スウィート17モンスターのレビュー・感想・評価
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こじらせ女子にヘイリー、最高のキャスティング
知名度のあるスターで近い世代ではほかにいないでしょう、この主人公にぴったりの女優。日本の青春映画だと往々にして、暗い、地味、イケてなくて友達もいないという設定の主人公に平気でイケメンや美少女を起用して嘘くさくなる。でも本作のヘイリー・スタインフェルドは、まずルックスからして(ファッションも含め)イケてない感を醸し出している。それに、「トゥルー・グリット」で感じさせた実年齢以上の精神年齢の高さが、この映画ではネイディーンの中でいろんな思考や感情が空回りしている感じとうまく結びつき、「ああ、こういう子、本当にいそう」と納得できる。
ヘイリーの演技は本当に素晴らしい(あと、ウディ・ハレルソンもいい味出していた)が、脚本はちょっと甘いだろうか。ストーリーに大人の目線で心から共感できるかというと、微妙かなあ。
ヘイリーのブスっ子ポテンシャルが咲き乱れる快作
ヘイリー・スタインフェルドが『トゥルー・グリット』で姿を現した時、西部劇の薄汚れたタフな少女役があまりにも似合っていて驚いたが、その後のティーンスター路線には、演技も歌も申し分ないけれど、どこか違和感のようなものも感じていた。
平たく言うと、今のヘイリーはあまりにも10代の女の子そのものなのある。持て余しているように見える成長著しい身体、メイクや衣装で磨かれても消し切れていないイモ臭さ、自信がありそうでなさそうなアンバランスな佇まい。そんなヘイリーの属性がこの映画ほどピタリとハマった先例はなかった。
あのダサいジャンパーも含めてこの映画のヘイリーの思春期こじらせ感は完璧である。描写だけを連ねると面倒くさくて甘ったれた女子でしかないはずなのに、人間力とでも呼ぶしかない一本の芯が通っていて、やはり魅了されずにいられない。まだまだ未来はこれからの女優だが、現時点でのベスト・ヘイリーでありましょう。
ヘイリー・スタインフェルドあってことの青春物語なのでは?
自分の感情に忠実過ぎて周囲から距離を置かれてしまうあまりにも憎めない17歳が、久しぶりに、ヘイリー・スタインフェルドによって返ってきた感じだ。SEXやドロップアウトに逃げず、結局は家庭と学校という枠内でかすかな突破口を見出していくという物語のフォーマットに、巧く収まるだけの説得力と演技力を持った少女スターは、もしかして、モリー・リングウォルド以来登場していない気がするから。だからか、映画の端々に懐かしい匂いが漂うのは。懐かしいと言えば、ウディ・ハレルソンが演じる愛ある無関心を装う先生も、今は多分、ほぼ絶滅危惧種。昔はいたんだよなぁ、こーゆーせんせー。
【”自分何て、大嫌い!”今作は、可なりイタクていけてない自意識感情な17歳の可愛らしい女子の、クスクス笑えてラストは沁みる素敵な青春映画であると思います。こういう映画好きだなあ。】
■いけてない毎日を送る17歳の高校生・ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)は、いつも妄想だけが空回りし、教師(ウディ・ハレルソン)や母親モナ(キーラ・セジウィック)を困らせてばかり。
彼女は唯一の小学二年生からの親友・クリスタ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)だけが心の支えだったが、ある日、そのクリスタがよりによって関係をこじらせている兄・ダリアン(ブレイク・ジェナーと恋仲になってしまい、彼女は怒りと戸惑いをぶちまけるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。そして、アマリ感想になってません。>
・序盤から、破天荒な可なりイタクていけてない自意識感情なネイディーンの姿をクスクス笑いながら観賞。
