午後8時の訪問者のレビュー・感想・評価
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電話が鳴る。 ベルが鳴る あれ?この人は確か?…や。 ドアを開けて...
電話が鳴る。
ベルが鳴る
あれ?この人は確か?…や。
ドアを開けても大丈夫なのか?…と。
また、終盤で彼女が窓を開け煙草を吸う。
窓越しには駐車している車。
ひょっとすると、車から誰かが出て来て何か起こるのではないか?等。
そんな不安感や緊張感が、画面から沸き起こって来る様だ、
特に今回はカメラが主人公である彼女の絶えず横に位置している。
前から撮り、彼女の顏のクローズアップを主体にするでなし。
『息子のまなざし』の様に、常に背後から撮る訳でもない。
彼女の横に位置し、彼女の横顔を多く撮る事で、さも観客をその場に居合わせる感覚を与え、観客の想像力をかきたてる。その事により半端ない緊張感を生んでいると言えようか。
(2017年4月12日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1)
後悔先に立たず
この作品のキーワード「後悔」「タラれば」は私の嫌いな言葉です。この作品は主人公の女医が人命を救えなかった後悔から始まる内容ですが、話が淡々と進むため前半はウトウトzzz…、しかし後半は一転してどんどん引き込まれた。ラストカットもシンプルで良かったが全体的にボリュームが欲しい。この作品を通じて、後悔しない生き方をしたいと改めて感じた。
2017-66
もう少しジャンル映画に寄せてもよかったかも
いつものダルデンヌ作品に、ジャンル映画的要素がプラスされた訳だけど、それほど調和が上手くいってるようには思えないかも。その代わりに、「一人の死に、間接的に関わってしまった」人たちの告白は胸に迫る。
フランスらしい
犯人はブライアンの父親、ジェニーに告白して自首するといって首を吊るが失敗。
診療所を続けていくことにしたジェニーが、患者の老婦人の迎え入れる。
入口のブザー音。
診療所のドアを開けるジェニー。
ドアからなだれ込んでくるハイウェイの騒音。外界の生活、普通の人々の暮らし、それを表す騒音だ。
杖をついた老婦人の傍らで彼女を支え、階下の診療室へと降りていく・・・ラストシーン
ただ淡々と物語が進んでいくので観るのがつらいのはハリウッド映画の観すぎの証か?
知らない女の子、だけど
ベルギーの閉塞した一地方都市。構成は『サンドラの週末』に似ていると思いました。
最後に彼女とするハグが重いですね。いろいろ考えさせられる作品です。
いい人は悩む
フランス人って全然微笑まないのね。
可愛くて優しいのに無愛想で…
夜8時の訪問者を巡り
大きな陰謀、事件が繰り広げられ、
可愛く若い女医が自分を叱責しつつ
必死に解決へと導く。
ということは無く、
非常に現実的な話だったな、と思った。
身近なところで身近な人が起こした事件。
結果から見ればサスペンスとしては
動きは小さくこじんまりしていた。
そんなに責任を感じる必要もないのに
感じてしまう責任。
それは何だか良く分かる。
映画を通して、彼女がとても面倒見の良い人だってことはよく分かった。
彼女の家族とか背景は何も描かれず
すごく孤独な気がして可愛そうになった。
研修医のこととか、
事件のこととか、
責任を感じてしまった彼女は救われたのかなぁ…。
きっと、一人ひとりの良心のあり方を問われます
いまさら、良心ですか?と正面から問われるとちょっと口籠もってしまいそうですが、やはりそうです、と答えるしかないですね。
経済格差、差別、移民、テロ、自国第一主義、EU(設立の理念も含めた)崩壊の危機。どれもこれも個人のレベルで対処することの難しい大きな問題ですが、だからこそ今、個人で出来ることは何か、その行動基準は何か、ということを観るもの一人ひとりに問いかけてくる映画だと思いました。
死んだ者を蘇らせることは出来ないが、悼むこと、偲ぶことは出来る。それは名前を取り戻して、埋葬すること。それが8時5分に扉を開けなかったことの唯一の償い方。
例えば、難民のボートが沈んで、名前など誰もわからないままのたくさんの死者を悼み、偲ぶことは難しいですが、この街で生活してた誰某(名前)として埋葬されれば、遺族や少しでも関わりのあった方は、故人の生前のことに想いを馳せ、想像することで生きてる方の心の中に蘇らせることは出来ます。
