パターソンのレビュー・感想・評価
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パターソンのパターソンさん
大好きな映画。
何回観ても好き。
音楽が微妙に暗くて怖いのも割と好き。
7日間、パターソンは目が覚めて、
隣には奥さんが寝ていて、
ポストの位置を直し、
仕事へ行き、
犬の散歩がてらバーに行ってビールを飲んで帰る。
ルーティンなのに、毎日同じではなくて、
誰かが彼に、彼が誰かに何かを仕掛ける。
ちょっとしたことなのに。
それが特別な日になる。
何回観ても発見があって面白い。
途中で、「ムーンライトキングダム」の主演二人がバスで話してるのが、ジム監督があの映画が好きなのかなと。勝手に想像 笑。
2回目の鑑賞
誕生日の映画として選ばせて頂きました。
“生きていることに意味がある”と思える映画だと
改めて感じました。
こんなにも何も起きないのに、
こんなにも人を救ってくれる映画ってあるのだろうか。
アダムドライバーの凄さよ。
これだけ、セリフなくて、キャラクターというものを作り上げられる彼の存在感すべてが価値のあるものですね。
カラー版「ストレンジャー ザン パラダイス」
以前、劇場公開されていた時に観られなかったので、アマプラで鑑賞。日常のなんでも無いような日々の出来事で悲しんだり、幸せに感じたりと、ほのぼのする作品でした。
ただ、ラストシーン、あの人が出てくる必要があったのだろうか?
寝ちゃった、、、
ごめん、寝ちゃったのでもう一度観ます!笑
アダム・ドライバーを見たいだけだったの笑
かっこよすぎて、好きすぎて、寝ちゃった
批判的に言うなら"おしゃれ映画"の"雰囲気映画"だけど
それよりもう少し哲学的だったかな…
いや、アート的だったかな
遊び心満載で
なんといっても奥ちゃまのモノクロセンス♡
あれが一番おしゃれだったわね
想像でものを言えば
あの夫婦、子供がいない、風が通り過ぎる感じ
ほんのちょっと虚しさを感じるのよねー
子供がいたらおしゃれもへったくれもないもんね
そんなことはいいんだけど
永瀬さん、いる?笑
詩のノートは喰われてよかったね…
大した詩じゃなかったよ?
帰省する映画作家
故郷に帰ってきたような感じがする映画がある。僕の場合は小津だったりヴェンダースだったり、ジャームッシュだったりだ。
公開年からして高校一年だったようだが、初めて映画雑誌を買った。たぶん「スクリーン」だ。巻頭カラーにはブラットパックがひしめいていて、トム・クルーズがビリヤードをやったり、クリストファー・トーマス・ハウエルが顔を黒く塗ってバスケをやったりしていた(思えばアレはいまなら公開できないんじゃないだろうか)そんな紙面の中頃に、映画評論家の投票によるその年のランキングがあって「ストレンジャー・ザン・パラダイス」が1位、「ダウン・バイ・ロー」がベストテン内にあって、なんだこの映画は? 1位なのになぜ他に記事がないんだ?と疑問に思い、新潟はカミーノ古町のいまはなき映画館で見て、こんな映画がアリなんだ、と衝撃を受けたのだった。
当時はストレンジャーが比較級だってことも、ローが法律だってことにも気づいてなかったけれど、いま思い返すとあれが原体験だったのかもなあ、なんて中年のおっさんは感慨にひたる。
例によってジャームッシュとは、「コーヒー・アンド・シガレッツ」以来二十数年ぶりだ。すっかりご無沙汰していても変わらずに歓迎してもらったような感じがした。やっぱりホームタウンはいいものだ
パッと見はシンプルな生活だけど 観てる側が主人公の気持ちを 読み取...
パッと見はシンプルな生活だけど
観てる側が主人公の気持ちを
読み取りやすくなってて
とっても深みのある映画だと感じました!
セリフが少ないからこそ
きっと今こう思ってるんだろうなって
たくさん想像がふくらみました!
ワンちゃんもポイントになってて面白かったです
移動時間は音楽を聴くことが多いけど
たまには何もせずそっと耳をすますと
色々と発見があるかも。。
繰り返しの毎日のようで全く同じ日はない!
1日1日を大事にね。
パターソンという町に住むパターソンという名前のバス運転手の1週間をたんたんと描いた話。
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ジム・ジャームッシュの作品だから、当然派手なことは起こらない。ほんとうにある男の1週間の様子を描いただけ。奥さんと目覚めて(時には1人で)、バスの運転をして、詩を書いて、夜には犬の散歩がてらBARに行く。
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BARのマスターが客の女に気を取られて全く相手にしてくれない日もあるし、奥さんが作った謎の昼ごはんが美味しくなかったり、毎日少しずつ色んなことが起こる。
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これって私たちの日常そのもの。毎日一緒のようで違う。ちょっと嫌なことがあったり、ちょっと良いことがあったり。毎日が繰り返しなんて思わず大事に生きていこうと思った。
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この映画の最後に、「詩の翻訳はレインコートを着たままシャワーを浴びるようなもの」って言うセリフが出てくるんだけど、その瞬間今まで劇中で出てきた詩の字幕を必死に呼んでた時間はなんだったんだと思ったね(笑).