ー 私は、男なので良く分からないが経験上、(何の経験だ!!)お付き合いして来た数々の女性(あ、数名ですよ。数名ですよ。我ながら嘘っぽい。)がイキナリデート中に怒り出し、(身に覚えなし。)オロオロした経験限りなし。
で、良ーく考えるとオイラにも悪い所はある事が判明するのだが、ティーンの女性の気心は春の嵐の如きである。
だが、今作のニック君と同じように、遣りたい盛りの10代のNOBUは、なだめすかして<以下自粛。>、その後は何を言われようが馬耳東風であった。
所謂、男のナニが硬化すると女性に対する態度は軟化し、ナニが軟化すると女性に対する態度は硬化するという法則である。(By 吉田秋生)(あ、今、私をフォローして頂いている方々のフォロー数が、ガッツリ落ちた音が・・聞こえます・・。)-
・今作のネイディーンが正にそうで、経験がないのに、自意識過剰で困った事があると、昼休みまったり休憩している担任の先生(ウディ・ハレルソン)の所に行って、不満を撒き散らすのである。
ー この、数回繰り返される二人の会話が、相当に可笑しい。-
・ネイディーンは、親友を寝取った兄と親友に激怒し、”私も!!”と、ペットショップ屋で働くイケメン高校生男子、ニックに在り得ないメールを送ってしまいあわてふためく様が、コレマタ可笑しい。
ー メールって怖いよねえ。一度打ったら消せないんだもん。で、ニックと車内デートをするも、未経験のネイディーンはあたふたし、ニックとの関係は終わる。凄く可笑しい。-
■だが、そんな彼女を心配する兄・ダリアンと親友・クリスタ。そして母モナの姿。そして、昼行燈と思っていた先生にも、綺麗な奥さんと可愛い赤ちゃんが居て・・。
・そして、クラスメイトのお金持ちの韓国系のアーヴィン・キム君と親しくなって、彼が製作した映画を観るシーンも良かったな。
ー 彼は否定したけれども、あの我儘アニメキャラはどう見てもネイディーンから、ヒントを得たモノでしょう。-
<今作は、可なりイタクていけてない自意識感情な17歳の女子が、色んな経験をして、少しだけ成長する物語なのである。
クスクス笑えて、ラストは沁みる素敵な青春映画であると思います。>
拗らせて拗らせて、ある日スルッと解ける
映画の冒頭、歴史教師の昼休みを妨害して「自殺計画」を一息にまくし立てる主人公・ネイディーン。一通り聞き終わった教師・ブルーナーは、そんな彼女をこう表している。
「奇抜な服の生徒」
そう、ネイディーンの服は奇抜、はっきり言って「クソダサい」。パーツの1つ1つは悪くない。
組み合わせが絶望的なだけた。でも、そう、絶望的にダセェ。わりとマジで。
なんでそんなクソみたいなコーディネートなのか。それはわりと簡単。拗らせてるからだ。
ネイディーンは可愛くありたいと思ってる。まぁ女の子だから、基本的にすべての女子は可愛くありたい。
一方で自分は可愛くないと思ってる。
可愛くない自分が、カワイイ服?どうだろう…。「あの子、自分のこと可愛いと思ってるんじゃない?(クスクス)」ダメダメ!
私、可愛くありませんから!もっとこう…フツー?自然に?カジュアルな感じで?
さらにちょっと大人な感じ…、そう、私は同年代のガキどもとは違うの!大人よ!
そのコンビネーションがあの組み合わせ。色合いも素材も一体感のない「奇抜」なファッション。
拗らせまくりのネイディーンを表す、素晴らしい衣装ワークだ。
だいたい、あんなデカイ鹿がプリントされたセーター、なんで買ったし。
自分に自信が持てない一方で、そんな自分は世界一不幸で、周りの人間は充実してると思ってる。そんな自分を好きでいてくれていると思っていた、親友のクリスタまで「勝ち組」の兄貴と付き合って、自分を置いて勝ち組の女子になってしまった…。
自分に好意を寄せてくれているアーウィンに寂しさを埋めてもらおうとしたり、「超ホット」なニックへセックスを誘うサイコメールを誤爆したり、ネイディーンの暴走は止まらない。
ちなみに、ニックに逢うためにネイディーンが選んだ服はカワイイ全振りでマトモだった。ちゃんとした服持ってんじゃねーか!!
