ユリゴコロのレビュー・感想・評価
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壮絶ながらも、あなたを包み込む“ユリゴコロ”
これまたイヤミスの映画化。
あまり原作小説を読む事は無いので、沼田まほかるという名も恥ずかしながら初めましてだが、スゲーもの書くなぁと思った。
自然に囲まれた飲食店を経営する青年・亮介。
父が余命僅かで、ある日父の書斎で、一冊のノートを見つける。
それには、人を殺す事でしか“ユリゴコロ”を得られない女殺人鬼の人生が記されていた…。
“ユリゴコロ”とは、自分の心を満たす安らぎ。つまり、“拠り所”。
それが殺人という女性、美紗子。
扮した吉高由里子の演技が素晴らしい!
天真爛漫と言うか、ちょっと不思議ちゃんと言うか、それらの雰囲気を封印し、死んだような虚ろな目、生気の無い表情。そのダークな佇まい。
ある出会いによって芽生える、複雑な感情。
演技力は高いと思ってきたが、彼女は憑依型の女優であると確信した。
吉高由里子の演技に心揺さぶられる。
本作、何かの恋愛モノと思って観に行ったら、間違いなくドン引く。
それくらい、陰湿。
スゲーグロいって訳でも無いが、しかし美紗子の初めての友達と言える自傷行為が“ユリゴコロ”である女性が、自分で自分の腕を傷付け流血するシーンはなかなか生々しい。
また、可愛らしさはやっぱり隠せない吉高由里子が、無表情のまま人を殺すシーンは戦慄。
繊細なドラマや青春・恋愛モノに定評ある熊澤尚人監督も、こういうのを撮れるとはね~。
さ迷うような人生を送っていた美紗子はある時、陰のある一人の男性・洋介と出会う。
悲しい過去を持ち、その罪滅ぼしの為だけに生きているような洋介と出会った事で、彼の存在が今までとは違う“ユリゴコロ”となり、生まれて初めて愛を知る。
松ケンが“容赦ない優しさ”を、抑えた演技でさすがの好演。
前半の陰湿なサスペンスが、突然メロドラマチックに。
何だよ…と思うなかれ。
やがて知る因果の嵐の前の静けさ。
洋介を苦しめる過去には、神様の残酷な悪戯としか思えない美紗子との繋がりが…。
亮介の現代パート。
自分の出生の秘密。時折自分の中にある激しい感情。美紗子との関係。これ、すぐ分かる。って言うか、予告編の時点でバレバレ。
亮介には婚約者が。突然失踪。その理由は…。
美紗子パートがあまりにもインパクトあり過ぎなので、どうもセンチメンタルだなぁ…と思っていたら!
思わぬ展開!
木村多江さんにはやられた!
登場人物皆、数奇な宿命に囚われ、喘ぎ、もがき苦しんでいる。
彼らにとっての“ユリゴコロ”は…
生易しい話じゃない。
でも確かにこれは、“愛”についての物語。
温かく心満たしてくれるものではないが、目頭熱く胸えぐられるほど壮絶な愛の物語に、打ちひしがれた。
沼田まほかるは来月公開の『彼女がその名を知らない鳥たち』の原作者でもあるとか。
これも観たいんだよね~!
前半期待大だったが
2017-65
これはすごい(今週2回目)。
前半はちょっと耐えなきゃいけない。
でもそれ耐えると半端なくのめり込んでいく。
これを書いた沼田まほかるさんはすさまじいと思った。
前半みたいな、耐え体験は3回目。
1回目は、『キル・ビル』。
初めて映画館に一人で行った。
ルーシー・リューはヤッチマイナーと叫んでたけど、わたしはヤッチマッタナーだった。
(後に大好きな映画に。)
2回目は、『スマグラー』。
安藤正信がいなかったら途中で退場してたと思う。
そして今回が三度目の耐え体験。
え?これPG12ですよね?って聞きたくなった。
美沙子役は吉高由里子以外ない!
三井住友銀行でキャピキャピしてる最近のイメージとは正反対の、真骨頂な感じが味わえます。
やっぱり影のある役が似合う。
蒼井優とこの人は、振り幅広いよね~
松山ケンイチもさすが!
