氷菓のレビュー・感想・評価
全115件中、1~20件目を表示
氷菓=アイ・スクリーム
今や直木賞作家となり、新刊が常にベストセラーとなる人気作家・米澤穂信のデビュー作の実写化。高校の古典部というマイナーな部活動に集う4人の仲間が、33年前にこの高校で起こった文化祭に纏わる事件の真相を突き止める青春学園ミステリ―。米澤作品の中には、こうした学園ミステリー作品をよく見るが、これがその原点となるのだろう。
高校生活に活路を見いだせず、何事にも関りを持とうとしない灰色の高校生活を送っていた主人公・折木奉太郎。そんな自堕落な生活を送っていた奉太郎に届いた、インドを旅している姉からの手紙。そこには、高校の古典部に入部への命令が記されていた。仕方なく入部すると、ある事情を抱え、同じく古典部に入部してきた、美少女・千反田えると出会う。そこに、同級生の福部里志と伊原摩那花が加わり、4人でこの高校に潜む謎を解き明かしていく。
そんな中で、えるが抱えていた事情も明らかになっていく。それは、えるの伯父が、10年前に失踪した要因が、33年前に在籍していた同じ高校の古典部で製作した文集にあるということだった。その文集の創刊号に秘められた謎と、高校時代の伯父に何があったのかの謎を、仲間と共に奉太郎が解き明かしていく。
最終的には、題名『氷菓』に込めた意味も明らかになっていくのだか、それほどのオチやクライマックスがあるわけでもなく、お子様向けの学園ミステリーに留まる内容だったのは残念。
それでも見所としては、山崎賢人と広瀬アリスのファンにとっては、高校時代の若き日のお宝映像にあるかもしれない。このところ『キングダム』『ゴールデンカムイ』そして、これから公開される『陰陽師』と大ヒット作の主演を務める山崎賢人だが、2012年に公開された『Another アナザー』に続いて、岡山天音とコンビを組み、『キングダム』の『信と尾平』の礎を築いているのもお宝である。
アニメのファンは避けたほうが無難
氷菓の実写化なんてうまく出来るはずがないと端から否定的だったが、意外にも原作を変に手を加えず素直に映像化していたのは好感触だった。
山﨑賢人演じる主人公は感情の起伏が乏しく、その分演技が難しいのはわかるのだが、それを差し引いてもあの棒読み演技はいただけない。配役がダメというよりかは役作り不足か、もしくは単純に役者として力不足なんだろう。
後半急にやる気スイッチが入りなぜか熱い演技に入るが、これは監督の指示によるものだろうか。極端すぎて何がしたいのかわからない。
広瀬アリス演じる千反田は確かに長い黒髪で目が大きく一見原作通りのキャスティングのようだが、笑顔と言うよりかは終始ヘラヘラしているような表情で今作のヒロインに必要な清楚さや事件を必ず解明する意思の強さみたいなものが感じられない。もう少し適切な女優さんはいなかったのだろうか。
後の二人はキャストが決まった時点で見た目がどうなんだと思ったのだが、意外にも役にハマっていて良かった。
演出に関しても先に言ったように主人公が情緒不安定に見えたり、尺の都合かセリフに間を入れてないおかげで真面目なシーンでも下手なコントに見えてしまうお粗末さ。
回想シーンで関谷純が叫ぶシーンで一緒になって奉太郎が叫ぶのも無理やり盛り上げたいだけとしか思えないキャラ付けでも心象表現でもない謎の蛇足があったりとつっこみたくなる演出も少なくない。
余談だがアニメの実写化じゃなくて原作の実写化だからアニメと比べるなと言っている人もいるが、明らかにアニメの演出を意識した部分もあるのでこれは比較されても仕方がないと思う。
そもそも氷菓という題材が地味めな話なので映画として成功させるのは難しいと思うのだが、原作シリーズもアニメも評判がいいからなんとかなるとでも思ったのだろうか。
終わり方を見るに、もしかしたら監督は氷菓で一発当ててから文化祭であるクドリャフカの順番を作りたかったのかもしれないが、だったら最初からそっちを作っておけばまだマシだったかもしれない。
ともあれ原作好きならB級日本映画程度には見れると思うけどアニメファンは見ない方が無難かと思います。
最後に実写映画の良かった部分としてエンディングテーマは書き下ろしの曲なんだろうか、氷菓という作品にとても合っている歌詞の曲でそれだけは感動しました。
氷菓とアイスクリームは別物です
「ヒロイン失格」を見て、山崎賢人作品を見たくなったので鑑賞。漫画は未読だしこれといった情報も入れずに見たが、序盤は辛うじて良かったものの全体的に生ぬるく、とても映画とは思えない作りだった。
山崎賢人は相変わらずめっちゃカッコイイし、役も自分のモノにしている。こういう知能的な山崎賢人もいいな。雰囲気もとてもいい感じで、始まり方は結構好き。ベースとしては悪くなかったのだけど、ミステリーとしてのクオリティがあまりにも低かった。