この映画はわりとベタな青春映画だ。拗らせまくりのネイディーンが、自分だけが不幸だと思っていたネイディーンが、世界はみんな平等に不公平なんだと気づく。
世界の不公平さに傷つき、僻み、自分の醜さを受け入れられなかったネイディーンが、このまま大人になるのは嫌だ、とはっきり自覚する。
その為に力を貸してくれたのは、ナルシスト兄貴であり、冴えないアーウィンであり、偏屈教師ブルーナーである。
それもそのはず、「ナルシスト」も「冴えない」のも「偏屈」も、ネイディーンのエゴの中で固められた思い込みの一面だ。
兄貴もアーウィンもブルーナーも、それぞれにネイディーンの思ってもいなかった一面があり、みんなネイディーンよりちょっと大人なのである。
ネイディーンの殻を破れるのはネイディーンだけだ。ネイディーンが心の底から「一生このままなんてイヤ」と思ったから、拗らせ女子高生は大人になれたのである。
殻を打ち破ったネイディーンのファッションは「奇抜」とは程遠い。背伸びして付加価値を付ける必要のない彼女の姿は、よっぽど以前よりオシャレ。爽やかな秋晴れと、実りを迎えた秋の紅葉に馴染むワイン色のセーターとデニムパンツで出かけるネイディーンは、もう周囲に引け目を感じる必要のない「魅力的な女子」だ。
ハイ!私、ネイディーンよ。よろしく!
そう素直に言える彼女になれたことを、嬉しく思える。最高にハッピーな青春映画だ。
床に脱ぎ散らかした服は、慈善団体に寄付したのだろうか?
寄付した方が良いと思うな、わりとマジで。
教師の年収が42000ドル♥ 日本は終わりだ。
彼女には劣等感が無い。
だから、他人に対しての思いやりが無いのは当然だ。
アメリカ人って基本的にこんな人ばかりなのだろうか?
追記
韓国系アメリカ人のアニメを見ると、やっぱり、日本のアニメの方が数段上だと思った。
もっと磨いてほしかった
かなり期待したものの、内容はありきたりで想像の範囲を一歩も出ません。
主演の女の子を子役として見れば天才みたいな評価もできるようですが、特に難しい演技をしているでもなし、きわどい表現で、自分を削っている事は認めますが、それと映画の面白さは別物ですから。
「THIS IS US 36歳これから」というドラマにハマったので比べてしまいますが、ファミリードラマ、特に10代の成長を描いたヒューマンコメディはたくさんありすぎて、何かにエッジを効かせないと埋もれてしまいます。
この映画では、女の子の性格と、周辺をていねいに、掘り下げて描いてあり、年が近いほど共感できるのかも。ただし、イタすぎて見てられないという意見もありそうですけど。
これほど周りを不快にさせる主人公も、なかなかいない、という意味では際立っているかもしれませんね。私がハマったドラマほどには、セリフも磨かれておらず、展開もチープですけど。
何しろ、人種、キャリア、出自、自尊心、生と死を残酷なほどフォーカスしたドラマに比べて、この映画にはティーンエイジャーの心の傷しか出てきませんから。
だったらもっとシンプルに短くまとまったはずなんですよね。キーラ・セジウィックの演技が健在だったのは拾い物でした。彼女もかなり身を削っていて、二の腕をプルプルさせたり、娘に恥ずかしい秘密をバラされたり、子供と心が通わないことに悩む母親像を赤裸々に演じていました。
映画としては面白味に欠けますが、国産の、チープなジュブナイル映画に比べれば、遥かにマシ。スキップしないで最後まで見られる映画ですけどね。日本の若手女優は「泣き」の演技さえできれば女優扱いされるとでも思っているんじゃないでしょうか。この映画を見て勉強してほしいです。こんな下ネタ満載の映画、事務所がOK出すはずありませんからね。それだけ主演の女の子は身を削っているし、予算がなくたって面白さは追求できるお手本です。
2018.1.22
鉛筆削りヴィーンのとこくらいしか笑えなかった。邦題にモンスターとは...