だからこそミニオンズの声優でノリノリで、逆にそっちでびっくりしちゃうわけです。
松坂桃李君も頑張ってるのが伝わった。
ちょっとオーバーかな?と思うとこもあったけど、ファンだから贔屓目😍
偶然がいっぱい起きてる感や、さすがに無理?とか思ったけど、それすらどーでもよくね?ってくらいのめり込んで見てしまいました。
なにか食べながら見るのはおすすめしないです。
大量残ししそうだし、静かに見た方が周りのためにも笑
眼を背けたい、正視しがたい描写があって、映画館で初めて席を立ちたくなった。
Movix堺で映画「ユリゴコロ」を見た。
2017年製作/128分/PG12/日本
配給:東映、日活
劇場公開日:2017年9月23日
吉高由里子(美紗子)
松坂桃李(亮介)
松山ケンイチ(洋介)
佐津川愛美(みつ子)
木村多江(細谷)
清原果耶(美紗子の中学時代)
清野菜名(千絵)
原作は沼田まほかるの2011年の小説「ユリゴコロ」。
沼田まほかるの2006年の小説「彼女がその名を知らない鳥たち」
を原作とした映画が 2017年10月28日に蒼井優主演で公開される予定。
沼田まほかるは湊かなえや真梨幸子らと並んで
注目されているミリオンセラー作家であるらしい。
映画「ユリゴコロ」は2017年9月25日発表の映画ランキングで初登場8位だった 。
平日の午前中で観客は我々夫婦を含めて10人だった。
冒頭から重々しい描写が続く。
美紗子の少女時代、学生時代、料理学校時代へと進む。
料理学校時代の友人とのシーンは個人的には正視しがたい描写で、
目をそむけたいくらいだった。
席を立ってしまおうかという衝動にも駆られたのだが、
なんとか踏みとどまることは出来た。
毎年70-80本ほどの映画を見るのだがこのようなことは今まで一度もなかった。
そこを過ぎてしまえば、原作の力なのだろうか、ドラマチックな展開が待っている。
原作は読んでいないが、映画は突っ込みどころがいくつもある。
脚本や監督の力が及ばなかったのかもしれない
まあ、それらを無視しても、映画、お芝居、物語として見応えがある。
沼田まほかる原作の作品をまた見たいと思った。
映画で吉高由里子と松山ケンイチを見たのははじめてだった。
この2人は上手いと思った。
また、この2人の作品も見てみたい。
上映時間は128分。
長さ感じない。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
運命という名の偶然
で全ての物語が展開するので、納得感が薄い。
てか整形って、その金はどうやって? いくら殺人慣れしてるとはいえ、女性1人でヤクザ皆殺し??
疑問だらけで、ラストもポカーン。
前半ストーリーとラスト
ストーリー前半は主人公の幼い頃から大きくなるまでの心のユリゴコロを探すような話だけど
本編最後の方はまぁいろいろ驚きあり、人によっては泣けるようなシーンあり。吉高由里子、松山ケンイチ、松坂桃李主要3人はいい演技してます。
あとネタバレになりますが最後の方は木村多江さんがかなりキーマンな役どころです
原作からいろいろ削除しすぎでご都合主義に
おぉー怖ぁ!。でも、
なかなか面白いが…
違和感を感じる「ユリゴコロ」という言葉、医者の説明から続くなかなかにイヤな事件やら描写やらの数々。なるほど前半は吉高由里子の演技も見事な、痛みすら感じる「イヤミス」となっている。
マツケンと出会ってからの後半も展開はなかなか面白いものの、タネ明かしで「いや、そんな都合の良い偶然ばっかりあるか〜い!」てなりますな。
むしろ「ずっと近くで見てました」という方が説得力ある。これは原作の問題なのかもだけど。
良い映画の入り方…だったのに
冒頭はとても丁寧で絵も綺麗で観る人を惹きつける演出、カメラワーク。これはいい映画観れそう…だったのにあれ。中盤からとても雑に。。
吉高さんは…かわいい。笑
かわいすぎて前半しっくりこない。
そして殺人が割と雑。犯されそうになって鍋で叩くって雑すぎませんか。殺人鬼なら殺人にある程度統一感を持たせなければならないのでは?てかユリゴコロちゃうやんっていう。
マツケンの話を聞いて吐くあたりとか可愛げのありすぎるご飯の譲り方とか…しっくりこない。
最後は壮大な音楽で愛の物語ぽくなってましたが、いやいやこんなハチャメチャな背景からそういう感動は生まれないよ!?ってなりました。
後半時間なかったのかなんなのかわからないぐらい無理やり美しくまとめ上げた感。どっかの力のある人(団体)がうるさかったのだろうか。笑
前半と後半のギャップがすごい
鑑賞後にジワジワと侵食してくる作品
原作は未読なのですけど
なにやら、話題作らしいです。
僕は、まったくアンテナにひっかかりませんでした。
「沼田まほかる」さんという方の原作を「心が叫びたがってるんだ!」を今年監督された熊澤監督が監督。
主演は、松坂桃李 吉高由里子 松山ケンイチ 木村多江
という・・なんとも演技力の高い実力派で固められてる
一応は、ミステリー小説なのでいろんな伏線を張り巡らされた謎解き的な要素も含まれてるのですけど、監督の手腕なのか原作の解釈の仕方なんだろうと思うのですけど、わりと・・謎はすぐにわかりやすくて、あっという間にバレバレな感じなのですけど
人に依っては・・
前半の30分でいたたまれなくなり劇場から出て行ってしまうのではないか?