第一、ストーリーに魅力がなくて興味が湧かない。作風はいいが、続きが全くと言っていいほど気にならない。しょうもないことに全力を注いでいるだけ。古典部である意味とか、キャラの背景だとか、色々と肝心なところが抜けていて面白いか面白くないか以前の問題。あまりにも省きすぎ。
謎解きを解けた時の爽快感も無ければ、そもそも考える気にもなんない。原作は面白いのだろうけど、こんなのに何故ここまで本気になれるのかイミフ。映画館で見るレベルでもないし、配信ですら見る意味を感じられない。山崎賢人はイケメン、ただそれだけ。
広瀬アリスの役柄に違和感。
確実に違った。配役ミス。広瀬アリスはやはりどしどしグイグイ来るオラオラ系サバサバ系女子が似合う。どちらかと言えばここは広瀬すずポジション。しっかりもの真面目役はやはり無理があります。
んー、なんだかな。
面白くなりそうだったんだけど、結局上がることなく終わってしまった。非常にもったいない
活字やアニメはいいのに
活字やアニメはいいのに、映画化は完全失敗した典型例。
映画を最後まで見るのが、本当につまらなかったです。
映画監督をまったく変えて、違う映画監督で、再作成してほしい。
この2017年版映画は見る価値がまったくないです。めずらしく時間の無駄です。
原作・アニメを見ずに...
私は原作・アニメをちゃんと見た事がない状態でこの作品を視聴しました。
普段邦画はよく観るのですが、この作品は演技やセリフに強く違和感を感じる場面が多くありました。
「アニメだから成り立つ演出」をそのまま実写版で使用してしまっている事が原因なのではないかと思います。
話を納得しきる前に、無理矢理な演出で展開して行くため感情移入する余地がありませんでした。
最後まで観るのは大変でした。
ストーリーが弱かったのかも
原作未読、アニメはビジュアルだけ知っていました。
個人的には他の方が仰ってるようなキャスティングミスはあまり感じませんでした。恐らく撮影当時山崎賢人が23、広瀬アリスが22くらいの年齢でしょうが、普通に若いので別にそこまで気になるようなビジュアルではなかったです。むしろこのストーリーでキャスティングまで10代の役者に拘っていたら、映画としてのネームバリュー的に相当厳しかったのではないでしょうか。アニメ版から来て萌えキャラに近いビジュアルを理想としていたらまた違ったのかもしれません。
画としては、氷菓の「ザ・日本の古きよき高校」というノスタルジック感をちゃんと汲み取って表現しようとしたんだなというのが伝わってきました。綺麗でよい雰囲気でした。
残念だったのが、まず第1に実写なのにセリフや一挙一動をアニメに寄せすぎて、キャラ作りがあまりにも不自然だった点です。ラノベの中ならいいのでしょうが、特に漫画家志望の子が現実でフンとそっぽ向けながら「ここは教養の聖域よ!折木は即刻出ていきなさい」と言ったり「折木!教えなさい!」と詰め寄る、「っあぁやられた!盲点だったわ!」といったセリフを言うのが(例え原作に忠実であったにしろ)少し痛々しかったです。他メンバーに関しては「台本が悪かったんだな」という感想ですが、漫画家志望の子の役者さんは舞台のような演技だったな…と感じました。その他先生が告白するシーンなど「演技やセリフが仰々しすぎてダルいな…」と感じる場面が多々ありました。
第2に、タイトルでも話した通りストーリーが弱い点。映画冒頭に校内の些細な謎解きが引きとして連続して続くのですが、まずこれがつまらないです。私は山崎賢人が好きなので良かったのですが、そうでなければ恐らくここでリタイアしていました。本編では推理が二転三転する点や「なぜ氷菓なのか?」「33年前何があったのか?」といった謎を追ってゆくこと自体は面白いのですが、そもそも「なぜ主人公は退部しなかったのか(ヒロインの目に見つめられたから?)」「なぜ皆叔父の真相にそこまで迫りたがるのか」「なぜ初めから大人や姉に聞こうとしないのか」など、動機づけの部分で引っかかるところがかなりあった印象です。更に、結局答えを全て先生が話してしまう、しかもその内容が薄い、なぜ生徒たちは文化祭中止如きで暴動を起こしたのか、にも関わらず退学に関しては叔父含め誰も反対しなかったのか、叔父は結局なぜ生きながら死に、失踪までしたのか…など、疑問点もかなり残りました。映画の本筋として大々的に扱うには、この叔父の物語は観客の興味を十分に惹きつけられなかったのではと感じます。
長々と書いてしまいましたが、しかしながら総合的には割と楽しめたので良かったです。また観るかと言われれば、ひょっとしたら役者さん目当てで観ることがあるかもしれません。