鉛筆削りヴィーンのとこくらいしか笑えなかった。邦題にモンスターとは本当よくつけたものだと思った。
ウディハゲルソン先生凄く良い。パッケージのフローズンヨーグルトも先生が奢ってやったものだったのね。
内容全然違うけれど屈折した女子が主人公ということで「ゴーストワールド」を思い出したけど、あれは本当に声出して笑ったし無害だし可愛いさがある。
このネイディーン自分に正直で憎めない系ヒロインなのだろうけど本気で何だよコイツと思った。ゴネかたが可愛くない。この女優がスゴイではあるけど、内容は好きじゃないし終わり方もなんだかなぁだった。
最高
主人公は皆に嫌われて唯一の親友も兄に取られ。。ヘンリースタインフィールドの魅力一杯の映画。
脚本が兎に角素晴らしく、所々で笑わせ泣かせ思春期の不安定さも画面一杯に溢れて。会話がリアル過ぎて脚本家にも拍手。兄も家族の犠牲になってての場面は泣けてくる。またトイレでのシーンも好き。何度見ても飽きない上質の作品でした。
先生役のウッディハレルソン、凄い良かった。
アメリカ版の『うっせぇわ』
人付き合いが不器用な女子高生が家族や親友との関係をどんどん拗らせてしまう話。
多くの人が大なり小なり経験するような事を良い意味で薄く描いているので重くない。だからこそ、エンディングにかけては、観ていて自然と笑みが溢れた。
ウディ・ハレルソンが何気に良い味出してた。こういう役も似合うんですね。
地味にリアルで痛々しい
すごく良かった。
過剰なイジメとかあるわけでもないし、ものすごく酷いことがあるわけでもないし。
でもコミカルなのに、一々痛いところが非常にリアリティがあった。
ネイディーンだけじゃなく親友だったり、母親だったり先生だったり
強引にハッピーエンドにこじつけるのではなく
バカなネイディーンが馬鹿さ加減に気づき何となくハッピーエンドってのが良かった。
クリスタがネイディーンの兄を彼氏にしたあとでパーティーで
ネイディーンを放って置いたり、ネイディーンが親友か兄かどっちか選んでとか
なんかこの年齢ならありそうな感じが、あー、言っちゃったかーとか、
現実にありがちな事を大げさじゃなくコミカルにうまく転がしてたのが良かった。
先生のなんとも頼りな下げで全くいい事言わないのもいいよね。
ここで普通なら説教臭いこと言うはずだけど、なんだか最後まで
先生らしからなかった。でも一応は最後まで面倒は見たのも好感あり。
映画には特別悪いやつも出てこないし、どこにでも居そうな人たちが
普通の生活を送っていたのがよく表現されていたと思う。
スウィート17モンスター
前半、アーウィンとの遊園地デートが最高だった。2人とも会話が下手で噛み合ってない感じ。
何もかもうまくいかない女の子は、兄の気持ちを知ることで自分を見つめ直し前向きに。
先生はそこに至るまでのキーパーソン。誰よりも彼女を理解していたのは先生だったのかも。彼はなにも特別なことはしていないが、確実に意味のあることをしていたように思えてならない。その1つが、彼女に家庭での父親としての姿を見せたこと。
人は自分のこと・自分の本当の気持ちを隠したがる。
だからこそ大切なのは身近な人のことをもっとよく知ろうとすることだと教えてくれた映画。
母親との問題をあの『Ok』2文字で解決させるのはおしゃれ。
ネイディーンとアーウィンの未来に幸あれ。
4
地味でイタくてめんどくさいこじらせ17歳、
でも単純で素直で憎めない主人公役を
ヘイリーが絶妙にリアルに演じていて、
観ていて飽きないし、共感できる部分もあって
懐かしい気分にもなりました。
他作で気になっていたヘイリーとウディハレルソンが
やはり良い味を出しすぎていて、観て良かった!
すき
思春期に通らなきゃならない、自分の汚い部分というか欠点を直すきっかけがやっぱりこういうことなんだなと思った映画でした。
大袈裟なくらい性格が曲がっている主人公だけど、その気持ちもわかっちゃうというか
誰しも共感してしまうブスの部分を、恋愛や友情を通して素敵になっていくっていう感じで
わたしは好きでした。
嫌になると甘いものを食べたりしているのもベタな感じが好きですし、流暢に先生に悪口を言うシーンも好きです。
これがリアルなアメリカのティーン!?
青春映画が大好きなので鑑賞。
今まで観た青春映画とはまた違った映画で、とても面白かった。
主人公のネイディーンは常に空回りしてしまい、家族や親友、教師とも関係をこじらせてしまう。やりすぎではないかと思えるほど、ネイディーンはクレイジーでわがまま。しかし、鑑賞者は繊細でどこか憎めない彼女に寄り添いたくなる。
そんな彼女を演じたヘイリー・スタインフェルドは今後大きく活躍していくであろう。
これがアメリカのリアルなティーンなのかと考えると少し大げさなのかなとも思うが、青春コメディ映画としての出来は非常に良いと思う。
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