと見たかった。
奪われた概念は自分を一番縛ってた物だと思うから、幸せに過ごす彼らをもっと見たかった。
長澤まさみさんはやっぱり良いなぁと思ったのと、高杉真宙くんは今後来るはず。とても良かった。
黒沢清監督が派手な侵略物を⁈と思って見たらいつも通りかと思ったのも事実。
ウルトラセブン
毎度の事ながら黒沢清監督の作品は見た後不思議な感覚にさせられ、レビューを書こうにも頭を悩ませる。
自分の感じた事、考えた事は当たっているのか。
映画の見方なんて人それぞれだから感想に当たってるも外れてるも無いが、自分なりの感想を…。
ある日突然、近しい人が別人のような性格に。それは、“侵略”の始まりだった…。
同名戯曲を基に黒沢監督が描く異色侵略モノ。
侵略者に体を乗っ取られた者は自分の事も親しい人の事も何もかも分からず、何かの病気のような状態に。
不思議な力で相手の“概念”を奪う。
家族。
自分。
仕事。
愛。
侵略者にとって、それらは複雑過ぎる。
いや、侵略者でなくとも、人間にとってもそれらをしっかり説明する事は容易くない。
一つでも欠け落ちたら人は人で居られるのか。
概念とは人が人であるのに如何に大事か。
奪う侵略者、奪われる人間を通して問い掛ける。
2つのドラマが並行して展開。
若い夫婦、ジャーナリストと若者二人。
鳴海と真治の若夫婦。夫の浮気で結婚生活は破綻。そんな時、夫が侵略者となって帰ってきて…。
言動が可笑しな夫に妻はうんざり。
が、決して見捨てない。
すでに結婚生活は破綻してたというのに。
夫が体を乗っ取られる前は、きっと一緒に出歩く事もご飯を食べる事も無かったろう。
侵略者と人間…いや、夫婦として向き合う。
この夫婦のドラマは愛の概念を物語り、それがオチにも繋がる。
また、別人のように帰ってきた夫の設定が偶然か描きたいテーマなのか、『岸辺の旅』と重なった。
一家惨殺事件を追うジャーナリストの桜井は、一人の青年・天野と出会う。事件の生き残りの娘・あきらを探し出す。この若い二人は侵略者で…。
こちらの侵略者はより冷淡で、侵略準備を進める。
時には追っ手を力でねじ伏せる。
追っ手も武力行使。
侵略/争いの縮図。
最初はまるで信じていなかった桜井だが、信じざるを得なくなる。
人々に危機を訴える。
その最後に、捨て台詞を吐く。
それが何も信じず、危機に無頓着な人間への皮肉に感じ、印象に残った。
また、バンに乗っての旅や芽生える奇妙な友情のドラマも気に入った。
長澤まさみが美しく、キャリアでもベスト級の好演。
松田龍平の人間離れした雰囲気はさすがとしか言い様がない。
長谷川博己も巧演。
高杉真宙と恒松祐里の若い二人が存在感を放つ。恒松は見事なアクションも披露。
平凡な日常から始まり、何処かヘンなミステリアスな雰囲気を滲ませつつ、時々シュールで可笑しく、SFパニックなスペクタクルにも発展。
知的でもあり、B級チックでもあり。
黒沢監督の演出がユニーク。
ラスト、結局○が地球を救うってのはありふれ過ぎていてちと肩透かしにも感じるが、黒沢監督のここ近年の作品では最も見易く、一番気に入った。
不思議な感覚で、味わい深く、なかなか面白かった。
もう一つ気に入ったのが、
思わぬ所から忍び寄る侵略の魔の手。ドラマ性の高い異色SF。
これはもうズバリ、『ウルトラセブン』の世界だ。
『散歩する侵略者』っていうタイトルからして、『ウルトラセブン』にありそうではないか!