ジェニーはきっとそう考え、それを実現させるために行動したのでしょう。良心とか、良心に基づく責任の取り方というものは、本人が決めることなので、他人が口を挟む余地はありません。だからこそ、ジェニーの行動には、我々からすると、何でそこまでするの?と思うようなことがあったのだと思います。
『たかが世界の終わり』に続き、このような(きっと興行的にはリスクのありそうな)作品作りを許容するフランス文化の奥深さにまたもガツンと打ちのめされました。
ただ、暗い気持ちになっただけの映画。
例えば『サンドラの週末』などもそうだったが、社会派のフランス映画(と言っても監督はベルギー人だが)というのは、効果音もなく淡々とストーリーが進んでいく。話のスジに興味がわかないと退屈でしょうがないであろう。
この映画は、ややサスペンス色のある展開だったせいで結末への好奇心が保ち、寝落ちせずに済んだのだが、そのラストは、期待値のハードルを越えるものではなかった。同じ黒人が殺されたからではないが、『人間の証明』における人間の郷愁のようなものでもあるのかと思っていたのは、自分勝手な思い込みだったようだ。
何より、主人公が暗い。研修医が辞めたのも、少女が死んだのも、なぜそこまで自責の念にかられるのか自分にはわからない。閉塞した映画の雰囲気からは、フランスの停滞した経済からくる人々の虚無感しか伝わってこなかった。
警察も医師も、カジュアルな私服なんだなという発見もあったか。
民族・人種と人間をテーマとする本格フランス映画
ミステリーがあり、マイペースでフランス映画らしい。
女性の医師一人が真相を追う。
特に医師という設定は妙に色々映す。
多くの人の痛みを見てきた職業だからこそ、人の命を大事にする。
だが少女の死の背後に隠したのは人種に対する差別。
フランス人である女主人公のジェニーも結局少女の死と関わり、嘆くほかならない。
全体的にクライマックスもほとんどなかったが、新たな情報がどんどん入ってきてつまらなくもなかった。
死者の声を聞く
主人公が死者の思いをあのように真剣に受けとめたのは、医師だからこそと思った。
8時5分の訪問に応えなかった背景も、研修医との関係もよく書き込まれた脚本だった。
音楽が無いのも、脚本に集中できた。
移民社会の隠された部分に切り込んだ正統派社会派作品
ドアを開けてあげなかったばっかりに死んでしまった黒人少女に対する良心の呵責から彼女の素性と死因を自分で探り当てようと動く主人公の女医。しかし彼女の調査が進むにつれ邪魔だてする者もいれば、警察も被害者の真実を明らかにしてくれない。欧州の移民問題の闇を垣間見せる佳作。
民主主義に寄せる信頼
主人公が自分の主張を曲げないんだよね。それで他の人と思惑がぶつかるんだけど、そこからひたすら対話。相手も、そうは感情的にならずに対話に応じて、それで少しずつ話がすすんでくの。
フランスの人は、自分たちが創り上げた近代民主主義を信じてんだなあと思ったね。
対話のプロトコルもしっかりしてて、「ボンジュール」で始まって、「オヴォワー」で終わんの。ここがしっかりしてるから、ガンガン対話できんのかもね。
女優さんが綺麗すぎないのも良かったな。
そういうのひっくるめて「《サンドラの週末》に似てんなあ」と思って出てきたら、同じ監督の作品だった。パンフレット特集が組まれてて知ったよ。
とにかく淡々としていてつらい
フランス映画特有の、盛り上がり感ゼロの淡々とした映画。だが、いろいろ考えさせられるところはある。
しかしいかんせん彼女の心理状態がこちらに伝わってこず、見ていて厳しかった。。能動的に「感じる」モチベーションがないとつらい映画でした。
渋い質実剛健な作品
主人公がとにかく淡々と冷静なので、映画も淡々と進む印象だったけど、思い返すと、落とし穴に落とされたり、こわい二人組に脅されたり、トイレがある事情で壊れたり、かなりハードボイルドなことが起きていて、そんななか、人の言動が変化してく様子、そこから、その人のあり方、本性が浮き彫りになってく様子の描き方が巧みだとおもった。取り乱す人たちと、あくまでも感情を乱さないジェニーの対比も際立っていた。
音楽って映画にとって大事だな
と思った。
音楽が皆無なところがすごいと言えばそうなるのかもしれない。
しかし、私は単純に、適切な音楽や効果音があれば☆4つになるのになあ。勿体無いなあと思ってしまいました。
思っちゃったんだからシヨウガナイ!
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