「ちょっとだけオカシイ毎日があれば」パターソン ロンロンさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっとだけオカシイ毎日があれば
人が生きて行く為に繰り返される生活。当たり前の日常の中に生きる術と、ほんの少しの喜びを見い出すことは、とても尊いことだと気付かされます。自分と異なる他人だからこそ見えてくる、共有できる価値感と少しのズレのおかしさが滑稽で愛おしく思えるのはパターソンが日常の中で起きることを、自分なりに、なんとか面白がって受け入れて生活しているからなのでしょう。この生活を彼が嫌々ながら続けるならば本作は成立しない。こんな事もあるから人生は楽しみなのかもしれないと、心が暖かくなります。
とりわけ美しい映像表現を散りばめたような、よくある大作映画とは一線を画したジャームッシュならではの映像表現は、かえって新鮮にも思えます。
少し眠気が起きるほどのテンポですが、これは何度でも見たい映画です。
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