不可思議で奇妙な侵略者ムービー
面白く無かったとはいわないが、手放しで絶賛出来るかはビミョー。
3人の侵略者が人の概念を奪っていくというストーリーは斬新だし、静かすぎる侵略は独特のハラハラ感を生む。
長澤松田パートはどこかライトサイド、長谷川パートはダークサイドと言ったところか。
長谷川パートは侵略者の目的ややり方等が明らかになっていくので非常にドキドキするし、侵略者と人類の戦いの部分も描かれるので迫力あるシーンも多い。
長谷川演じるジャーナリストも彼らとの奇妙な旅路の中で様々な表情を魅せる。
ゆえに、彼はどういった存在だったのかよく理解出来なかった。
ジャーナリストゆえに彼らに最後まで付いていったのか、奇妙な旅路の中での友情に似た何かなのか(最後のマシンガンのシーンとかMOZUの東にしか見えない笑)
長澤パートは要するに最終的には愛の物語である。
宇宙人と言われても性格が変わってしまっても夫を想う妻と侵略者ではあるがどこか妻への想いが出てくる夫。
最終的に妻から愛の概念を奪い、愛の儚く尊く深いものを知り、侵略を辞めるに至る夫と愛を失い抜け殻のような妻のラストシーンはどこか切なく儚い。
最終的には愛の物語として成立するストーリーだが、概念を奪われた人達がどこか奇妙になるのは分かるが、それがどういった効果として現れるのかイマイチ分からん。(分かるところもあるし、恐ろしさもわかるが。ある意味コレも狙いか?)
また最期に改善傾向にあるというのも謎であり、彼らの目的もイマイチ分からん。死にかけの時に身体を移り変えることが出来るらしいがじゃあ何年もいたのか?世界中にいたのか?それとも来たばっかり?(イマイチ常識不足なあたりとか人殺しすぎとか、最初の惨殺はなぜ?)
色々と疑問点はあるものの面白く無かった訳ではないし、物語から目を離せなくなるのはよかったのでそれなりに満足でした
題名がおしゃれよね。
題名で観るの決めました。おしゃれ。
長澤まさみいいよね。綺麗だけど、良い女優さんって感じ。
話の内容は惚れたら負けなのねー。みたいな?
最初は長澤まさみが、侵略後は松田龍平が。
愛ってなんじゃろな。
男の子の高校生役の子可愛かったわ!
何だかシュール
面白そうなタイトルだったので鑑賞しましたが微妙でした・・・なんだろう?何だかシュール。愛は地球を救うということにしておきたいのかな?
終盤の銃撃戦は良くないですね。日本であんな感じでマシンガン持ってドンパチやっちゃうと、とたんにウソ臭くなっちゃって。
設定は面白かったんですけど煮込み不足な感じでした。
高杉
真宙がなんか不思議な演技。なのに鼻につかない。日本中どこにでもありそうな地方のつまらない風景とか、エキストラとか相変わらず気になるのだけれど、今回は単純につまんなかった。首長竜は一歩間違うとスイートホームなカルトな魅力があったのだけれど。今回は長くて、つまんなかった。ゼイリブじゃなくて、MIBみたいな。なんだろうこのVFXのクオリティは、予算の話なのか、狙いなのか。女の子が轢かれるとことか。飛行機は素晴らしいんだけど。で満島真之介は相変わらずうまい俳優。
金魚だったとは。
ゆらゆら泳ぐ冒頭の金魚から一転、民家で惨劇が起こり、
血まみれの少女がトラックの前をフラフラと散歩する…。
何だこれ?怖い~!と思いながら観ていくと冷えた夫婦
を軸にシュールで異様な日常が描かれていく。特に説明
もなく次々と侵略が進んで人々は概念を奪われるのだが、
夫婦の絆だけはどんどん満たされていくという超不思議。
宇宙人になった夫の言葉を丸ごと受け入れることからも
この妻は今もどれほど夫を愛しているかが分かり切ない。
黒沢監督お得意のホラーにちぐはぐな印象を持たせつつ、
渇いた笑いのままどうなるんだよこの先?と思わせるが
ラストはあまりにも予定調和。溢れんばかりの愛は地球