氷菓1以下
映画観で見れなかったため
Amazonプライムビデオで見たら
ゴミ映画でした
これにお金払わなくて良かった
見るならアニメの方がいいです
アニメの後に映画やるなら
ちゃんとアニメや原作にそって映画をやって欲しい
名前もしっかり呼んで欲しい
関谷純(セキタニジュン)がかわいそう
氷菓の謎ちゃんと折木に解いて欲しかった
ぜんぜん面白かった
ちなみに私はこれを先に見ました。後になってアニメ版の氷菓も見ました。
とくにアニメ好きではありません。ただ宮崎駿や新海誠や押井守や細田守など著名なアニメーターのネームバリューにつられてアニメを見ることはあります。ゆえに映画の単位になっていないアニメを見ることは殆どありません。
面白く見ました。びっくりするほど面白かったのです。よく出来た話(原作)にとても感心しました。
観た後、大手映画レビューサイトの氷菓評に、動揺しました。私は偏向な鑑賞眼の持ち主ではないので、一部を除けば、世評と自己評が、そうそう違ってくることがないからです。だから、アニメを踏まえた評価なのかと思って、この映画の低評価の原因を探る目的で、アニメ版氷菓も観たのでした。
それでもこの映画はいいと思いました。私は広瀬アリスは妹より好きなのですが、山崎賢人がぜんぜん好きじゃありません。それでもアニメよりこっちのがよかったのです。
アニメを先に見ていたらどうだったろう、とは考えましたが、基本的に絵の女の子に、生身に代替するシンパシーを感じません。
あらためて人の好みってバラバラだなあ、と当たり前のことを認識したのでした。
ただし、この実写版が面白かった原因が、アニメ版氷菓にあることは、私にもよく解りました。
アニメ版氷菓は、あの京都アニメーションの丹念な仕事に裏打ちされているものです。すなわち、豊富な絵コンテが出来上がっているようなものです。実写版はアニメ版の一話から五話までの、尺と配置と展開をほぼ踏襲しており、むしろ、これで遣り損なうことのほうが難しいと言えるリテイクになっていました。
つまり、この映画がリメイクでなくリテイクと言えるような作業だった(はず)なのは、京都アニメーションの細やかな仕事のおかげ、だと思ったのです。
とはいえ、実写版にも独自性はありました。
安里麻里監督は見事なほどホラー一色の来歴で、とくに芳しい評価を聞いたことも無いのですが、ホラー監督らしさが学校や千反田家の暗い陰影に色濃くあらわれていました。千反田家など殆ど犬神家のように見えます。加えてホラー映画の演出的間合いが、学園ものの軽さを巧く封じていると思いました。萌えを提供するはずの「わたしきになります」さえ、広瀬アリスの端正な顔立ちと相まって、呪詛のごとくに聞こえるわけです。
妙味でした。
受賞歴もある面白い原作の映画化であり、映画の面白さが話の面白さに依存しているとは言えると思います。加えて本郷奏多は大好きな俳優でした。
いずれにしても、私にとって反発心でなく普通に傑作と言える映画だったのです。
不思議なものです。
でも、ときどきある世評との齟齬は、楽しいものです。そっちのほうが、俄然、レビューし甲斐があるからです。
「氷菓」に隠された壮大な悲劇
原作小説もアニメも見ずに鑑賞。
思ったほど盛り上がらず、意外に静かな映画でしたが、推理映画としてはとても面白かったです。
古典部に伝わる文集「氷菓」に隠された秘密を山崎賢人達が解明する。
大まかなストーリーとしては割と単純かもしれませんが、何より二転三転する推理が見どころです。
前述したとおり、観る前はもう少しポップな感じかと思っていたら、古典部ということもあり、お淑やかでかつちょっとホラー的な感じもして、静かなのにドキドキでした。
特に、最後の「氷菓」の意味はなるほどと言いたくなりました。
スマートフォンでイヤホンをつけて観たのですが、意外と正解だったかも。
折木奉太郎が考えるところでグルグル回る時になる音が右、左に移動してとても良かった。
千反田えるはちょっと押しが強かったです。
まあ、変に恋愛要素とかなくて、高校生活必ずしもバラ色ではないというところに共感しました。
正直、最初の鍵の推理は必要ない気もしましたが。
個人的に氷菓の表紙は、最初から意味ありげで結構怖かったです。
折木奉太郎の姉の声が貫地谷しほりっぽいと思っていたら、本当にそうでした。
The謎解き映画
関谷純についての謎を解くために約2時間はさすがに長いと感じた。前半はどんな謎も簡単に解くがそんな推理が得意くても最後はミスリードしてしまう。それで長くなる。個人的には答えにたどり着くまでが長く感じ眠くなる人も多いのでは?と感じた。
ただ、謎の答えが悲しく心に思うことがあった。
全115件中、1~20件目を表示