といった強烈な「闇」をはらんでる作品だと思いました
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ここからネタバレ
多分、元気な時に観たらもっと・・強烈にダメージを受けてたに違いない作品です。
まず・・
あらすじとして
生まれたころからすでに「心が壊れてる」女の子が主人公で
外に出ると、全てに対して危険を感じて常に安心感がなく警戒心しかない「心のよりどころ」のない女の子。
その女の子の幼少期から描かれるのですけど。。
しょっぱなから・・5歳くらいの女の子が殺されるというか・・
死に至るシーンがすでに強烈。
多分、ミュージックビデオなどの経験もある監督なのだと思うのですが、シーンの作り方がアートです。
「強烈なのに美しい」
そのあと、料理学校に通いだした「ミサコ」の友達の「ミツコ」
この「ミツコ」の壊れっぷりが・・とてもリアルで。。
「ミツコ」役が佐津川愛美さんで、とても強烈なインパクトで演じてくれます。
「ミツコ」は摂食障害と自傷癖もあって男性を受け付けない
「ミサコ」は殺人でしか満たされない。
いつか殺すかもしれないと思ってる「ミサコ」
いつか死ぬかもしれないと思ってる「ミツコ」
この歪(いびつ)な関係がどんよりと心を「闇」で満たしていきます。
そのため、後半のご都合主義的な「偶然な必然」の連続には感動するというよりも、なんとも「はまるはずのないジグソーパズルのピースをむりやりはめた」ような違和感がつきまとう。
松坂の演技が後半、狂気を帯びてくる
リアルじゃない感触は、効果音にもある
手首を切るシーンがあるのですが・・そんなにグチャグチャと音はしないし・・
人の首をしめるときに・・「ゴムを絞るような」ギューーーって音もしない。
この辺の効果音がどうにも、漫画の効果音の様に感じてしまい
変な違和感が残る
「ミサコ」の心情や「ミツコ」の心情も含め登場人物の心情はどれも理解できるし・・
「血族」としての「殺人鬼の血が流れてる事への絶望」は僕にはとてもよくわかる。
それでも・・なにやら微妙にずれてる
「当事者にしかわからない感性」と「原作を読んで作った他人ごとの感性」の間にある深い溝はどうしても埋まらず・・
観終わった後の直後の感想は
「大人のおとぎばなし」だね
のはずだった。。
が・・
知らないうちに・・その「闇」はしっかりと僕の中に爪痕を残してたみたいで・・
フラッシュバックするほどである。
断片的にリアルなものを、繋げてるので
やはり・・話の整合性が取れなくとも。。
それはそれで成立出来てる。
そんな作品でした。
強烈なインパクトを残してくれましたが
正直、これは是枝監督や、中島監督に撮って欲しかったかも。。
とはいえ、「ナミヤ雑貨店の奇跡」「三度目の殺人」の人気の中で埋もれさせてしまうにはもったいないと思える作品でした。
モケモケ大活躍
前半良いも、ただ一つ高まった気持ちをも壊される部分が。。
演出がとても良かった!
綺麗過ぎる風景ながら、不快感を与える空気を作り上げているのが見事だった。
晴れた日に対して、清原さんの不穏な表情や雰囲気。
可愛らしい家具や服が並ぶ吉高部屋と佐津川部屋、狂気を一切感じさせないような美しい風景に隠された血みどろな現実。
その辺の演出がとても素晴らしかったと思う。
吉高ユリコと、マツケンの関係性も物凄く良くて、言葉少なくして何気なく一緒にいる感じや会話のトーン、心地良かった。
ただ、松坂トーリ。
ここで一気に残念な感じになってしまった。。父や母についての話をノート一冊のみで信じきり(じゃなきゃ話にならないのだけど)本音や当時の心境などは聞こうともせず、のわりに母親が殺人者だということは、めちゃくちゃに信じきる。
人殺しをし続け、なんとか生きて、本当の幸せなど感じることはできないと諦めるも、希望が差し込む、だが贖罪に駆られて。。というところで変化していく吉高ユリコに移入するはずも、
主人公として、ノートを見つけ異様な雰囲気のなか観客を巻き込んでぶつかっていなねばならないはずなのに、「俺は殺人鬼の血が流れてるーーー」なんて言われるとそこで大きく観客との気持ちの差が生まれて来てしまう。
吉高ユリコとマツケンの最高な距離感と演技が良かったのは間違えないけど
結果的に残念に終わってしまったような、そんな映画でしたとさ。
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