を救う(あのフレーズかしら)という強調は確かに感動的
だが、既にこうなるのを予期していた長谷川博己演じる
桜井が人々に「考えろ!」と必死に訴えていたのが印象的。
面白いSF
普通に面白いSFだった。
黒沢清らしい演出・不気味な雰囲気も何となく出ていたので、全体的に楽しいものだった。
ヒットした舞台劇がもとになっていると聞くと、なるほど多少これまでとは違った黒沢清作品だなと感じる。しかし、それこそが後付けでのような感想なのかもしれない。
長谷川博己、長澤まさみ、松田龍平なども非常に役柄が合っていたと思うし、内容が素直に入ってくるような作品だった。
演出が分かりやすすぎて、多少物足りなさを感じた。しかもSFっぽくない絵づくりが不完全燃焼の気持ちを助長する。まぁそれがかえってこの作品の良さとも言えるのだけれど...。
設定はおもしろいんだけど・・・
タイトルのつけ方がうまいですね。つい気になって見てしまいました。そして,その「侵略者」である松田龍平さんの宇宙人っぷりもおみごとでした。かなりハマっていたと思います。妻役の長澤まさみさんも,イライラを募らせながらも夫を想う健気さが感じられ,とてもかわいかったです。
本作の肝は,VFXによる派手な侵略ではなく,概念を奪うという地味な侵略という設定だと思います。特定の概念を奪われた人間にさまざまな変化が起きるのがおもしろかったです。ただ,変化の理由を観客自身が考えなければならず,少々腑に落ちないものもありました。
また,侵略者は乗っ取った人間の「知識と記憶を引き継いでいる」ということらしいですが,それを聞いてからはちょっと興ざめしてしまいました。そもそも概念というものは,知識と経験の積み重ねで形成されていくものではないでしょうか。それなら,概念を奪う必要もないのでは…。さらに,教会シーンではオチも予想できてしまい,これまたテンションが下がりました。
おもしろくなりそうな要素はあるのですが,映像そのものに魅力があるわけではないので,映画館で見なければならない理由はありません。DVDかテレビで見ればよいと思います。そんなことを考えつつ席を立つと,後ろの席に大口を開けて微動だにしないおじさんが,場内に一人取り残されていました。どうやら彼は概念ではなく意識を奪われたようでした。(笑)
残念な気がする
概念を奪い取るという着想は斬新だと思う。…が、これは舞台劇が原作だとのこと。オリジナルではない。
舞台は未観賞だけれど、映画が進むに連れ、舞台を観てみたい思いが増す一方だった。
松田龍平は得意分野の演技で本領発揮。
長澤まさみも、すっかり変わってしまった夫に愛情を取り戻し始める変化を、ナチュラルに好演している。
ただ、夫や夫婦関係の“以前”が描かれておらず、夫への思いを変化させるポイントも示さないまま、全部長澤一人の演技で補おうとしている。これでは、折角の好演も共感させられない。
首長竜のなんとか…も、ナンチャラの隣人もそうだったが、前半では“異変”を印象づける素晴らしいショットが随所に見られるのに、後半から物語りが破綻しはじめると、後はどんどん転げ落ちてしまうのが、最新の黒沢清ではないだろうか。
とても残念な気がする。
WOWOWで放送中のスピンオフドラマの方が黒沢清得意の不気味感が出ていて面白いように思う。
まだ半分しか放送されていないが。
期待しすぎた
CMみてストーリー把握して出演者確認してこれは面白そうと上映が遅れながらもようやく観に行けたんが期待しすぎたようだ。
出演陣は申し分なかった。
ただ面白くない。盛り上がりがない。観てて気分が上がらない。ツッコミどころも多々あるがそれ以前に面白くない。
なんだろう。言葉にできないんだがもっと面白くなりそうなのに残念だ。
全249件中、81~100件目を表示