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だから字幕は無視して英語の韻とかに注目してみるのが良いかな〜
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大人が描いた大人
Patersonはじぶんとおなじ名前の街Paterson, New Jerseyでバスの運転手をしている。そこは有名な詩人William Carlos Williamsの故郷であり、Patersonも詩作をする。
Patersonは日常から刺戟をもらう。つれ合いのローラは自己完結している。勝手に幸福になっていてくれる魅力的なひとである。翻弄されるが、心地よい翻弄といえる。奔放だがPatersonの感情に無頓着なわけではない。
バスの運転手の日常は単調である。乗客の会話に耳をすますこともある。操車場の近くで、女の子が一人でいるのを見かけ、自作の詩を聞かせてもらう。韻は踏んでないという少女。その方が好きだとPatersonは伝える。
過介入はしないが傍観者でもない。バスの運行トラブルで乗客を誘導し冷静に対処する。ローラの飼い犬マーヴィンには敵対視されているが、散歩に連れ出しバーで一杯やる。失恋男から果敢に銃を取り上げる。
それらの途中にPaterson作の詩が挿入される。
語り口はリアルでもコミカルでもない。坦坦とかオフビートとは言えるが、anticlimaxが妥当と思う。皆、穏やかな人々である。
William Carlos Williamsを探求して米国を訪れている日本人の詩人──という役回りで永瀬正敏が出演している。瀑布の見えるすがすがしい公園でPatersonと詩について語り合う。
理知的だが、uh huhに不可解な抑揚をもつ男である。彼は「私の書く詩は日本語だけでね、英訳はしてないんだ」とことわって、Poetry in translation is like —taking a shower with a raincoat on.と見解をのべる。
明解な結論はなかったと思う。あるのかもしれないが、解らなかった。
たとえここに描かれている寓意が解らなくても、映画に、日本にはない大人度を見ることができる。それは、やみくもに羨ましくなるたぐいの大人度だ。
どうでもいい話だが、このような映画を見たときに、脈略もなく日本映画と比較して、日本映画批判がしたくなる。
そんな牽強付会をしたくなる以上、わたしにも大人度なんて言える大人らしさはない。だからよけい羨ましい──のだろう。外国映画と日本映画を比較する必要はない。すなわち比較するのは雨合羽を着てシャワー浴びるようなこと──かもしれない。
デイリーニュース
のように毎日同じ時間に同じようなことを繰り返すが、よく見るとその日常は毎日新しくて、決して平凡であったとしても感じ方一つで楽しくもなり、感傷的にもなる。
そんなパターソンの日常を切り取り、少しづつ変化する新しい毎日をジム・ジャームッシュらしくゆっくりと時間をかけて見せていく。
少しの時間だけ出演する永瀬正敏が、、、。
永遠不滅
パターソンはバスのドライバー。同じドライバーでも、「タクシードライバー」のトラヴィスは、民主主義の理想と現実の狭間で、「腐敗しきったこの街を俺が浄化してやる」と決意した。
イギー・ポップは放蕩三昧に生き延び、次の世代の反逆児ロックスターの手本となった。
スマホの父、スティーブ・ジョブズによって、アメリカン・クールはついに消費至上主義のロジックにまみれてしまった。
そこで、ジム・ジャームッシュは自分の撮る映画を不滅にすることで、私たち市井の人々の営みを永遠不滅の価値あるものにしてくれた。
反復はそれぞれ独立して存在しているのではなく、互いに連鎖をなして支えあっている。それゆえ一連の創造と芸術は一連の反復によって生まれるのかもしれない。
小さなマッチ箱、バスのお客さんのおしゃべり、あちこちで出てくる双子のイメージから、そんなことを感じた。
そして。魂の回復は見ず知らずの他者との共有のなかにあると気づかせてくれた。
余韻がハンパないチャーミングな名作。
穏やかな日常なのに退屈さを感じない。
パターソン氏の持っている物がセンスが良い。奥さんの突飛な行動に少し困ってはいるけど本気で怒っているわけではないところに愛情を感じる。全てが詩的に進行していき、実際に詩を詠む心を持っている人には日常がこう見えているんだろうなと感じる。街の景色も綺麗で、散歩できる場所に住んでいるって良いなあ。感性とは、自分の人生を楽しむための道具なんだと思えた。連想した著書は、レベッカ ソルニット「ウォークス 歩くことの精神史」と四元康祐「偽詩人の世にも奇妙な栄光」。
心が通じ合うという気持ちよさ
アダム・ドライバーの佇まい、声、表情。俳優としての器なのか、監督の力量なんでしょうか、なんかこの作品に他の演者はありえないのではないかと思えた。映像もセリフも静かにそっと傍らに寄ってくれるような、それも決して嫌味ではなく。幼馴染としみじみ昔を振り返っていたような2時間でした。彼女とパターソンの会話は言葉は少ないけど気持ちが本当に通い合って素敵。とても好きでした。
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